連載
インディーズゲームの小部屋:Room#446「Seasons after Fall」
朝晩はそろそろ秋めいてきて,1年の終わりが近づいているのをほんのりと実感している筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第446回は,Swing Swing Submarineが開発した「Seasons after Fall」を紹介する。本作は,季節を自由に変化させられる不思議な力を持った狐となって,森の中を冒険するという2Dアクションゲームだ。えっ,東京ゲームショウ? 何のことだか,分かりませんね……(現実逃避)。
不思議な声に呼ばれて,森の中で目を覚ました小さな種。その種は,謎の声に導かれるまま,四季を司る森の守護者達に会いに行くことになる。しかし,そのためには自由に動かせる体が必要ということで,近くにいた小さな狐の体を借りることに……。狐にしてみればとんだ災難だと思うが,そういう設定なのであきらめてほしい。
そんなわけで,プレイヤーは可愛らしい野生の狐を操作して(というか,乗っ取って),森や小川や洞窟などのシチュエーションを冒険していくことに。本作は横スクロールの2Dアクションゲームで,守護者達を見つけ出し,彼らからさずかったフラグメントと呼ばれる光る欠片を,森の聖域に持ち帰るのが当面の目的となる。
森には,春を司るウナギ,夏を司るセミ,秋を司るサギ,そして冬を司るクマという4体の守護者がいる。狐はそんな彼らと出会うことで,森をそれぞれの守護者に対応した季節に自由に変化させられるという,特別な力を得られる。そして,その力を駆使して,さまざまな困難を乗り越えていくのだ。
例えば,季節を春に変化させれば恵みの雨で水位が上がり,そこで季節を冬に変えることで水面を凍らせて足場にできるし,秋になればキノコがにょきにょき伸びて,それまで通れなかった場所に行けるようになったりするといった感じ。季節によって異なる,森の生き物や植物の生態を利用した仕掛けもあり,あれこれ模索しながら謎解きをしていくのがとても楽しい。
また,森の四季を色鮮やかに描いた,美麗な手描きグラフィックスも見どころの一つで,一生懸命に森の中を駆け回る狐の姿もキュートすぎる。弦楽四重奏によるBGMもゲームの雰囲気と見事にマッチしており,ゲームの魅力をより引き立たせている。そして,4つのフラグメントを集め終えると,ちょっとした事件が起き,小さな種と狐は森に起こった異変を解決するため,さらなる冒険を続けることになる。
果たして,彼らの行く末に何が待ち構えているのか。気になる人は,ぜひ自分の目で確かめてみてほしい。そんな本作は,Steamにて1880円で発売中だ。
■「Seasons after Fall」公式サイト
http://www.seasonsafterfall.com/- この記事のURL:
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