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インディーズゲームの小部屋:Room#467「THE VIDEOKID」
お試しで使い始めた音楽ストリーミングサービスが便利で,近頃は古い歌ばかり聴いている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第467回は,PixelTrip Studiosの「THE VIDEOKID」を紹介する。本作は,海賊版ビデオを配達しながら,街中をスケートボードで疾走するというアクションゲームだ。これで,急に会社で極寒のノーザンメランコリックメタルを聴きたくなっても,もう安心! と思ったら,聴きたいアルバムが入ってないとな。無念。
本作は,1980年代にアタリが発売したアーケードゲーム「ペーパーボーイ」を現代風にアレンジしたゲームだ。日本でも,ファミコンやメガドライブで発売されているので,それなりに年季の入ったゲーマーなら見覚えがある人も多いはず。現に,筆者が本作をプレイしているところを通りがかった編集部のおっさんゲーマー達からは「おっ,ペーパーボーイ!」と大好評だ。
ペーパーボーイは,自転車に乗って街を走りながら,契約者の家の玄関先やポストに新聞を放り投げて配達していくという内容だったが,本作の目的は自転車の代わりにスケートボードに乗り,海賊版ビデオを配達しながら,ガールフレンドのジェシカに会いに行くというもの。もちろん,街の中は危険がいっぱいで,車や歩行者などの障害物にぶつかると即座にゲームオーバーとなる。
スケートボードはノンストップで進んでいくので,障害物は左右に移動するか,ジャンプして上に飛び乗って回避しよう。しかし,言うは易しで障害物を避けたところに車が突っ込んで来たりして,危ないったらありゃしない。道路わきにあるベンチやゴミ箱,自動車の上などを連続してジャンプで飛び移るとボーナススコアがもらえるので,余裕があれば狙っていきたいところだ。
海賊版ビデオは赤いポストに放り込む必要があるが,手元がくるって誰かの家の窓ガラスを割っても減点されるどころかスコアが加算される。ほかにも,ビデオをぶつけるとスコアがもらえるオブジェクトがいろいろあるので,とにかく投げまくるのがオススメ。うまくポストにビデオを投げ込むか,道に落ちているコインを拾うとキャッシュが増え,ショップで新しいキャラクターやトリックを購入できる。
そして,本作の大きな特徴とも言えるのが,1980年代の映画やゲーム,アニメなどのパロディが山ほど登場するところ。歩道を見れば,減量中のボクサーやカゴに異星人を乗せた自転車,最終兵器な刑事コンビなどが走り回り,車道は車道で,タイムトラベルしそうな車や幽霊退治会社のワゴン,ロボットに変形する自動車などがひっきりなしに登場し,これを見ているだけでも楽しい。キャッシュでアンロックできるキャラクターも,どこかで見覚えがありそうなものばかりだ。
ゲームは単純明快だが,障害物の出現パターンにはランダム性があり,古き良きアーケードゲームを再現したゲーム性と相まって,ついつい夢中になってしまう本作。ゲームに登場するパロディネタをいくつ発見できるかを楽しむもよし,童心に返ってハイスコアを究めるもよし,頭を空っぽにして遊べるゲームを探している人にぜひともオススメしたいゲームだ。そんな本作は,Steamにて398円で発売中です。
■「THE VIDEOKID」公式サイト
http://www.videokidgame.com/- この記事のURL:
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