連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ / 第115回:「『ぞんびだいすき』で人生バッドエンド回避」
著者近影
毎日見たり触れたりしていると気付かないけど,周りから「大きくなったねー」と言われて初めて気付くことってあると思うの。子供とかペットとかがそうね。でも! ここにきて,ゲイムもそうだということが分かったわ。気付けば,ゲイムがもの凄いことになっているのよ。
というのもこの間,サッカーのアジアカップをテレビで見ようとしていたときに,電話がかかってきたからテレビの音量を下げて,電話が終わってからテレビを見てたの。で,あ,点が入った! と思ったら,それは「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011」(PlayStation 3/Xbox 360。以下,ウイイレ 2011)のデモ画面だったという。
時間にすればほんの数十秒だけど,実際のテレビ中継の映像と文字通り見間違うほどのクオリティになってしまったのね,ゲイムって。ウン,私がそそっかしいんじゃないわよ。ゲイムのほうが私をだますことに成功するほど,頑張っているんだなぁ……っていう解釈でいかがでしょうか。きっとだます気なんかないんでしょうけど。
そんな日進月歩を続けるゲイムの世界だけど,かく言う私はファミコン世代。私のゲイム人生の基幹は,あのドット絵の愛嬌と,意味があるのかないのか分からないシューティングゲイムの壮大なストーリー,そして知りたいことが意外と書かれていない説明書とで成り立っているわ。
だからってわけじゃないけど,私は今のゲイムにも昔のゲイムと同じような,裏技的な攻略法の存在を勝手に信じているの。
例えば「モンスターハンターポータブル 3rd」(以下,MHP3)の場合,モンスターの尻尾の下あたりを太刀で突けばひるみやすいとか,両足の付け根あたりをはぎ取れば,紅玉だとか碧玉だとか龍玉だとかが出やすいとか,そもそも「狩り」という言葉の響きがいやらしいとか。そういうファンタジックな要素が今のゲイムにも残されているってことを信じてプレイしているわ。
もちろん,ここに書いたことは,全部私の脳内だけのお話。嘘っちゃあ嘘なんだけど,重要なのは,信じてるって部分。何かを信じてプレイすれば,何も考えずにプレイするよりも10倍は楽しいのよ。だから,カリ……仮に仕様的にはそんな根拠がまるでないってことでも,自分独自の攻略をすることによって楽しみが増えるの。
本当にそれが正しいのかどうかは重要じゃない。自由に遊べる中で,どれだけ自分でルールを作って遊べるか。これがいわゆるイメージプレイってやつなのね。
さて,そんなこんなでゲイムでサッカーしたりモンスターを相手に立ち回ったりしている日々なわけですが,さすがに新しいゲイムにも手を出さんといかんと思い,今年初めて購入したゲイムが「ぞんびだいすき」。
一年の計は元旦にあり,ということわざがあるけれど,2011年最初のゲイムからつまずいたりすると,「結局ゲイムはウイイレ 2011とMHP3だけでいいじゃん」てなことになってしまう(もちろん私が)。
そうなると,この連載では決まったことしか書けなくなってしまう→連載打ち切り→路頭に迷う→実家に帰る→それはそれで幸せな生活を送る……というバッドエンドへの道をまっしぐら。
なので,今年も色々なゲイムをここで紹介していくために,一発目を外すことが許されないわけね。大丈夫? ぞんびだいすき。一人のゲイレスラーの人生がかかってるわよ? ん? 覚悟はいい?
で,ケツ論から言うと,面白かったわ。まだそこまで長くプレイしていないけど,とりあえずバッドエンドを回避できる程度には面白い。
どんなゲイムかっていうと,大量のゾンビをワンタッチで操りながら,それぞれ異なるクリア条件のミッションをこなしていくって内容なの。
プレイ感覚としてはかつての名作「半熟英雄(はんじゅくヒーロー)」に近いかしらね。いや,厳密には決して近くないんだけど。でも,ファミコン世代の私がプレイしてて,何となく半熟英雄を思い出したってことは事実。コレ重要。無理やり共通点を探すとすれば,キャラクターを動かしているときの心地良さ具合がとても似ているってところかしら。
そして,このゲイムの(今のところの)一番の長所だと私が思っている部分が,ゾンビの生活感。ゾンビの数え方が一体,二体なのか一匹,二匹なのか,はたまた意外と一腐,二腐なのかは分からないけれども,ついつい一人,二人という表現をしてしまいたくなるほど,個々にパーソナリティが設定されているの。生前の人物紹介があるのも効いてるわね。かといって,ある一人を特別扱いしてしまうほどの存在感はない。
このバランスが絶妙なのよ。だって,大量のゾンビがわらわらと出てくるわけだから,一人一人が個性を出し過ぎるとこの大量具合が生きないし,かといって没個性だとゾンビを可愛く思えない。出過ぎず出なさ過ぎずの具合が素晴らしい。このゲイムを作った人は,バランス感覚が優れている人物だと勝手に推測するわ。
1ステージの時間もそんなにかからないし,気分転換にまったり遊ぶ分には相当いいゲイムなのではないかと。
私の場合,MHP3→ぞんびだいすき→ウイイレ 2011→ぞんびだいすき→MHP3。結果的に3タイトルともPSP,PlayStation 3,ニンテンドーDSとハードが違うのもいいわね。2011年,初おススメ。
とまあ,これで何とか2011年も始まった気がするんだけれども,ぞんびだいすきのおかげで,やっぱりゲイムにはそれぞれの面白味があるんだなぁってことを,あらためて実感できたわ。だから,一つのゲイムをプレイし続けるのもいいけど,私の場合は色々なゲイムをプレイしていきたいなぁ,と思ったわね。
で,そのゲイムで感じた面白味というか表現というか,まあチープな言い回しをすると,吸収したことのいくばくかをプロレスに反映できれば,それはそれでゲイムをプレイしたことに価値が生まれる,と。ヤり捨てた甲斐もある,と。
芸人さんだと,よく「女遊びは芸の肥やし」なんてことをいうけど,私,そのニュアンスを理解できるのよ。人間の面白味を芸に生かすって意味でね。私の場合,ゲイ人なわけだから「ゲイム遊びはゲイの肥やし」と。……それっぽいことを言ってる風で,実はあんまり上手くいってないことにガッカリね。
それでもまぁ,ゲイムからは学ぶべきことが多いのは確かよ。今年も色々とヤっては捨て,捨ててはヤる肉食系ゲイマーとしてゲイムスロットにゲイムをハメ倒していくんで今年もよろしく!
ちなみに,現在のハマりゲイム(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)はニンテンドーDS=ぞんびだいすき,PSP=MHP3,PlayStation 3=ウイイレ 2011, Wii=Wii Fit,Xbox 360=まだ故障中。
さて,来週はどう変わってるのかな? お楽しみに!
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