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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第400回「The show must go on.」
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印刷2016/10/06 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第400回「The show must go on.」

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 The show must go on.

 こういう言葉があるわ。

 最近,私の所属するDDTプロレスの社長レスラー高木三四郎が好んで使う言葉なんだけど。ざっくり言うと「ショーは続けなければならない」。想定できないハプニングが起きたとしても,ショーは続けなければならない……このことから転じて,何かしているときは何があっても続けてやり遂げなければならない,途中でやめてはいけないという意味で使われることが多いようね。実は私もこの言葉が好きでね。人生は続くから,どんな事件があっても走り続けなければならない,という解釈をしているの。
 で,ですよ。さっそく先週ありましたよ。私にとって大きな挫折が。先日,私が所属するDDTプロレスではDDTドラマティック総選挙という,ファンの投票による順位付けイベントが行われたんですがね。私は2位という結果になりました。……総合ゲイム情報サイトの連載で,ゲイムとまったく関係ないことを言われても……って思うかもしれないわね。
 けどね,実は関係なくはないのよ。もちろんDDTドラマティック総選挙とゲイムは関係ないんだけど。私がこの2位をどうとらえるか――これはゲイムにおいても,こじつけられる話なのですよ。

 どういうことかと言うとね,勝利条件の話。この連載でも何度か触れているんだけど,何をもってして勝利とするかって話なのよね。そもそも私は,プロレスをヤるにあたって,見に来てくれた人が楽しいって思ってくれればそれでいいやって思っているのね。言うなれば,私の基本的な目標がそこなの。
 で,総選挙というマウンティングイベントは毎年行われているんだけど,この結果も基本的にはどうでもいいと思っているのよ。ただ,今年はちょっと事情が違っていて。いろいろと理由はあるんだけど,今年だけは私が1位にならなきゃいけないと思っていたの。
 ものすごく簡単にゲイムに例えて説明すると,ほら,いわゆるRPGはほかのメーカーさんも作っているわけで。だから,私はこの会社でしか作ることができないイロモノゲイムとして,この会社を代表するゲイムになりたかった。今年はとくに。でもなれなかった。そういうことなのね。
 だから,私の基本姿勢は「プレイした人に変だぞコレって思って楽しんでもらう」こと。で,それとは別に自分のヤり方で会社の顔になりたかった。すなわち,1位になりたかったのよ。今回の私の勝利条件が1位。でも,実際は2位だった。私にとっては完全なる敗北よね。
 これは,順位がどうこうっていう話ではないの。例えば,今回のイベントで,若手と言われるキャリアの浅い選手が一ケタの順位を獲得したわ。これは,勝利だと思うのよ。だって,上位入賞が勝利条件だったわけだから。
 これはあくまで私の個人的な価値観ではあるけども,こういうイベントでの順位が,そのまま選手の価値というわけではないのよね。言い換えると,ゲイムの価値は順位で決まるわけではない。そりゃ,商品としての価値は数字や順位で決まるわよ。ビジネスである以上,そこから目をそらしちゃいけない。ただ,エンターテイメント作品としての価値と,数字って直接は関係しないものなの。
 まとめましょうか。無理やり定義するならば,エンターテイメント作品は体感した人がどう思うかこそが価値で,商品としてはどれだけ利益を生み出すかが価値。まあ,エンターテイメントビジネスって,その両面があるからややこしいのよね。あとは,オンラインなんかでほかのプレイヤーが関わってくるゲイムは,数も面白さの要素になったりもするから,そう簡単に割り切れる話でもない。難しいわよね。エンターテイメントの価値って。
 ともかく! 自分の設定した勝利条件で本当の勝敗は決まるって話です。オリンピックとかの大会もそうよね。銀メダルで悔しがる人もいれば,銅メダルや上位入賞で喜ぶ人もいる。なんだかんだ言って,順位や数字って,突き詰めれば自分との勝負なんだとあらためて思ったわ。

 ということを踏まえてですね。今週はニンテンドー3DS用のダウンロードゲイムの話です。前にこの連載で勝利条件の話をしたときも,ダウンロードゲイムの話だった気がするんだけど,面白いダウンロードゲイムやインディーズゲイムをプレイしたとき,どうやら私は思っちゃうんでしょうね。数字とゲイムの価値は比例しないんだなって。
 失礼ながら,コンシューマゲイムで考えた場合,今現在のところ,ダウンロード専用タイトルで世の中を揺るがすほどのヒットを生みだすことって,現実的に難しいと思うの。近い将来は分からないけど,あくまで今現在の話ね。それはそれとして,埋もれてほしくはない面白いゲイムっていうのは存在するわけだから,有名無名を問わず少しでも多くの人にそういうゲイムをプレイしてほしいじゃない。

画像集 No.003のサムネイル画像 / 男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第400回「The show must go on.」
 そこで今週は,「サバクのネズミ団!」について。このゲイムは公式サイトによると,「サバクの惑星に住む『ネズミ族』を率いて,彼らのすみかである移動要塞『サバクフネ』を操り,伝説の黄金郷を目指してサバクを旅する育成&冒険ゲーム」。プレイ感覚としては,「アジト」とか「ザ・タワー」みたいな感じかしらね。古くて恐縮だけど。
 要はシミュレーションゲイムなのね。これがね,すごく面白いのよ。私がシミュレーションゲイムに求めている,いい感じの作業感がこのゲイムにはあって,それがしっかりと心地いい
 ゲイムって,コントローラを介して自分がとった行動の成果を実感するプロセスで楽しいと感じるものでしょ。リアルさを追求したゲイムであれば,コントローラで操ってる感は感じさせちゃいけないの。基本的にはね。直観的に主人公を動かせなきゃいけない。でも,シミュレーションゲイムはまた別で。さっきも言ったようにシミュレーションゲイムの面白みは作業だから,直観的な操作感は必要ではないのよ。もちろん,ゲイム性にもよるけど。
 そしてこのサバクのネズミ団!は,グラフィックスで楽しませるタイプのゲイムではない。ではどうやってプレイヤーに成果を実感させるのかというと,モノ作りなのね。ゲイム内ではクラフトと呼ばれるんだけど。ゲイムを進めるにつれて作れるものが増えていくのよ。この成長の実感が楽しいのよね。
 このゲイムって,乱暴に言ってしまえば管理ゲイムなの。ネズミを管理して各種の作業をさせて,お金とガソリンとアイテムの在庫を管理して。そうやって少しずつ成長させていく。それを楽しむゲイムなの。多少のゲイム内ストレスを乗り越えれば,成長を実感できる。ストーリーで勝負してるわけでもなく,グラフィックスで勝負してるわけでもない。でも,ちゃんとゲイムのキモである「努力が報われる楽しさを与えてくれる」という意味で,とても優れている。オススメですよ。

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 繰り返すけど,サバクのネズミ団!はダウンロード専用タイトルという点で,世間を揺るがすほどのセールスを記録するタイプのゲイムではないと思うの(もし記録したらゴメン)。でも,「プレイする人に楽しんでもらう」という意味での勝利条件はクリアしていると,私は勝手に思っている。
 セールス面の勝利条件については,売る側がどこに設定しているか分からない以上,何とも言えないけど。ただ,すべてのゲイムは「プレイした人に楽しんでもらう」という志で作られていると,私は信じている。出さなきゃいけないから出すってゲイムも,そりゃあるでしょうよ。それでも,そういった事情のゲイムでも限られた条件の中で「楽しんでもらう」という魂は込められていてほしい。そこに制作規模だとか予算だとか,会社の大小は関係ない。
 数字は大切よ。目をそらしちゃいけない。でも,同時に数字じゃない部分からも目をそらしちゃいけない。エンターテイメントって,そういう商売なんだと私は勝手に思っている。私は,今回DDTドラマティック総選挙で数字の面で完全敗北したんだけど,それでもそんなことは顧客には関係ないからね。
 楽しませること。ここにプライドを持って提供し続けなければならないわ。たとえ勝利条件を満たすことができなくとも。

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 The show must go on.

 ショーは続くし,人生も続く。もう一丁,頑張るとしますかね……。また来週!

今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「ウイニングイレブン 2017
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団
PSP:「サモンナイト5
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
ニンテンドー3DS:「妖怪ウォッチ3 スシ」「サバクのネズミ団!
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の10月8日に春日部ふれあいキューブ大会「さいたまースラム!vol.15」を,9日と10日に札幌ススキノ・マルスジム大会「札幌プロレスフェスタ2016〜DDT・雲丹〜」「札幌プロレスフェスタ2016〜DDT・蟹〜」を開催します。ディーノ選手は,「せっかくの3連休なんだから,たまにはプロレスでも見てみたらいいじゃない」と語っておりました。
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