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[COMPUTEX 2008#21]NVIDIA,超低電力版GPU採用の完全ファンレスゲームPCをデモ
同社でファンレスのゲーム用PC実現を目指すのは,PureVideoのマーケティングマネージャーを務めるPatrick Beaulieu氏(Marketing Manager, PureVideo, NVIDIA)。今回4Gamerでは,NVIDIAの目指すファンレスシステムについて氏に話を聞けたので,その内容をお届けしよう。
「デスクトップGPUと同じ3D性能を
50W低い消費電力で実現する」
ファンレス仕様のグラフィックスカードでは,グラフィックス描画負荷が高まってGPU温度が高くなりすぎたとき,いかにして温度を下げるか(あるいは,上げないか)が重要になる。その点,ノートPC向けの省電力技術を利用し,GPU温度に応じてコアクロックやシェーダクロックを下げるといった制御を行えば,確かにGPUのオーバーヒートを防げるが,この場合「ゲーム中,プレイヤーが意図しない状況で,温度が原因となってパフォーマンスが低下する」可能性がある。これは受け入れられない人が多いだろう。Beaulieu氏も「ノートPC向けGPUをデスクトップに持ってきて,それをそのままファンレスのゲーム用PCに使うというのは難しい」と見ている。
今回用いられていたPCケースは,Lian Li Industrial製「PC-V600」だったが,ファンレス電源ユニットの放熱性を高めるため,筐体の前面に設置したり,天地逆に配置されるSLIマザーボードのセカンダリPCI Express x16スロットにグラフィックスカードを差し,さらに天板に大きな空気孔を設けて熱を逃がしやすくしたりといった処置が施されていた。
もっとも氏は「ケースの改造だけでは不十分。放熱性をより高められるデバイスレイアウトなどを実現すべく,ケースベンダーと協議を進めている」と,今後は,パートナー各社と協力して,完全ファンレスのゲーム用PC実現を図っていく姿勢を示す。
実際,同技術デモでは,描画負荷の高さに定評のある「Crysis」を実行し,システムの完成度をアピールしていたNVIDIAだが,起動後,プレイを中断してしばらく放置した状態でもGPU温度は85℃を示しており,安定した3Dゲーム環境をファンレスで実現する難しさが垣間見えた。
ただ,先ほども述べたとおり,NVIDIAは今後も同コンセプトを推進していく予定だ。2008年8月末に米カリフォルニア州サンノゼ市で開催されるNVIDIAのイベント「NVISION 08」では,どうやら,さらに進化した姿を見ることができそうである。
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