連載
インディーズゲームの小部屋:Room#772「Ringlorn Saga」
Wii Uとニンテンドー3DSのニンテンドーeショップが終了する前に……と,あれこれ買い物をしていたら,カード会社にクレジット決済を止められてしまった筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第772回は,Graverobber Foundationの「Ringlorn Saga」をご紹介。本作は,行方不明になった父王を探すために勇敢な王子が冒険を繰り広げるアクションRPGだ。どうやら短期間に何度も少額決済を繰り返したせいで不正利用を疑われてしまったらしい。怪しい者じゃないんです……。
本作のストーリーは,隣国に突如として発生した魔法の障壁を調査するために出発し,そのまま行方不明になってしまったウィルヘルム王を探すため,その息子であるゲルハルト王子が冒険の旅に出るというもの。この障壁は中に入った者を閉じ込めるためのもので,隣国は魔物が闊歩する危険な地となっていた。果たしてゲルハルトは異変の原因を突き止め,父王を助け出すことができるだろうか……。
ということで,プレイヤーはゲルハルトを操作して,たった一人で魔物と戦いながら父王の手がかりを探すことに。本作は初期の「イース」や「ハイドライド」シリーズを彷彿させる見下ろし型のアクションRPGで,アタックモードとディフェンスモードの2つを切り替えながら,体当たり攻撃で敵と戦っていくゲームシステムには,ハイドライドからの影響が強く感じられる。
特徴的なのは,攻撃と防御の2つのモードのほかに,スラッシュ,スタブ,バッシュという3つの攻撃タイプが用意されていること。例えば,スライムはスタブ攻撃が弱点で,スパイダーにはバッシュが効果的といった具合に,敵によって有効な攻撃方法が異なる。どの敵に何の攻撃が有効なのかは殴ってみるまで分からないので,うまく切り替えながら戦っていくのが重要だ。
また本作には,敵を攻撃する際にパワーゲージを消費する仕組みがある。ゲージが溜まっているほど大きなダメージを与えることができ,連続攻撃を仕掛けるとダメージが低下してしまうので,ゲージの溜まり具合を見ながらヒットアンドアウェイで戦うように心がけよう。
基本的なゲームの流れは,あちこちを冒険しながら必要なアイテムを集め,各地のダンジョンや城などを攻略していくというもの。真っ暗なダンジョンを照らすにはランタンが必要だったり,十字架がないとヴァンパイアにダメージを与えられなかったりと,ハイドライドをプレイした人には懐かしさを感じさせる内容で,レトロゲームファンなら思わずにやりとしてしまうことだろう。そうそう,こういうのでいいんだよ!
一見すると謎解きのヒントが少なそうに思えるが,町の人に何度も話しかけると内容が変化し,ゲームを進める手がかりを得られることも。また,各地にある5つの女神像に祈りを捧げると魔法が使えるようになるなど,元となった過去の名作にうまくオリジナル要素を取り入れ,最後まで楽しくプレイできるゲームに仕上がっている。
そんな本作のPC版はSteamにて820円で発売されているほか,PlayStation 4版がPlayStation Storeで配信中。子供の頃にハイドライドに夢中だった人は,ぜひ遊んでみてほしい。
「Ringlorn Saga」Steamストアページ
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