連載
インディーズゲームの小部屋:Room#605「Valfaris」
どこか哀愁を帯びたメロディが特徴の北欧出身のメタル/ロックバンドを愛してやまない筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第605回は,Steel Mantisが開発した「Valfaris」を紹介する。本作は,ド直球のヘヴィメタルサウンドに乗って,激烈な戦いを繰り広げるという横スクロールアクションだ。長くて暗い冬がメランコリックな音楽性にも表れていて,聴くたびに胸を締め付けられる……。
かつては自給自足が可能な楽園だったヴァルファリス要塞が突如反旗を翻し,今や破壊と暴力を振りまく暗黒の地と化してしまった。そんな中,この変わり果てた故郷に一人の戦士が舞い戻った。彼の名はセリオン。父親にして要塞司令官のヴロールに罪の代償を支払わせるべく,セリオンの孤独な戦いが幕を開ける!
というわけで,プレイヤーは主人公のセリオンとなって,とんでもなくハードでヘヴィな戦いに身を投じることに。メインとサブの射撃武器と,ブレードによる近接攻撃,そして敵の攻撃を防御するシールドを使い分け,怒涛のごとく押し寄せてくる敵を蹴散らしながらステージを突破していくのがゲームの目的だ。
メインウェポンは弾数無制限で使用できるが,サブウェポンやシールドを使うと画面左上にある青いエネルギーゲージを消費する。失ったエネルギーは,回復アイテムを拾うか,近接攻撃を敵にヒットさせることで取り戻せるという仕組みだ。本作ではこの近接攻撃が非常に強力で,重要な攻撃手段となる。
ゲームは,上下左右と斜めの8方向に攻撃可能な「魂斗羅」スタイルの横スクロールアクションで,とんでもなく敵の攻撃が激しいのが特徴だ。道中のザコ敵は多くが無限湧きなので,足を止めて撃ち合っていては物量で圧倒されてしまう。ひたすら撃って走って敵をなぎ倒していく,アドレナリン全開のアクションが満喫できる。
そんな激しい戦いをさらに盛り上げてくれるのが,セルティック・フロストの元メンバーであるクルト・ヴィクトル・ブライアント氏によるヘヴィメタルサウンド。ザクザクと切り刻まれるリフと,地鳴りのごときツーバスの連打でテンションが上がること間違いなし。ゲーム中はさまざまな武器が手に入るが,新たな武器を入手すると,セリオンも嬉しさのあまり(?)激しくヘッドバンギングしてしまうほどだ。
これらの武器は,途中のチェックポイントで装備の変更や強化が可能だが,強化に必要なアイテムには限りがあるため,どの武器をパワーアップさせるかは悩みどころ。また,チェックポイントを起動するためにも別のアイテムが必要となる。このアイテムは使用せずに所持していると,そのぶんだけヘルス(体力)とエネルギーゲージの最大値が上昇する効果があるので,腕に相当の自信があれば温存しておいてもいいだろう。
ゲームでここまでゴリゴリのヘヴィメタルサウンドに出会うことは珍しく,メタルファンの筆者としてはこれだけで嬉しくなってしまうところ。緻密に描かれたピクセルアートも見ごたえがあり,完成度の高いゲームに仕上がっている。上述のとおり,全体的な難度は高めだが,きっちりとチェックポイントを起動しておけばスピーディにリトライでき,攻略も苦にならない。ヘヴィメタルとアクションゲームを愛する人にぜひオススメしたい本作は,Steamにて2570円で発売中だ。
■「Valfaris」公式サイト
https://valfarisgame.com/(C)Big Sugar LLC, Steel Mantis. Licensed to and published by Eastasiasoft Limited. All Rights Reserved.
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