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[G★2007#57]Nexonブース最大の注目作,アクションRPG「マビノギ英雄伝」
試遊台で試せたのは,二刀流の男性キャラ「リシター」と,盾と剣を持った女性キャラ「フィオナー」だったが,プレイフィールはそれほど変わらない。フィオナーでは盾を使った防御技も使えたが,おおよそどちらも実に爽快に敵を切り伏せていくし,岩や樽を持ち上げて敵に投げつける動作は,どちらでも同じようにできた。
スタートボタンのクリックなどを除いて,マビノギ英雄伝はすべてキーボードでプレイできる。キャラクターはカーソルキーで移動,A/S/Dキーに回避/攻撃/強力攻撃が割り当てられ,Wキー長押し後のリリースで,どちらのキャラクターでも投げ槍が使える。また,樽や箱,岩といったオブジェクトの近くでWキーを押すと,それらを持ち上げ,もう一度押せばレティクルで示された位置に投げつける。
剣による攻撃は,振りかざした軌道上の複数の敵に当たるので,一対多の戦闘も,実に爽快に進む。斬撃のモーションパターンといい,踏み込み方といい,真・三國無双シリーズを思わせるものだ。敵は適度にカタいので,第二撃,第三撃を見舞わないと倒せない。いきおい,踏み込みや斬り上げ/斬り下ろしの連続パターンが繰り出されることになり,これが戦闘の迫力を演出している。その意味で,敵のしぶとさと,こちらの攻撃力の比は,こころよいバランスになっていたといえよう。アクションについては,[G★2007#21]でプレイムービーをアップしているので,そちらも併せてチェックしてほしい。
本作のマップは,拠点となる街を除けば,いわばすべてダンジョンである。天井の塞がった地形としてのダンジョンではないのだが,曲がりくねっていて高低差があり,ときにエレベーターのような仕掛けすらあるフィールドを,モーニングスターや弓を持った狼男を倒しつつ,ひたすら進んでいく。敵種族の一つにオオカミが選ばれているあたりも,マビノギとケルト神話モチーフを共有するゆえんだろうか。
道中には,鉄のトゲが生えた丸太のブランコ(?)や,転がり落ちてくる岩など,致死性,というか即死の罠がしばしば仕掛けられている。試遊用のプレイヤーキャラクターがかなり強力な設定になっているせいか,モンスターとの戦闘でほとんどダメージを受けないため,こうした罠に引っかかってやられると,いささか唐突に感じられたのも事実だ。ただし,これらの罠はうまく使うと,敵をまとめて倒すのにも役立つので,頭の使いどころの問題ともいえる。
さて,Sourceエンジンのカスタム版をベースにしたゲームとして,「マビノギ英雄伝」の一つの特徴となっているのが,拾ったオブジェクトを敵に投げつける攻撃である。試してみたかぎり,通常の場面で役立つことはほとんどないように思われるのだが,これも実は頭の使いようで変わってくる。
例えば試遊台でのプレイでは,見張り台の上から矢を射かけてくる敵がいた。見張り台に到る道を塞いでいるものを剣で壊し,見張り台の脚下まで駆け寄って,脚を斬り倒してしまえば難なく崩れるのだが,実はほかの方法でも対処できる。見張り台に向けて槍を放ち,脚に当ててしまえば,接近することなく破壊できるのだ。このように,攻略方法に自分なりの工夫の余地がある点が,物理演算とインタラクションを取り入れたゲームの魅力だろう。
展示バージョンにおける“ラスボス”は巨大なクモのモンスターで,プロモーションムービーにおいて,鎖で動きを封じられていたのと同じ種類のようだ。発表会では「現時点で鎖は実装されていないものの,現状での強敵は,槍で足止めして叩ける」とのことだったが,いずれのプレイヤーもそれには成功していなかった様子。試遊を打ち切るための強敵として,そこに置かれていたのだろう。
今回の展示バージョンでは,特殊なスキルが1個も用意されていなかったため,もとより断言しようもないのだが,このバージョンが本作の基本的なテイストを備えているとすれば,それはMMORPG「マビノギ」とはまったく異なるタイプのアクションRPGであり,プレイ感でいうなら,その出来はたいへん良好である。展開が単調になる恐れもないわけではないが,そこはdevCAT Studioのこだわりに期待したい。本作に興味を持った人は,[G★2007#04][G★2007#05]にもぜひ目を通してほしい。
マビノギ英雄伝の現時点での完成度は40%で,2008年上半期にはクローズドβテストの開始が予定されている。ブースで聞いてみたところでは,ゲームパッドへの対応はとくに予定されていないとのことで,そこは残念な気がしなくもないが,より開発の進んだバージョンをプレイできる日が,実に待ち遠しく思える作品である。
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マビノギ英雄伝
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