連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第163回「大事の前の小事」
先週,「鶏が先か,卵が先か」という話をしたんだけど,今週はこのことわざから始めようかと。
この言葉には,二つの意味があるの。「大きな事を成し遂げるには,小さな事にも気をつけて油断してはならない」という意味と,「大きな事を成し遂げようとするときは,小さな事に構わないほうが良い」という意味。この二つの意味を比べてみて,気付くことがあるわよね。
一体どっちやねん。「気をつけろ」と「構うな」では意味が正反対だわ。それを一つの文章で使い分けるなんて,日本語ってなんて難しいのかしら。
ちなみに今,私はこの連載の締め切り時間に追われているわ。原稿が間に合わなければ当然連載はお休みになってしまうし,そんなことになれば担当編集が容赦なく言葉責めを仕掛けてくるわ。
そして,ののしられた精神的ショックで夜な夜な街で泥酔し,好きでもないノーマルな男性を同じ精神世界に引きずり込んで,結果ねずみ講的に世の中の男色化が進み,それを重く見た政府が男色禁止法を制定し,それに反対する組織が武装蜂起して国会議事堂を性圧もとい制圧。一方,政府側も自衛隊を投入してこの反対性力もとい勢力を抑えようとするが,男色化は国家中枢にまで広がっており,自衛隊までもが二分され,戦いは日本全土を巻き込んだ一大事件へと発展してしまうでしょう。これを大事と言わずになんというのか。ちなみに,お話の続きでは次にアメリカが介入してきて最終的には新型モビルジャケットで公国と連邦の一年弱戦争が描かれるんだけど,ここら辺はもういいよね?
要するに私は今,締め切りに追われるという大事を迎えているのです。その大事の前には小事は放っておけ,と言いたかったんだけども,どうやら意味が二つある。でもまあここでは「放っておけ」を使うんだけどね問答無用で。
では,小事とは何か。約束のことよ。というのも,これまた先週,「アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-」と「迷宮クロスブラッド リローデッド」を取り上げると予告したわ。しかし! 今の私は大事を迎えているわけで。
なのでここだけの話,今週はとりあえず,アンチャーテッドをまだプレイしていないことを隠さなきゃいけない。じゃあせめて,迷宮クロスブラッド リローデッドについてだけでも書けばいいじゃないかという声も聞こえてきそうだけど,片方だけを取り上げてしまえば「あれ? そういえばアンチャーテッドは?」と思われることになってやぶ蛇なわけ。
だから,ここはしれっと約束を忘れてたフリをして,泣く泣く別のゲイムで誤魔化すしかないの。念を押すわよ。ここで一番大切なのは,アンチャーテッドのみならず,ほかのゲイムもまだプレイできていないってことを読者に悟らせないこと。だから,ドサクサにまぎれて別のゲイムをプレイしようと思うのです。今から。できれば最新のやつを。
「心霊カメラ 〜憑いてる手帳〜」。これはですね,任天堂から発売されてはいるものの,開発はコーエーテクモゲームスも一緒にやっています。実はテクモ時代の「零」シリーズのスピンオフ的なタイトルなのです。零は,霊が写るカメラ(射影機)を武器に,不思議な話の謎に迫るというホラーゲイムだったんですが,カメラで撮影することによって霊にダメージを与えるという斬新なシステムが話題を呼びました。
カメラのレンズ越しに見ないと敵が見えないという行動の制限もゲイムならではの要素でしたし,単純にホラーゲイムとしての怖さをよく表現しているもんだ,と心に残っております。
それがこの度,ニンテンドー3DSに帰ってきた,と。ハッキリ言いましょうか。このゲイムは,凄いですよ。何が凄いって,3DSというハードの特性をこれでもかというくらい利用できているんです。3DSに対して,「結局3D立体視に対応したニンテンドーDSなんでしょ?」というイメージを持っている方もいると思うのですが,そんな人にこそ,このゲイムをプレイしてもらいたいですね。
「謎惑館 〜音の間に間に〜」でも思ったんですが,ジャイロセンサーは“遊び”になります。そもそもジャイロセンサーってなんじゃい? って人もいるかもしれないので簡単に説明しておきましょう。ゲイム内に人がいるとします。で,3DSの本体の角度を変えると,そのゲイム内の人も変えた3DS本体の角度から見ることができる,と。
もっと簡単にいうと,「NEWラブプラス」はジャイロセンサーに対応していて,3DS本体の角度を変えると愛花をその角度から拝むことができるという,そういう機能です。先に言っとくけどね,スカートの中をのぞくのは恥ずかしいことだと思ったほうがいいよ! いくらゲイムでも! いや,ゲイムならなおさら!
話を戻しますとですね,心霊カメラは,3DS本体をカメラに見立てて動かしながらプレイを進めていくゲイムなんですが,これが本当に「凄い」としか言いようがないんですよ。自分の部屋を3DSのカメラで映すわけですよ。で,画面を見ると自分の部屋の中にゲイムのキャラクターが立っている。それで3DSを自分の背後に向けたら,霊が立っていたりするんです。自分の部屋に。これは怖い。怖いというか,凄い。今までにないゲイムの感覚。
ホラーゲイムに興味が無くても,この感覚を味わってほしいが故に,そこそこ本気でおススメしたいわね。操作はそこまで難しくもないし。カメラとジャイロセンサーを併せ持つ3DSの,ある種の凄みを見せつけるゲイムとして,心霊カメラはアリだと私は思うわ。
そんな感じで,今週は心霊カメラを取り上げたわけだけれども。私達に伝わっていないだけで,3DSにはまだまだいろんな遊びの可能性があるんだな,と思わされたタイトルだったわね。
PlayStation Vitaも出たことだし,Wii Uも出ることだし,今年はひょっとしたら,“出尽くしたと思われていたゲイムの中の遊び”が,再構築される年なのかもしれない。
ゲイムがゲイムらしくあるのもまた必要なことだけど,ゲイムが今までにないゲイムを生み出すのも,また市場拡大のためには必要なこと。今年のゲイムには本気で期待してもいいかもしれないですよ奥さん! ……奥さんなんてほとんど読んでないけどなこの連載。ではまた来週! 来週こそは!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「真かまいたちの夜 11人目の訪問者(サスペクト)」
PlayStation Vita:「みんなのGOLF 6」
PSP:「俺の屍を越えてゆけ」
ニンテンドー3DS:「心霊カメラ 〜憑いてる手帳〜」
Wii:「いただきストリートWii」
Xbox 360:「迷宮クロスブラッド リローデッド」
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- 関連タイトル:
心霊カメラ 〜憑いてる手帳〜
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