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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第706回「苦労と報酬について」
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印刷2022/10/20 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第706回「苦労と報酬について」

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著者近影(著者は下)
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 「若い時の苦労は買ってでもしろ」とよく言われる。正直,私は「何言ってんだコイツ」と思っている。いや,誰が言ったかは分かんないけど。
 このことわざの意味としては「若い時にする苦労は貴重な経験となって将来役立つものだから,求めてでもするほうが良い」ってことらしい。これ,私としては誰が言ったかによって意味合いが変わってくる言葉だなと感じておりまして
 私の場合は親に言われたんですよ。それはアドバイスとして受け止められた。でもほかの人,例えば上司から言われた場合は「労働力として利用しようとしてんだろ」と感じてしまうわけで。そして,根本的に私は思うのです。不要な苦労はしなくていいんじゃね? と。
 人間,基本的には結果を求めて行動します。今は肉体的につらいけど,この仕事がうまくいったら儲かる! とか,これはつらい作業だけど,終わったら信頼を得られる! とか。
 今の私で言うと,書籍の発売日が決まっているのでそれに向けてまさに原稿を書いている途中だけれども,これがけっこうつらい作業なのですよ。ただ,本が売れて重版でもかかろうものならたんまり印税が入ってくる! と思えるから頑張れるわけで。ただこれ,本が売れるかなんて分からないんですよ。ただでさえ本が売れない時代だというのに。そして,私の知名度なんてたかが知れてる。内容も自分では面白くするつもりで書いているけど,文字量多めで書いていると,頭がバグって面白いかどうか分からなくなってくるのですよ。
 こうした状況から冷静に判断すると,本が売れる要素のほうが少ない。……書いていて悲しくなってきた。が,それでも一発当てて御殿を建てる未来を想像して頑張れているわけです。だから今頑張れば,無条件で後々役に立つってのは大間違い。今している苦労が後の役に立つかどうかは,また別の能力が必要だったりします。苦労をしたから後に返ってくる,というのは因果関係が薄すぎると私は思う。
 だから,「苦労を買って出るときはリターンを明確にして臨め」と私は思うのです。そのほうがよっぽど実績にもなるし,ハッキリとした経験として自分の中に残る。で,これ突き詰めると人間には希望が大切って話なのですよ。目の前の苦労って,目の前のちょっと先にリターンがあるからできるのです。
 例えば,本が売れたら御殿が建つ“かも”しれない,今頑張ったら休みが取れる“かも”しれないという,“かも”で十分。未来に希望が持てないことには,人間,頑張れるものではない。ひょっとしたら,将来に希望を持てなくなってしまった人が,よろしくない行動をとってしまったりするんじゃないかと私は考えています。
 なので,頑張ったら何を得られるかは自分の中でハッキリさせましょう,というお話でした。若い人は上司が苦労を押しつけてきたら気をつけて! その労働で何を得られるかを,自分の中だけでいいから整理して取り組みましょう!

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 で,今週は「The DioField Chronicle」PC / PlayStation 5 / Xbox Series X / PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switch)について。スクウェア・エニックスのシミュレーションRPG。完全な新作。リアルタイムで戦闘が進んでいくタイプのバトルシステムが採用されています。
 これ,私が感じた良い面と,もうちょっと頑張ってほしかった面の両方を述べていきますね。まずは良い面。1ステージにかかる時間が短め。これはかなりいい。今までのスクウェア・エニックスのシミュレーションRPGって,ターン制であることが多かったので,じっくり考えられる分,それなりに時間がかかったのですよ。でも本作は,5分くらいで1ステージが終わる。これがとてもいい。
 あと,世界観がいい。世界観って,グラフィックス,キャラクター,ストーリー,音楽,セリフ回し,演出といったゲイムシステム以外の要素も大きく関わってくるけど,完全新作ということで独自の世界観の確立を目指してるんだな,ということが伝わってきた。あとは,この世界観をどれだけの人が好きになってくれるかという話だとは思うけども。私は,この世界観は好きです。

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 次に,もうちょっと頑張ってほしかったと感じた点。この流れで話をすると,世界観については私は好きなんです。ただ,それに比べて登場人物の個性がイマイチ伝わってこなかった。どの人が主人公なのかも,ゲイム中盤までよく分からなかった。もっと言ってしまうと,主人公の傭兵団があるんだけど,主要キャラなのに名前が頭に入ってこない。これがけっこう大きかったかもしれない。
 新作で世界観も新たに構築して,その中で登場人物は名前の長い人が多い。結果,覚えることが多くて頭に入ってこない。ここがちょっと残念だったかな。ゲイム内容は面白いだけに,感情移入しにくかったのが本当に惜しいと私は感じちゃった。
 私は本編のストーリーで無双したいタイプのプレイヤーだから,過去のステージを繰り返しクリアしてレベルを上げるわけだけれども,感情移入できていない状態で繰り返し同じステージを遊ぶのはちょっと重かった。

 ただ,そんな私を支えたのは,ステージ報酬なのですよ。同じステージを繰り返し遊ぶのなんて,言ってみれば苦労ですよ。まあ私が勝手にヤってることだから,知ったこっちゃないと言われてしまえばそのとおりなんだけど。
 でも,この作業の先に待っているのが経験値だったりお金だったりってのがハッキリしているんで,この苦労を繰り返し頑張れる。実際,レベルが上がったら嬉しいし。武器をそろえるのに比較的お金が不足しがちなゲイムなので,お金が入ってくるのは分かりやすく強くなることにつながる。レベルが上がるとスキルポイント的なものが手に入って,スキルを強化できるのもいい。
 要は,戦闘は苦労であると同時に強くなるためには必須の作業なのです。たいていどんなゲイムもそうなんだけど。でも,このゲイムに関しては明らかにメリットがあると感じられる。だから,1ステージにかかる時間が短いのが効いてくる

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 まとめましょうか。シミュレーションRPG好き,スクウェア・エニックスのゲイム好きの人からすると,おそらく最初持っているであろうイメージとは別のゲイムであるから戸惑うと思う。ただ,慣れさえすればそこは天下のスクウェア・エニックス。きっちりと面白いゲイムに仕上がっている。最初からガツンとくるゲイムを期待している人には向いてないかもしれない。けど,じわじわっと面白さを実感できるゲイムが好きな人にはオススメできる。そんな感じでしょうか。

 そんなわけで,今週は苦労と報酬について考えさせられたというお話でした。自分が苦労する場合も,逆に誰かに苦労してもらう場合も,しっかりとメリットは提示すべきだよね。頑張ろうと思える世界は,結果的に希望にあふれる世界だと思うから。ひとまず私は御殿を建てるために頑張ります。ではまた来週。

今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「地球防衛軍6
Nintendo Switch:「The DioField Chronicle
iOS:「ロードモバイル
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,今週末の10月23日(日)11:30より,東京・後楽園ホール大会「God Bless DDT 2022」を開催します。ディーノ選手は飯野“セクシー”雄貴選手 with 今成“ファンタスティック”夢人選手とのフェロモンズとして,高木三四郎選手&大鷲 透選手&大石真翔選手&アントーニオ本多選手&彰人選手と対戦します。この試合に負けるとフェロモンズは解散することになっていますが,ディーノ選手によると「5人も相手にしている暇はないから,とっとと試合を終わらせてさっさと帰って本の原稿を書く」そうです。
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