P35を搭載する「IX35 Pro」はDDR2 SDRAM採用モデル。独自の冷却機構“Silent OTES”の採用により,ファンレス動作を実現している
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今年もアジア最大のIT見本市,
「COMPUTEX TAIPEI 2007」(以下,COMPUTEX)の時期がやってきた。マザーボード関連では,すでに秋葉原でも展示が開始されているIntelの新チップセット「Intel P35 Express」(以下,P35)などを搭載した製品が主役となる。しかしそこはIT見本市,マザーボードベンダー各社から,2007年第3四半期に発表予定の,Intelの次期フラグシップチップセット「Intel X38 Express」(以下,X38)を搭載したマザーボードも参考出品される。
ABITは2006年,台湾の大手OEM向けアセンブリベンダーUSI(Universal Scientific Industrial)に買収され,Universal abitとして再スタートを切った。COMPUTEX 2007でP35を搭載した「IP35 Pro」を正式発表するほか,X38搭載モデルも参考出品となる予定だ。
Intelが第3四半期に発表を予定している次期フラグシップモデルのX38。PCI Express 2.0の採用などにより消費電力が増大するため,チップセットにはIHS(Integrated Heat Spreader)が搭載されている
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X38は,DDR3-1333に対応するとともにPCI Express 2.0をサポート,グラフィックス用の拡張バスは,PCI Express x16×2に強化される。Intelは当初,X38ではDDR3 SDRAMのみをサポートする計画であったが,DDR3 SDRAMの立ち上がりの遅れもあり,2007年4月中旬に中国・北京で開催された開発者向け会議の「Intel Developer Forum 2007 Beijing」において,X38ではDDR2 SDRAMもサポートすることを正式にアナウンスした。
これを受けて,Universal abitでは,X38搭載マザーボードでDDR3対応とDDR2対応の2製品を出品する。フラグシップモデルとなるDDR3対応版の
「IX38 MAX」は,VRM(Voltage Reguration Module)にデジタルPWMを採用し,より安定してCPUに電源を供給するとともに,電源変換効率も引き上げている。むろん,Universal abitお得意のオーバークロック機能についても現在チューニングを進めており,FSB 1600MHz,DDR3-1600以上の動作を目指して開発が続けられている。DDR2モデルの
「IX38 Quad GT」は,メモリ以外の基本設計はIX38 MAXと共通となっている。
(左)Universal abitの次期フラグシップモデルとなるX38搭載ATXマザーボード「IX38 MAX」
(中央)VRMには,サーバー/ワークステーション製品で採用されているデジタルPWMを採用。CPUにより安定した電源を供給できるようにするとのこと
(右)X38搭載モデルながら,DDR2 SDRAMを採用した「IX38 Quad GT」。DDR2-1066などのより高速なメモリをabit独自でサポートすべく,検証を進めているという
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また同社は,HDMIなどのマルチメディア機能を重視したモデルのラインナップも強化する。
「Fetal1ty F-I90HD」は,チップセットにATI Radeon Xpress 1250を採用したATXマザーボード。FSB 1066MHzに対応し,Core 2 Quadもサポートするうえ,Intelプラットフォームとしては珍しく,オンボードでHDMI出力をサポートする製品だ。同製品はCOMPUTEXと同時期に日本に本格出荷が開始されるとのこと。
AMDプラットフォームでは,NVIDIAのGeForce 7050PV+nForce 630aチップセットを採用した
「AN-M2HD」でもHDMI対応を果たす。COMPUTEXでは,このAN-M2HDを使ったHDMI出力のデモも公開される予定だ。(ライター:本間 文)
(左)チップセットにATI Radeon Xpress 1250を採用した「F-I90HD」
(右)NVIDIAのGeForce 7050PV+nForce 630aチップセットを採用した「AN-M2HD」
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