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[CJ 2011]中国産MMORPGとしては“かなり頑張ってる”グラフィックス。完成度を増した「Myths & Heroes 3(天驕3)」がプレイアブル出展
4年の時を経て出展された今回は,現在中国で行われている第2次クローズドβテストのバージョンが展示されていた。
本作のゲームエンジンは,Object Software自社製の“OverMax”と呼ばれるもので,HLSL 2.0,3.0を含むプログラマブルシェーダを用いたHDRレンダリングや,Normal Map,Environment Mapping,Motion Blurなどをサポートしているという。今回話を聞いた,Object SoftwareでProduct Managerを務めるPhilip氏は,本作を「中国内の3D MMORPGではトップクラスに入る作品」だと断言しており,ゲームエンジンのデキには相当な自信があるようだ。
実際にゲーム画面を見てみると,建物や樹木のグラフィックスは高いレベルで表現されており,ChinaJoy 2011会場に出展されている他の作品と比べても,グラフィックスクオリティの違いは明らかだ。また,2007年に出展された過去のバージョンと比較すると,4年の時を経て,ゲームエンジンも確実に進化していることが確認できるだろう。
一見すると職業が減ってしまい,選択の幅が狭まっているのだが,Rangerであれば“攻撃”“防御”といった2種類のテーマに分かれた各種スキルへ,任意にポイントを割り振ることが可能になっており,むしろキャラクターの個性は表現しやすくなっている。同じ職業でも,攻撃系に特化したり,防御系に特化したり,バランスタイプにしたりすることで,戦闘での役割は大きく変化するわけだ。
また,対人戦に人気が集まっている中国の作品だけに,PvP要素も充実している。対人戦の種類は個人戦だけでなく,ギルド同士が戦うGvGも用意されているという。
本作の世界には,いくつかの“時間の裂け目”が発生しており,これを閉じなければ世界に甚大な被害が及んでしまうのだという。そこで,この裂け目を閉じるために競技場でギルド同士を戦わせて,時間の裂け目に向かう戦士達を決めるというのが,本作のGvGへの導線だ。時間の裂け目に登場するモンスターは当然手強いが,難度に見合った報酬が得られるようになっているとのこと。砦や城を奪い合うタイプの熾烈な対人戦ではないが,失うものがほとんどないので,より広い層にアピールしそうである。
このほか,装備の製作や強化,騎乗生物を含むペットなど,MMORPGでお馴染みの要素は一通り盛り込まれている。今回のバージョンでは未実装だったが,将来的にはペットの育成要素も導入予定とのことだ。
なお本作は,基本プレイ無料の作品としてサービスされ,有料アイテムを別途販売する予定だという。ゲームバランスを考慮し,装備類などプレイヤーキャラクターの強化に直結するようなアイテムは販売しないそうだ。
最後に,海外の展開に関してあらためて聞いてみたが,まだ中国での正式サービス前ということもあり,今年は中国内での展開に注力するとのこと。海外でのサービスに関しては,来年以降に考えたいという。
ChinaJoy 2011会場に出展されている作品の中では,かなり目立つ部類のグラフィックスを実現している「Myths & Heroes 3(天驕3)」だが,MMORPGがグラフィックスの美しさだけで勝負できる時代ではなくなっているのも事実。中国での正式サービスを経て,ゲーム内容にさらなるブラッシュアップがかけられていけば,そのうち本作の日本語版に関するニュースを紹介できる日が来る……かもしれない。
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天驕3
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