インタビュー
最強クラン決定戦開催直前! プロデューサーに聞く「パンドラサーガ」のこれまでと今後の展開
本作は,PvPと大規模戦闘をメインコンテンツに据えた対人戦特化型のMMORPGであり,今回の大会は,その頂点となるクランを決するべく企画されたものだ。
今回4Gamerでは,パンドラサーガのこれまでの経緯と今後の展開や,ジャパンカップを目前に控えたゲーム内の様子などについて,同社のコンテンツ事業部門 ゲーム企画運営部 プロデュース課 プロデューサー 板倉 健氏に話を聞いてきた。
2009年内に実装が予定されている新コンテンツ「攻城戦」の概要など,プレイヤーにとって気になる情報も飛び出したので,お見逃しなく。
「パンドラサーガ」公式サイト
PvPが人気を獲得するも,職業間バランスに大きな課題も
本日はよろしくお願いします。パンドラサーガはサービス開始から1周年を迎えてしばらく経ちますが,振り返ってみてどうですか?
板倉 健氏(以下,板倉氏):
プレイヤーの皆さんのおかげで,無事に1周年を迎えることができました。厳しい指摘とともに応援メッセージももらっていますので,今後の運営に反映できるようがんばっていきたいと思います。
またサービス開始当初から比較すると,コンテンツ量もだいぶ充実してきました。メインコンテンツのPvPも当初の狙いどおり,皆さんに楽しんでいただけているのではないでしょうか。
4Gamer:
その点について,プレイヤーからはどんな反応がありますか?
板倉氏:
コンテンツの量に関しては,まだ物足りないという意見が寄せられています。私自身,パンドラサーガのプレイヤーの一人ですが,PvP以外のコンテンツが少ない印象なんです。今期から来期にかけて,ぜひコンテンツの拡充を進めたいと思います。
4Gamer:
なるほど。それでは,メインとなるPvP関連のコンテンツに関しては,皆さんに満足してもらっているという感じですか?
板倉氏:
そう言い切れるといいのですが,まだ職業間のバランスが調整しきれていないと感じています。
例えば,騎乗できる職業とそうでない職業との差が歴然としているんです。そこで,不利な職業のキャラがもう少し活躍できる方向で調整したいと考えていますが,どのように実現すべきか,検討しているところです。これは当面の大きな課題ですね。
4Gamer:
PvPをメインとするゲームの多くは,職業間のバランス調整に苦労していますよね。最近は,これが絶対というバランスを目指すより,ゲーム内のトレンドに合わせ,少しずつでも手を入れ続けたほうが効果的との意見も耳にします。
そうですね。ともあれ,これはそう簡単には解決できない課題です。
課題といえば,私達はこの1年間,マクロ行為の取り締まりに力を入れてきました。以前は,街から出てすぐの場所に,自動的に狩りを行っていると思しきキャラがたくさんいたんです。そこで,駆逐用のモンスターを配置する対策をとったところ,最近はほとんど見かけなくなりました。
4Gamer:
駆逐用モンスターは,定期的にポップアップするといった仕様なんですか?
板倉氏:
いえ,当時はメンテナンスのたびにGMが手動で配置していました。
4Gamer:
そういった地道な作業の繰り返しが,成果として表れたわけですね。
ところで先日,新戦争マップが実装されましたよね。ぜひ,このマップのコンセプトなどを教えてください。
板倉氏:
三次職として,機動力の高い騎乗職が2008年9月25日に登場しました。ところが,今までのマップの広さは,その機動力を十分に発揮するには狭かったんです。新戦争マップは,三次職の能力を生かし,城を攻め落としたり,守ったりできるものに仕上がっています。
4Gamer:
なるほど。それでは,このマップに対するプレイヤーの反応を教えてください。
板倉氏:
システムそのものに対する評価はおおむね好意的ですが,新しい要素ということもあり,厳しい意見も寄せられています。それらを参考につつ,よりよいものにしていく方針です。
早くも優勝宣言するクランも?
盛り上がりを見せつつあるパンドラジャパンカップ
第1回パンドラジャパンカップが4月後半にスタートしますよね。この大会について,あらためて教えてください。
板倉氏:
サーバーの垣根を外し,オンライン対戦で最強のクランを決定するという大会です。
まず,サーバーごとに予選と本選を行い,各サーバーで上位となった計六つのクランが,最強の座を懸けて戦います。予選は4月25〜26日,本選は5月9〜10日,そして最強クラン決定戦は,今のところその翌週に実施する予定です。ちなみに,4月23日まで参加者を募集していますので,パンドラサーガでクランを運営している人はぜひ応募してください。
詳細はあらためて発表しますが,動画配信サイトで生中継したり,公式サイトで録画したムービーを配信したりする計画です。
4Gamer:
応募の状況はどうですか?
板倉氏:
おおむね好調で,早くも強い意気込みを見せているクランもあります。というのも先日,GMとしてゲーム内イベントに顔を出したんですが,とあるクランのメンバーから,「ジャパンカップはうちが優勝する!」といわれ続けたんですよ。ジャパンカップとは全然関係ないイベントだったんですけれど(笑)。
4Gamer:
運営側として,嬉しい話でしょうね。ゲーム内でも全体的に,ジャパンカップに向け盛り上がりを見せつつあるといった感じなのでは?
板倉氏:
そうですね。ジャパンカップでは,予選開始の前々日のデータをもとにしたキャラクターで戦うんですが,参加者は,それに備えてキャラ育成に励んだり,使用するアイテムの準備を行ったりしています。獲得経験値が上昇するキャンペーンを行っていることも,盛り上がりにつながっているんじゃないでしょうか。
4Gamer:
なるほど。参加キャラとして登録される時点で所持していないアイテムは,ジャパンカップでは使えないわけですね。
板倉氏:
使いたいアイテムをインベントリに入れてさえおけば,大丈夫です。
4Gamer:
うっかり,何も身に着けず,アイテムも持っていない状態にしていると大変ことになりそうですね。
板倉氏:
ええ,整理整頓が好きで几帳面な人は危ないですね。ログアウト前に,アイテムを全部NPCに売却しないと気が済まない人とか。まあ,そんな人はあまりいないと思いますけれども(笑)。
4Gamer:
ところで,ジャパンカップで上位に入ったチームには,何か賞品が贈られるんですか?
板倉氏:
各サーバーで1位となったクランには,+7まで強化したエフェクト武器をプレゼントします。2位には+5,3位には+0のエフェクト武器を贈る予定です。そのほか,ちょっとしたサプライズなども含めて検討していますので,楽しみにしてください。
また,各サーバーの本選で上位入賞したクランや,大会に参加した人にも,何らかのプレゼントを用意するつもりです。
4Gamer:
今回は第1回大会ですが,次回の開催や,それ以降の展開については考えていますか?
板倉氏:
ええ,大枠はありますよ。それに,大会の名前を「ジャパンカップ」にしたのにも理由がありまして,今後,より多くの国でパンドラサーガのサービスが行われるようになったら,ぜひワールドカップを開催したいと。また,今回は最強クランを決する大会ですが,いずれは最強チーム決定戦も行いたいと思っています。
それこそ,参加者全員が何も身に着けずに戦ったり,サーバー間戦争イベントを行ったりするのも面白そうですね。このような試みは,条件さえ整えば随時実現したいところです。
職業間バランスにも配慮した新コンテンツ「攻城戦」
2009年内の実装を目指して準備中
4Gamer:
それでは,パンドラサーガ全体の中長期的な展開について教えてください。
板倉氏:
かなり具体的に話が進んでいるのが,「攻城戦」です。すでに,マップの内容はほとんど決まっており,2009年内に実装することを目標に作業を進めています。もし可能であれば,スケジュールを前倒しにしたいと思っているのですが。
4Gamer:
攻城戦と一口にいっても,さまざまタイトルで採用されていますよね。何かパンドラサーガならではという部分はありますか?
板倉氏:
マップの特色ごとに,特徴のある地形を採用しています。例えば,ある城の周囲には森林があり,騎乗職業のキャラの移動速度が低下するとか,岩山にある城では射線がとりづらくなるため,遠距離攻撃を得意とするキャラは不利になるといった具合です。マップごとに,有利になる職業とそうでないものがあるわけです。
4Gamer:
なるほど。攻城戦は,職業間バランスを取るための一つの施策でもあるわけですね。
話を聞いている限りでは,城は一つではなく,複数登場するようですが。
板倉氏:
ええ,そうです。また今後,さまざまな仕掛けが用意された城を追加する計画もあります。
4Gamer:
一つのクランが,一つの城を占領する方式ですか?
板倉氏:
はい。とはいえ,攻撃側は城壁を破壊できますので,みんなで城門だけ守っていればいいというわけではありません。
4Gamer:
それは興味深いですね。
板倉氏:
攻防を繰り広げる城はかなりの広さになっています。というのも,新戦争の本陣の広さを100×100とすると,攻城戦の城は250×250ほどにもなるんですよ。当初は350×350くらいの広さにしようと考えていたんですが,それはさすがに広すぎるだろうということで,250×250に落ち着きました。
4Gamer:
それだけ広いと,防衛するのも難しそうですね。ましてや,壁を壊すことで侵入ルートが増えるとなると,大変じゃないですか。
板倉氏:
そこで,何らかの形で共闘できるようにするつもりです。
また,攻城兵器も登場しますよ。城門を破壊する兵器や,投石器,攻城塔といったものについても実装を検討中です。
4Gamer:
攻城戦が実現すると,パンドラサーガの楽しみ方がぐっと広がりそうですね。
人気の「タイムトライアル」をリニューアル!
そのほか各種コンテンツの追加/改修を予定
そのほか,何か予定している新要素はありますか?
板倉氏:
今問題となっているのは,最初に話した,コンテンツの量が不足していることや,職業間のバランスです。これらについては,今期から来期にかけて解決していきます。
また,1周年記念イベントの一つとして,期間限定で登場した「タイムトライアル」を,近いうちにリニューアルして実装する予定です。
4Gamer:
それはどんなコンテンツですか?
板倉氏:
専用マップでポップアップしたモンスターを制限時間に全滅させるという内容で,プレイヤーに大好評でした。そこでさらに楽しめるように,登場するモンスターや,報酬アイテムを変えるなどし,いつでも遊べるコンテンツとして提供することにしたんです。
4Gamer:
なるほど。
板倉氏:
「アスティア地下遺跡」ダンジョンにも手を加えます。構想している内容をどこまで実現できるか検討中ですが,かなり大きく変える予定です。
さらに,巨大なドラゴンと戦うようなコンテンツも考えているんですよ。
4Gamer:
それは,いわゆるボスモンスターでしょうか?
板倉氏:
そうです。パンドラサーガはPvPがメインですが,それだけでは疲れてしまいますので。
またPvPで得られる「爵位」に,具体的な意味を持たせようと考えています。例えば,爵位が高くなると特定の装備が着用できるようになるとか,何らかのバフ効果が得られるようにしたりとか。
4Gamer:
バフといいますと?
板倉氏:
まだ検討中ですが,一定以上の爵位になると,数種類のバフからいずれか一つを得られるんです。例えば,攻撃力や防御力が上がるもの,体力の回復速度が速くなるものなどがあります。一度選択したら選び直せないので,同じ職業でもプレイスタイルが変ってくるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
なるほど。
板倉氏:
あとは細かいことですが,演習で得られるポイントと勲章を集めて交換できるアイテムのラインアップを,近々リニューアルしたいと考えています。プレイヤーにとってより嬉しいラインナップになると思いますよ。
4Gamer:
それでは最後に,パンドラサーガのプレイヤーや,4Gamerの読者に向けてメッセージをお願いします。
板倉氏:
パンドラサーガではこれまで以上に,PvPにもPvEにも力を入れていきますので,これからもぜひプレイしてください。よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
パンドラサーガは国産MMORPGということもあり,発表直後から多くのゲームファンの注目と期待を集めていた。サービス開始後の早い時期からコンテンツ不足に陥り,プレイヤーから厳しい声が上がったのは,本作に対する期待の表れともいえるのではないだろうか。
それに対し彼らは,「これまで開発/運営チームはプレイヤーの意見にしっかりと耳を傾け,コンテンツの拡充に取り組んできたし,これからもその姿勢を崩さずに開発を進めていく」と述べている。
また,2009年内の実装に向けて開発が進められている攻城戦は,インタビューの中で説明されているように,これまでのMMORPGに見られるシステムに一ひねり加えた内容となっており,かなり期待できそうな印象である。
対人戦特化型MMORPGだからこそ,「最強クラン」の座に就くことは,プレイヤーにとって高いステータスであるはずだ。開催が目前に迫っている第1回パンドラジャパンカップの参加者募集は4月23日の定期メンテナンス開始時まで行われている。「オレ達こそ最強だ!」と自負するクランは,ぜひ大会に参加して腕試しをしてみよう。
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