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印刷2007/06/13 20:08

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[COMPUTEX 2007]DDR3とIntel Extreme Memory総まとめ

OCZ TechnologyのDDR3-1333モジュール。レイテンシは7-7-7-20
 Intel 3シリーズチップセットの登場で,メインメモリはDDR3への移行が始まることになる。
 DDR3 SDRAMは,メモリチップ側に8bitプリフェッチ機能(CPUがデータを必要とする前にデータを読み出す機能)を内蔵することで,同じメモリクロックで比較したときにDDR2 SDRAMの倍の転送レートを実現できるのが,最大の特徴だ。例えば同じ400MHzのバスクロック(メモリクロック200MHz)のとき,DDR2 SDRAMだとDDR2-800になるところが,DDR3ではDDR3-1600を実現できるようになる。DDR2 SDRAMが,現在DDR2-1066に達しようとしていることもあり,メモリチップ&モジュールベンダー各社は,オーバークロック動作ではない状態でDDR3が実現可能なクロックとして,最終的にDDR3-2132以上を見ているようだ。

Intelブースでは,動作検証済みDDR3 SDRAMメモリモジュールが展示されていた


DDR3でもCorsair MemoryのハイエンドはDominatorシリーズが担う。DDR3-2000のデモも,このDominatorシリーズが使用されていた
 さらに,DDR3 SDRAMはオーバークロック耐性における大きなアドバンテージを持つというのが,メモリモジュールベンダーの共通した見解である。
 少し前提となる話をするが,2006年7月に欧州圏で施行されたRoHS指令を知っているだろうか。これは簡単にいうと,人体に有害な特定の物質を,電子機器に用いることを禁ずるもの。電子機器の製造に欠かせない“はんだ”の材料となる鉛がRoHS指令の対象となったため,メモリのはんだ付けには鉛フリーのものが利用されるようになった。このとき,鉛フリーはんだは従来のはんだよりも融点が低く,これがDDR2メモリでメモリ電圧を上げられない原因となったのだ。メモリ電圧を所定の水準から大きく上げられないとなれば,オーバークロックメモリモジュールを作るのは難しくなる。

 こうした状況に対してDDR3 SDRAMでは,動作電圧がDDR2の1.8Vから1.5Vに低下したことで,そもそものオーバークロックマージンが上昇したと,メモリモジュールベンダーの関係者は指摘する。実際,COMPUTEX TAIPEI 2007では,オーバークロック動作でDDR3-2000に達したメモリモジュールを,Corsair MemoryとTeam Groupによって動作デモ展示したほどだ。

Corsair MemoryによるDDR3-2000動作デモ。DominatorシリーズのDDR3-2000 1GBモジュールを2枚使用している。レイテンシは10-10-10-24。同製品は2007年第3四半期に市場投入される計画という
DDR3-2000のオーバークロック状況。ASUSTeK Computer製の「Intel P35 Express」マザーボード「P5K3 Deluxe」を利用している(右下のウインドウ)のと,定格667MHz動作のメモリを1000MHz,つまりDDR3-2000で動作していることが分かる(右上のウインドウ)。Intel Extreme Memoryについては,現時点だと未対応となっているようだ(左下のウインドウ)
Thermalright製のメモリクーラーを搭載するTeam GroupのDDR3-2000オーバークロックモジュール「Xtreem DDR3-2000」。レイテンシは9-9-9-20で,やや低めの設定となる。デモではベンチマークソフトが実行されていた


Kingmax Digital製のDDR3-1333モジュール。容量は2GBとなる
 しかしDDR3 SDRAMは,オーバークロック耐性の高さを持つ半面,互換性でDDR2 SDRAMに劣るという弱点を持つ。
 これは,DDR3 SDRAMの動作電圧マージンが±0.075Vしかなく電圧変動に弱いので,定格なら定格,(オーバークロックのための)過電圧なら過電圧で安定した電圧を供給しなければならないため。要するに,メモリモジュールの品質や,マザーボードの電源回路設計などの影響を受けやすいのである。
 また,メモリモジュールと(ノースブリッジまたはCPUに内蔵される)メモリコントローラを結ぶバスのクロック自体はDDR2 SDRAMと変わらないため,DDR3-1333以上では,メモリモジュールとメモリコントローラを結ぶ配線などの設計も,互換性に大きな影響を与えることとなる。

 実はこれこそ,IntelがDDR3 SDRAMにおいて“Intel版EPP”(EPP:Enhanced Performance Profile)ともいえる「Intel Extreme Memory」のサポートを決定した大きな理由の一つだと,メモリモジュールベンダー関係者は指摘する。COMPUTEX TAIPEI 2007の直前に,ASUSTeK Computerがメモリモジュールを手がけると正式に発表し,DDR3メモリモジュールをバンドルしたマザーボードや,DDR3メモリチップをマザーボード上に実装したモデルの投入を決めたのも,こうした背景のためだ。

ASUSTeK Computer製マザーボードに最適化されたDDR3 SDRAMモジュール(左)。同社はこのモジュールをDDR3対応マザーボード「P5K3 Deluxe」にバンドルして販売する計画を持っているという。右はその方向性を突き詰めた「P5K3 Premium」。Qimanda製のDDR3-1333メモリチップをオンボードで搭載。同社のDerek Yu氏いわく「相性問題が起こりえないうえ,配線の最適化も行えるので,簡単にDDR3-1600にまでオーバークロックできる」とのこと


Intel P35 Expressノースブリッジ
 ところで,Intel Extreme Memoryについて大手メモリモジュールベンダーは「当初,DDR3 SDRAM版EPPと説明を受けた」と口を揃えており,「Intel Extreme Memory」という名称は,突然の発表だったようだが,いずれにせよ位置づけは“DDR3版EPP”なので,メモリタイミングやクロックなどの情報を格納するSPDに,オーバークロック設定や動作電圧などの情報を付加したものになる。
 ただし,マザーボードやIntel Turbo Memoryのように,Intelからリファレンスデザインガイドが供給される予定はなく,現在EPPメモリを展開しているCorsair Memory,Kingston Technology,OCZ Technologyなどが独自にIntel Extreme Memory対応モジュールを展開していくことになりそうだ。またIntelとして,同技術をメモリの標準化団体であるJEDECに申請して標準化作業を進める意向も,いまのところない模様。Intel Extreme Memoryは(少なくとも当面の間)同社の独自技術として存在し,建前上,EPP(≒SLI Memory)と別物というスタンスになる。

Richard Malinowski氏(Vice President, Mobility Group兼General Manager, Chipset Group, Intel)
 もう一つ,Intel Extreme Memoryがらみでは,同技術が“DDR3版EPP”となることを受けて,DDR2対応マザーボードでEPPをサポートする動きがあることもレポートしておきたい。
 Intelでチップセットビジネスを指揮するRichard Malinowski(リチャード・マリノウスキー)氏は,「Intel X38 Expressだけでなく,Intel P35 ExpressもIntel Extreme Memoryをサポートする」「我々はDDR3のポテンシャルの高さに注目しており,DDR2でIntel Extreme Memoryをサポートするつもりはない」と説明する。そしてこれを受ける形で,マザーボードベンダーは,Intel P35 ExpressマザーボードでのIntel Extreme Memoryサポート,あるいはDDR2版Intel X38/P35 ExpressマザーボードでのEPPサポートを行うべく,対応BIOSをリリースする計画を持っているようだ。

 ただし,後者に関しては,まだ未定というところが少なくない。とくに中規模以下のマザーボードベンダーにとっては,Intel Extreme Memory対応BIOSのリリースで“いっぱいいっぱい”で,とてもEPP対応BIOSの開発まで手が回らないというのが実情。前者についても,「Intel X38 Expressマザーボードの投入に合わせて,Intel P35 ExpressマザーボードでもIntel Extreme Memory対応を果たすほうが現実的だ」とのことである。

 その意味では,市場に存在するIntel P35 Expressマザーボードで,すぐにIntel Extreme MemoryやEPPが使えるようになると考えるのは早計といえる。メモリのオーバークロック性能を重視してマザーボードを選ぼうと思っているなら,メモリモジュールベンダーの対応やマザーボードベンダーのBIOSリリース状況を確かめてからでも遅くはないだろう。(ライター:本間 文)

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