インタビュー
正式サービスは6月9日スタート,初の大規模アップデートは6月24日! 「ドラゴンネスト」運営チームインタビュー
OBT以降の新システムについて聞いてみた
4Gamer:
杉浦氏:
大きな目的の一つは,課金アイテムと同等のサービスを,別のアプローチで提供することです。課金アイテムを買われる方がいる一方,課金せずに遊ぶ方も大勢います。この両者で極端な差がつかないように,PETALを導入しました。
私達としては,長期的にドラゴンネストで遊んでもらいたいと考えています。「お金を払わなくては,ろくにゲームで遊べない」では,お客様は離れていってしまいますから。
4Gamer:
ということは,PETALと引き換えに得られるアイテムは,課金アイテム系が中心になるわけですか。
杉浦氏:
OBT開始時点では消耗品タイプが多いですが,今後はアバター関連も充実させていきます。また,課金ではなくPETALでしか買えないアイテムも用意する予定です。
PETALの入手方法に関して,OBTでは“特定レベルへの到達時”を採用していますが,これも現在再検討しているところです。まだ未確定な部分はあるのですが,例えば“○日間連続でログイン”など,誰でも行えるような行動になるでしょうね。
山縣氏:
本質は既存のオンラインゲームでもよくある,例えば“OBT記念イベント”“○×レベル到達記念”のようなものに近いですね。
4Gamer:
そのほか,完成披露会で不明瞭だったシステムについて確認させて下さい。「3Dチャット」とはどのような機能でしょうか。
杉浦氏:
ボイスチェンジャーは,ボイスチャットで聞こえる音声を変えるもので,例えば男性の声を女性に,またはその逆といったことが行えます。これはほかのタイトルでも見かけますね。
もう一つの3Dサラウンドというのは,ゲーム内のキャラクターの位置関係に応じて,聞こえてくる音声があたかもそこにいるかのような臨場感を演出します。もちろん,特別な機材は必要なく,ステレオのヘッドフォンやスピーカーであれば対応可能です。
4Gamer:
2チャンネルの出力なのに,前や後ろから声が聞こえてくるように感じられるのですね。
山縣氏:
そのほかにも,壁の向こうにいるキャラクターは若干くぐもった感じになります。もちろん,ボイスチェンジャーと3Dサラウンドの併用も可能です。ヘッドフォンだとかなりの臨場感があるので,実装時にはぜひ体験していただきたいですね。
4Gamer:
この2機能の導入は何時ごろになりますか?
杉浦氏:
韓国では7〜8月に導入を予定しています。日本ではそれから1か月後くらいの導入が目標です。
4Gamer:
杉浦氏:
ドラゴンネストの公式サイト内「スペシャル」→「ライブラリ」→「AR」のページから,AR用のアプリをダウンロードし,WebカメラとAR用のグッズを用意してお楽しみください。AR用グッズをお持ちでない方のために,印刷して使えるサンプルデータもあります。
4Gamer:
ドラゴンネストでは,従来のARとは違った試みがなされているそうですね。
杉浦氏:
これまでのARは,幾何学的な模様を読み込むタイプが主流でしたが,ドラゴンネストの場合は画像からも識別できます。例えばKOKIAさんのCDジャケットとか,イベントで配布するチラシとかでも可能です。従来のARというよりは,どちらかというと画像認識に近いですね。
山縣氏:
Web上でログインした状態で画像を読み込むと,自分のキャラクターの情報を見に行って,キャラのレベルによって違った映像が現れます。どのような情報を流すのかは現在検討中ですが,各種タイアップや,アイテム配布用のシリアル番号の表示といったあたりが現実的でしょうか。
アイデア次第ではいろいろできると思いますよ。「いまメンテ中です!」など,リアルタイム情報を流せたら面白いですね。
4Gamer:
あの完成披露会の内容でも感じましたが,ドラゴンネストは従来のオンラインゲームとはちょっと展開のさせ方が違うなと驚きました。ドラゴンネストが目指すところは,どのあたりなのでしょうか。
杉浦氏:
ドラゴンネストを最初に見たとき,このタイトルはコンソールゲームのお客様をはじめとした,まだオンラインゲームを知らない人に向けても強くアプローチできると確信しました。オンラインゲームの市場をもっと広げて,より多くの人にハンゲームで遊んでもらいたいという一念で,従来の枠に囚われないプロモーション展開を行っています。
正式サービス開始から
ちょっと未来のドラゴンネストの話まで
4Gamer:
今後の展開についても話を聞かせてください。
6月9日により,OBTから正式サービスへと移行しますが,このタイミングでは具体的に何が変わるのでしょうか?
杉浦氏:
4Gamer:
ドラゴンネストではFTGを設けてはいるものの,コンテンツの消費速度についての懸念はありませんか?
杉浦氏:
ありますね。正式サービス後もできるだけ早いスパンでのアップデートを実施すべきだと考えていて,つい先日も韓国へ行き開発側と協議を重ねてきました。その際に決まったことですが,まずは6月24日にアップデートを行う予定です。
4Gamer:
それはまた早いですね……。どういった方向性のアップデートでしょうか?
山縣氏:
詳しくはまた後日発表させていただきますが,レベルキャップを32まで開放し,それに伴いエリアやダンジョンも拡張させます。メインクエストも追加されます。その過程でゲーム内では四つ目の街となる“セントヘイブン”へ行けるようになります。セントヘイブンは,この世界では最も繁栄しているエリアで,従来の牧歌的な雰囲気から一転し,かなり都会的な雰囲気です。ぜひ期待してください。
4Gamer:
アバターアイテムに関してはどうでしょうか?
山縣氏:
ええ,このタイミングでアバター販売も開始する予定です。そのほかにはクラス間バランスに関しても,韓国版の実装から間を置かずに,同じバージョンにすることを目標としています。
4Gamer:
韓国版は現在,どういったアップデート状況なのでしょうか。
杉浦氏:
日本で6月24日に行われるバージョンの,そのもう一つ先ですね。このタイミングではレベルキャップが40まで開放され,メインクエスト更にその先まで進められるようになります。
4Gamer:
そういえば完成披露会では,「2010年の秋に大型アップデート」とありました。6月のアップデートよりも大型だと思いますが,これはどういったものですか?
山縣氏:
4Gamer:
分かりました。それでは最後に,お二方からそれぞれ,正式サービス開始に向けての意気込みをお聞かせください。
杉浦氏:
これまでドラゴンネストをプレイされた方ががっかりしないよう,正式サービス後も絶え間なくアップデートを行っていきます。また同時に,このタイトルをより多くの人に触れてもらうため,さまざまな展開を行っていきます。ドラゴンネストの今後に,ぜひご期待ください。
山縣氏:
ドラゴンネストは日本人にとってプレイしやすいように,開発初期段階からゲームパッドへの対応や体験版の配布など,さまざまな施策を行ってきました。夏以降もARをはじめ,ゲーム内外を通じて,このタイトルを盛り上げるべく努力していきます。まだ未経験の方も,気軽にこのタイトルに触れてみてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
先日の完成披露会で明らかになったドラゴンネストのプロモーション展開は,従来のオンラインゲームと比べると,まさしく桁外れといっていい規模であった。また今回のインタビューでは,日本向けに徹底したローカライズを行ってきたことが明らかになったが,その内容も相当な規模である。2年も前から着々と準備を重ね,これなら,今までオンラインゲームを知らない人にもアプローチできると確信したからこそ,これだけのプロモーションを行う意味があると踏んだのだろう。
6月9日に正式サービスを迎えるドラゴンネストだが,OBTの段階ですでに,多大な手間をかけたに値する結果を出しつつある。例えば同時接続者数に関しては,連日1万人オーバーで,早急にサーバーを増設しないことには,いずれ接続障害が起こりかねないのではないか,というほどの盛況ぶりである。また“オンラインゲームで体験版”というのも,今まであまり聞いたことのない展開であったが,4Gamerにおけるダウンロード数も,ほかの体験版とは桁が違うほどの人気ぶりであった。
ドラゴンネストでは今後もゲーム内/外を含め,さまざまな展開を行っていくという。当分の間,このタイトルから目を離すことはできまい。
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