連載
インディーズゲームの小部屋:Room#663「Haven」
最近は年末進行の忙しさでフラフラ気味の筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第663回は,The Game Bakersの「Haven」を紹介する。本作は,未知の惑星に逃げ込んだ2人の恋人の逃避行を描いたアクションRPGだ。うう,早く仕事を終わらせてナイトシティに帰りたい……。
本作のストーリーは,とある理由で故郷の星を脱出し,未知の惑星「ソース」へとやって来た恋人同士のケイとユウが,壊れてしまった宇宙船「ネスト」を修理するためのパーツを求めて冒険を繰り広げるというもの。本作では2人の人間関係や絆が大きなテーマになっており,ことあるごとにイチャイチャを見せつけられることになる。
基本的なゲームの流れは,なぜかバラバラに砕けていくつもの破片になっているソースの地表を,低空を高速移動できる反重力ブーツで飛び回りながら資源を集め,ネストに戻って調理やクラフティングを行うというもの。探索中は,あちこちに湧き出した赤い錆のようなものの影響で凶暴化した原生生物に襲われることもあり,そうした生物に接触するとバトルが発生する。
戦闘はセミリアルタイムのコマンド選択式バトルとなっており,ケイとユウのそれぞれに指示を出しながら戦っていく。2人でタイミングを合わせることで強力な攻撃を繰り出せるので,強敵との戦いではうまく活用したい。面白いのは,本作では敵を退治するのではなく,あくまで沈静化させるだけという点で,戦闘に勝利すると2人の絆が深まっていく。
この“絆”は本作における経験値に相当し,絆ゲージがいっぱいになったときにネストに戻って乾杯すると,レベルが上がって2人のステータスが強化される。しかし,戦闘によって得られる絆は微々たるもので,主に絆を深める手段となっているのが,上述したイチャイチャイベントの数々だ。2人で仲良く食事したり,ソファーでお互いのことを話し合ったり,ベッドに潜り込んでふざけ合ったりと,四六時中,2人の仲睦まじさを見せつけられる。リア充,爆発しろ!
しかし,そんな2人の穏やかな暮らしも長くは続かない。探索を進めるうちに,人跡未踏と思われていたソースがかつて人の手によって開拓されていた痕跡が次々と見つかり,さらには母星から追っ手が掛けられて……という感じでストーリーが展開していく。果たして,2人はなぜ故郷から逃げ出して辺境の星にやって来たのか,そしてこの星でかつて何が起こったのかは,実際にゲームをプレイしてのお楽しみだ。
恋人同士の甘いやり取りは,ときおり「自分は一体何を見せられているんだろう……」という気分にさせられるものの,微笑ましくも羨ましくもあり,本作ならではの魅力となっている。筆者はあえて詳細から目を背けているが,本作はローカルでの協力プレイにも対応しており,リアルで恋人と一緒に遊ぶこともできるそうだ。ふーん,そうなんだ……。
そんな本作のPC版は,Steamにて3080円で発売中。ほかにも,PlayStation 5,Xbox series X/S,Xbox One版が各ストアで販売されている。RPGとしての難度は低めで,きっちりと日本語化されているので,ストーリーを重視したゲームを探している人にぜひオススメしたい。
■「Haven」公式サイト
http://www.thegamebakers.com/haven/(C)The Game Bakers 2020
(C)The Game Bakers 2020
(C)The Game Bakers 2020 Dangerによる作曲 (P)2019 1789 - (C)1789
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