GeForce 9600 GSOリファレンスカード
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NVIDIAは,とくに発表を行うことなく,いわゆる「Silent Launch」で新GPU
「GeForce 9600 GSO」をリリースした。製品型番から想像がつくように,同製品は「GeForce 9600 GT」の下位に位置づけられるミドルクラスGPU。「ATI Radeon HD 3850」の対抗と位置づけられている。カードの想定売価は129ドルなので,1万円台中盤という価格帯での登場が期待できそうだ。
GeForce 9600 GSOの主なスペック(左)と,ATI Radeon HD 3850を上回るパフォーマンスを発揮するというグラフ(右)。いずれもNVIDIAのスライドより
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GeForce 9600 GSOの位置付け。GeForce 9600 GTとGeForce 8600 GTの間に置かれる
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GeForce 9600 GSOのスペックは
表にまとめたとおりで,96基のストリーミングプロセッサを搭載し,メモリバス幅が192bit,ROPユニット数が12基に制限されているあたりは,2008年2月に搭載グラフィックスカードが登場した
「GeForce 8800 GS」とまったく同じ。GeForce 8800 GSのシェーダクロックを引き下げて,GeForce 9世代の製品名に“付け替えた”のがGeForce 9600 GSOといって問題なさそうだ。上位モデルのGeForce 9600 GTよりもストリーミングプロセッサ数では上回りつつ,それ以外の部分では同等以下という,なんとも微妙なバランスのGPUである。
※1 国内で市販されている製品の最低クロックは1.4GHz相当となっている(2008年4月30日現在)
※2 グラフィックスメモリ512MB版の動作クロック。同256MB版の規定はないが,国内で市販されている製品の最低クロックは1.4GHz相当となっている(2008年4月30現在)
※3 カードによる。NVIDIAの公式回答は「GeForce 8800 GT以下」
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なお,InnoVISION Multimediaは,同社のWebサイトで搭載グラフィックスカード
「Inno3D Geforce 9600 GSO」を発表している。動作クロックはコア550MHz,メモリ1.6GHz相当(実クロック800MHz)で,グラフィックスメモリ容量は384MBだ。シェーダクロックは明らかになっていないが,ほかのスペックからすると,リファレンスどおりの1.375GHzではなかろうか。
カードは1スロット仕様で,PCI Express外部給電コネクタ×1を用意。12Vラインに30A供給できる,容量450W以上の電源ユニットが必要とされている。
InnoVISION Multimediaが発表したInno3D Geforce 9600 GSO。オリジナルデザインの1スロットクーラーを採用している
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GeForce 8800 GSは特定のカードベンダーからのみ出荷された,ある意味貴重なGPUだったが,「GeForce 9600 GSO搭載カードは,主要なパートナーから市場投入される」(NVIDIA)。同社いわく,すでにカードの出荷は始まっているとのことなので,近々,InnoVISION Multimedia製品をはじめとする搭載カードが店頭を賑わすことになるだろう。
NVIDIAの製品情報ページ
http://www.nvidia.com/object/geforce_9600gso.html
InnoVISION Multimediaの製品情報ページ
http://www.inno3d.com/products/graphic_card/gf9/9600gso.htm