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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第493回「『ファイヤープロレスリング ワールド』のストーリーモードがアツい」
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印刷2018/08/16 11:00

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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第493回「『ファイヤープロレスリング ワールド』のストーリーモードがアツい」

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著者近影
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 ここまで2週にわたってこの連載で語ってきた「OCTOPATH TRAVELER」,いまだクリアできず。だって,できることが多いんだもん。今,ようやくサブクエストがひと段落つきそう。
 これまた人生と同じでね。生きていくうえで本当にヤらなきゃいけないこと=メインクエストって,実はそう多くないんですよ。自分が道を選んだがゆえにヤらなきゃいけないことがどんどん増えていくだけで。そしてそんな,本来ならばヤるもヤらないも自由なサブクエストこそが,自分の人生のボリュームを決定するんじゃないか。私はそう思うわけであります。
 もちろんメインクエストはあるんだろうけど,極端な話,それって私個人の意見ではあるけども「生きている限り生きていこう」に尽きるのです。それ以外はすべてサブクエスト。趣味も,仕事も,お金も,なんなら家族も。メインクエストのためのサブクエスト。だからサブクエストを大切にしようぜ! って思うわけです。
 仕事なんて所詮サブクエストだって思えば気楽でしょ。まあ,サブクエストを一生懸命こなせば基本的にはそれなりの報酬がもらえてメインクエストが楽になるんだけどね。そんな感じで,自分に合ったサブクエスト選びをしても構わないんじゃないかな。

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 さて,今週は何といっても「ファイプロ」です。新作「ファイヤープロレスリング ワールド」PC / PlayStation 4)のPlayStation 4版が満を持して発売されたのでね。30〜40歳くらいの男性プロレスファンならば,なんとなく通ったゲイムではなかろうかと思うのです。
 実は,4Gamerの別の記事でプロデューサーの松本総監督にインタビューしたんだけども,その記事はその記事で読んでいただくとして。ここでは実際にプレイして感じたことを紹介させていただければと思うわけです。
 もちろん,ファイプロが好きすぎる身としては,作っている方々の事情を聞くのも楽しいけどね。ただ,そういう事情って,プレイする側には本来関係ないっちゃあ関係ないのですよ。なので,ここではいちプレイヤーとして今回のファイプロを紹介しようと思います。
 で,ファイプロをプレイした感想を言うと……「ちゃんとファイプロやないか」。これに尽きる。いや,ファイプロ。しっかりとファイプロ。もちろんね,最新作だからヤれることは増えてるのよ。でも,組んだ瞬間にボタンを押すことで生まれる駆け引きがまんまファイプロ。
 あと,ストーリーモードである「ファイティングロード」が予想をはるかに超えて良いわね。ストーリーモードの復活を喜びつつも,新日本プロレスコラボってことで相性的に「大丈夫?」って思う部分もあったんだけど,思いのほかファイプロのテイストとマッチしていて,今やこのモードがなかったときのことを想像すると恐ろしくなるわ。
 というのも,基本的にファイプロって,目的がないのよ。“プロレスで対戦する”ってこと以外。それって,結局プロレスファン以外が楽しめるような要素はないってわけで。これはほかのスポーツゲイムでも顕著に出ている傾向だと私は思っていて。
 昔だったら良かったの。今ほどゲイムにボリュームがなかった時代だから。でも,今はゲイムも多様化してきて競争力が試される時代。“それだけ”ではなく何かの特色が求められるようになったのよね。ゲイム自体に。
 サッカーゲイムも,表現がリアルになって対戦できて1人用ではリーグに優勝するっていうだけの内容では,もはや勝負できないのよね。なので,選手を集めてチームを運営したり,サッカー選手の人生を体験できるモードが搭載されたりしている。サッカーにまつわる楽しみ方をさまざまな形で取り入れているのよね。
 野球ゲイムもそう。野球をプレイする以外の楽しみ方を提供しなければ,野球ゲイムとして戦いづらい環境にあるの。そうすると,やはり“人生”になるのよね。サッカーにせよ野球にせよ,自分がその競技を志す選手になって競技人生をシミュレートできるってモードが生まれるのは必然。
 競技そのものっていうより,その競技を志す人の人生。ここに焦点を当てる楽しみを提供するスポーツゲイムが多くなってくるわけね。ただ,野球ゲイムでいうと最近発売された「プロ野球 ファミスタ エボリューション」に関しては,その限りでもないんだけど。これに関しては近々,別の形で取り上げさせてもらうわ。

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 要は,スポーツゲイムはそのスポーツだけでなく,その競技に携わる人の人生まで描く時代になっているって話がしたかったわけです。そして,そんな時代に13年ぶりに復活したファイプロはというと,前作では採用されなかったストーリーモードが,前々作ぶりに復活したっていうのが非常に効いていると思うの。
 その内容を簡単に言うと,業界トップの新日本プロレスに入門して,自分だけのプロレスラー人生を歩いていくってものなんだけどね。このストーリーというか,テキストというか,世界観が秀逸で。やたら熱い熱血ストーリーなのよね。
 私は職業にしてしまっているから麻痺していたけど……これなのよ,私が少年時代に好きだったプロレスって。よく分かんないアツさ。このアツいは,「熱い」とも書くし「暑い」とも書くアツさ。結果的に「厚い」ことにもなってくる。
 このストーリーモードによって,プレイする目的が与えられているのよね。かつてファイプロが好きだったけど,今作は様子見だって人,いるでしょ。その人に言いたい。買いです。今回のファイプロは。このストーリーモードのおかげで,ゲイムとしての面白さ,プレイする目的がきっちりある。

 新日本プロレスコラボも,想像していたよりも自然。新日本プロレスありきではなく,ファイプロの世界観に新日本プロレスの世界観が寄り添った感じ。あくまでファイプロ。ファイプロもプロレスも好きな人にとって,非常に理想的なバランスで成り立っているんじゃないかしら。
 逆に新日本プロレスファンじゃないプロレスファンでも気にせずプレイできると思う。なので,トータルで買い。ぶっちゃけ,アホほど売れるゲイムジャンルではないのよプロレスゲイムって。でも,だからこそ好きな人は買ったほうがいい。
 松本監督に聞いた話を信じるならば,今後いろいろな団体とのコラボを視野に入れているらしいわ。なので,最終的には自分の好きな団体のストーリーモードをプレイできるようになるかもしれない。そんなことを期待しつつ,私もいちファンとして,消費者の立場でファイプロを支えようと思う

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 あ,あと,プレイした身からの要望を一つ。今回のファイプロ,新日本の実名選手以外のデフォルト選手はいないのね。そのことはいいわ。なぜなら世界中のプレイヤーがエディットした選手をダウンロードできるから。ただ,ダウンロードの仕方が分かりづらい。ここは改善してほしい。まだ私,ダウンロードできてない。慣れたら簡単なのかもしれないけど,ダウンロードするまでの手順が分かりづらい。
 なので,選手のダウンロードやアップロードでのやり取りがメインならば,そこのナビゲイトはゲイム内でして欲しいわね。今のままだとストーリーモードで終わってしまう人が続出する気がする。それはあまりにももったいないからね。

 というわけで,今週はファイプロ始めましたって話でした。私にとって,ゲイムもプロレスも,もちろんファイプロも重要なサブクエストですからね。楽しもうと思いますよ。そして気付けばゲイムの祭典東京ゲイムショウ2018まであと1か月ちょい。今年は何が起こるんでしょうね? それではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「ファイヤープロレスリング ワールド
Nintendo Switch:「OCTOPATH TRAVELER
iOS:「PUBG MOBILE

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手がプロデューサーを務めるDDTプロレスは,今週末の18日に名古屋市東スポーツセンター第2競技場大会「Road to Ryogoku 2018〜ドラマティック・ ドリーム・天むす〜」を,19日に大阪市西区民センター大会「Road to Ryogoku 2018〜ドラマティック・ドリーム・とんど焼き〜」を開催します。なお,先日KO-D無差別級王者となったディーノ選手は肩を負傷したため,この2大会は欠場するのですが,「何らかの形で何かもぶっ潰す」のだそうです。
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