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連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介
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印刷2008/05/07 22:39

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連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介

画像集#001のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介
 PCゲームと関連のあるNintendo DS/PlayStation Portable用タイトルを紹介していく連載「PCゲームを持ち出そう!」。43回めとなる今回紹介するのは,2008年4月24日に日本ファルコムから発売された,プレイステーション・ポータブル(以下,PSP)用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」(以下,VMP)だ。

 VMPは,第1作が1997年に発売され,高い人気を獲得したヴァンテージマスターシリーズ(以下,ヴァンマス)をPSP向けにアレンジした作品である。
 ヴァンマスを知らない人のために説明すると,これは,精霊使い「ネイティアルマスター」(以下,マスター)となり,「ネイティアル」と呼ばれる精霊を操って戦いを繰り広げるシミュレーションRPG。クリティカルヒットといった偶然性を排し,将棋やチェスのように,純粋に戦術のみを用いて戦いを進めていく点を特徴の一つとしている。
 そう,このヴァンマスでは,プレイヤーの実力こそが勝敗の行方を左右する。大地を治める「ヴァンテージマスター」の座に就くべく,さまざまなマスター達を打ち負かそう!


遊び応えもボリュームも満点
やっぱりヴァンマスは面白い


画像集#010のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介
 VMPではグラフィックスが刷新されており,より華やかな雰囲気になっているものの,基本的にはヴァンマスの世界観やゲームのエッセンスが,しっかりと受け継がれている。
 戦いの舞台となるのは,大小さまざまな50種類以上のマップ。それぞれのマップは,「ヘックス」と呼ばれる六角形のマスで構成されており,その上で,個性豊かなマスターやネイティアルが戦いを繰り広げていくのである。

 ゲームのメインとなる「シナリオモード」には,18人のマスターが用意されている。このモードでは,最初に提示される四つの質問に答えることでいずれかのマスターが選ばれる仕組みになっており,自分で直接選択することはできない。プレイヤーは選ばれたマスターとなって,それのぞれのマスターに用意されたシナリオに沿ってゲームを進めていく。
 イベント/エンディングの異なるストーリーを楽しめるだけでなく,選ばれたマスターによってさまざまなプレイフィールが味わえるので,ボリュームとリプレイ性はかなりのもの。ついつい時間の経つのも忘れてプレイしてしまうので,プレイ時間をどうやって捻出するかが悩みの種となっている。

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画像集#011のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介
 なお,シナリオモードの「シークレット」を選ぶと,日本ファルコムの人気RPG,英雄伝説 空の軌跡シリーズから,エステルやヨシュアといった4人の人気キャラクターのうちの一人を選択できる。シークレットに登場するこれらのマスターは,通常のマスターよりも強めの設定になっているので,ヴァンマスを初めてプレイする人に適している。当時ヴァンマスをさんざんプレイした私だが,すっかり勘が鈍ってしまっていたため,最初は「ストライダー」(ヨシュア)に頼らざるを得なかったのはここだけの秘密にしておいてほしい。
 その4人以外にも“隠しマスター”が用意されており,特定の条件をクリアすることでプレイ可能となる。全キャラ制覇を目指そう!

 それでは,ゲームの流れをざっくりと説明しよう。
 本作では,マスター自身が攻撃することも可能ではあるが,戦いの中心となるのは,自分のユニットであるネイティアルだ。マスターは,MPを消費してさまざまな能力を備えたネイティアルを召喚し,そのネイティアルに移動や攻撃といった指示を与えていく。最終的に,相手のマスターのHPをゼロにすれば勝ちとなる。

画像集#005のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介 画像集#008のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介

 先ほどVMPについて,チェスや将棋を引き合いに出して紹介したが,本作がこれらと大きく異なるのは,必ずしも自分→相手→自分……と交互に手を指していくわけではないということ。
 それぞれのユニットはすばやさを意味する「SPD」というパラメータを持っており,この値が高いほど,次のターンまでの待機時間(OA値。OAはOpen to Attackの略)が短くなる。敵味方に関係なく,このOA値を元に,各ユニットに順番が回る仕組みだ。

 戦いで重要なポイントの一つは,それぞれのネイティアルが,「地」「水」「火」「天」のいずれかの属性を持っているということ。
 VMPの世界では,「地は水に強い」「水は火に強い」「火は天に強い」「天は地に強い」という法則が成り立っており,これはネイティアル同士の優劣にも深く関係している。
 つまり,どのネイティアルにも苦手とする属性が必ずあるので,いかに優れたネイティアルであっても,単独でマップを蹂躙するというわけにはいかないのである。
 相手のネイティアルの属性と配置,目的地までのルートなどを考慮しつつ,どのネイティアルを召喚するか,どのネイティアルに攻撃させるかといった戦術を立てるのが,VMPの醍醐味だ。この,4属性の優劣関係については必ずテストに出るので,頭に叩き込んでおこう。


画像集#009のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介 画像集#012のサムネイル/連載「PCゲームを持ち出そう!」。第43回はPSP用シミュレーションRPG「ヴァンテージマスターポータブル」を紹介

 もう一つ押さえておきたいのが,「魔晶石」だ。VMPでは,マップ中に複数散在する魔晶石を占拠することで,MPの回復量を高められる。ネイティアルの召喚や魔法の詠唱にはMPが必要となるため,魔晶石をより多く占拠することが,戦いを進めるうえでとても重要なのである(魔晶石の上にいるマスター/ユニットは,防御効果も得られる)。
 なお,ネイティアルを召喚するだけでなく,維持するのにもMPが必要だ。魔晶石を失ってネイティアルの維持に必要なMPが得られなくなり,マスターのMPがゼロになると,召喚した順にネイティアルが消滅してしまう。
 ゲームが始まったら魔晶石を効率よく占拠し,敵の猛攻から守り抜こう。

 このほかも,戦術を立てるうえで頭に入れておかなければいけないことがある。
 VMPではゲームが進行するにつれ,朝から昼,昼から夜,そして夜から朝へと時間が経過し,マップの明るさも変化していく。ネイティアルには「通常型」のほか,明るさによって能力が高くなったり低くなったりする「朝型」「夜型」があるため,各ネイティアルがどのタイプかを把握し,攻撃のタイミングを決定することが重要だ。
 また,どの方向から敵を攻撃するか(正面からの攻撃より,背面から攻撃したほうが与えるダメージが大きくなる)もポイントとなるほか,遠隔攻撃/遠隔魔法攻撃を行うときには,ヘックスの段差や障害物の有無にも注意する必要がある。

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VMPの見どころはココ!


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 ……と,ヴァンマスに馴染みがない人の中には,「なんだか難しそう」という印象を持った人もいるかもしれない。
 実際,初めてヴァンマスをプレイする人にとってはルールはなかなか複雑だと思うし,プレイするうえで覚えておくべきことも多い。
 しかし,だからといってVMPに手を出さないのはもったいないと思う。VMPでは,プレイ中にルールなどの細かい内容が確認できるようになっているほか,上で述べたように,初心者でもプレイしやすい隠しマスターも用意されている。また「フリーモード」では,難度をかなり低くして練習できる。
 ランダム要素が排除され,戦術そのものがモノをいう本作だからこそ,難度を柔軟に変えられるのはビギナーにとって嬉しいポイントだ。

 しばらくの間本作を遊んで感じたのは,プレイを重ねて経験を積むにつれ,プレイヤースキルの向上や,ゲームの奥深さを実感できる作品だということ。
 「頭を鍛えるタクティクスRPG」というキャッチフレーズを掲げる本作で戦術眼に磨きをかければ,恋愛や仕事の駆け引きにも生かせる……かもしれない。

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ヴァンテージマスターポータブル


対応機種:プレイステーション・ポータブル
メーカー:日本ファルコム
発売日:2008年4月24日
価格:5040円(税込)
公式サイト:http://www.falcom.co.jp/vmp/index.html

  • 関連タイトル:

    ヴァンテージマスターポータブル

  • 関連タイトル:

    ヴァンテージマスターV2

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