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GeForce 8600
  • NVIDIA
  • 発表日:2007/04/17
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印刷2007/03/16 21:43

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追加取材で見えてきた「GeForce 8600」「GeForce 8500」の正体

 「CeBIT 2007 Hannover」でMSIがフライング公開した,NVIDIAの新型GPU(グラフィックスチップ)「G84」「G86」だが,その後の各グラフィックスカードベンダーへの取材を通して,正体が少しずつ明らかになってきた。

 まずG84だが,これが「GeForce 8600」シリーズになるのは昨日の記事のとおりとして,同シリーズは「GeForce 7900 GS」と「GeForce 7600 GT」,つまり現行のミドルレンジGPUを置き換える形になる。「GeForce 8600 GTS」と,その下位モデルとなる「GeForce 8600 GT」が先行して市場に投入され,さらにフラグシップモデルとしての「GeForce 8600 GTX」と,最下位モデル「GeForce 8600 GS」が追加される計画があるという。
 グラフィックスカードベンダー関係者の話では,G84は80nmプロセス技術の採用により,高いオーバークロック性能を備えており,GeForce 8600 GTS搭載製品でも,コアクロックやメモリクロックをチューニングすることで,グラフィックスメモリ320MB版の「GeForce 8800 GTS」に匹敵するパフォーマンスを発揮するとのことだ。

 MSIが展示したのは,GeForce 8600 GT搭載と見られる製品で,GeForce 7600のカードデザインを採用したもの。実のところ,G84とG86のカードデザインそのものはGeForce 7600と共用できるが,ピンアサインが異なっているためSLIが機能しない。そのため,SLI対応版は,別途NVIDIAのリファレンスに沿った新デザインを採用しなければならないのだそうだ。

要するにCeBITで展示されているカードでは,SLIピンコネクタを利用できないというわけである


 一方,G86に関してはベンダーによって情報が異なるなど,情報が錯綜している。グラフィックスカードベンダー関係者によれば,「GeForce 8500 GT」のパフォーマンスは「GeForce 7600 GS」と「GeForce 7300」の中間になるようなのだが,プログラマブルシェーダ(シェーダモデル,以下SM)4.0世代の統合型シェーダ(Unified Shader)アーキテクチャを採用するというベンダーがあるかと思うと,一方では,GeForce 7ファミリーと同じSM3.0世代なのだと説明するベンダーもある。

6ピン電源コネクタ用空きパターンが確認できる
 さて,MSIのブースでは,「DirectX 10」と「DirectX 10 Ready」という表記を使い分けている気配があると,昨日の記事では指摘したが,これには裏があるというのが業界関係者の見方だ。
 昨日の記事を改めてチェックしてほしいと思うが,SM4.0対応と書かれていない,赤い基板の(G84搭載とされる)カードには6ピンのPCI Express外部電源コネクタ用空きパターンが用意されているのに対して,SM4.0対応の表記がある黒い基板のカードにはそれがない。「(MSIはNVIDIAに配慮して)わざと情報を入れ違いにしているのでは?」と見る向きも少なくなく,昨日の記事で指摘したとおり,SM4.0対応と書かれていないほうのカードこそG84搭載製品であると見るのが自然である。

左のカードの紹介にはSM4.0のアイコンがなく,右のカードの紹介にはある。カードの説明は順に「New Graphics Card with DX10 Ready」「DX10 Graphics Card with HDMI」


 ちなみにMSIは,ノートPC用グラフィックスカード,「MXM」も展示していた。同社は,メモリチップを4個搭載するするものを「G84」,もう一方の,メモリチップを2個搭載した,やや小型のものを「G86」と説明していたが,後者は先ほど説明した黒い基板のカードが搭載しているものよりも小さく,どうやら別物である。ノートPCベンダー関係者によると,ノートPC向けのG86はデスクトップ向けとは異なり,SM4.0に対応する,64bitメモリインタフェース採用のGPUとされており,MSIは,G84と2種類のG86,都合3製品を公開した可能性が高い。

MSIブースで展示されていたMXM。左がG84,右がG86搭載モデルとされている


  いずれにせよ,デスクトップ版のG84とG86が,AMD(旧ATI Technologies)の「R600」(開発コードネーム)ファミリーよりも先に市場投入されることはまず間違いない。ある業界関係者は「日本のゴールデンウィーク前には,潤沢に製品が供給できるはず」と述べており,まもなく正式発表,市場投入されることになりそうだ。(ライター:本間 文)

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