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  • 発表日:2008/03/03
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Intel,22nm世代のAtomで採用する新世代アーキテクチャ「Silvermont」を発表。次世代Atomの性能は従来比3倍に!?
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印刷2013/05/07 18:42

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Intel,22nm世代のAtomで採用する新世代アーキテクチャ「Silvermont」を発表。次世代Atomの性能は従来比3倍に!?

 米国時間5月6日,Intelは,次世代のAtom SoC(System-on-a-Chip)で採用する新しいCPUマイクロアーキテクチャ(以下,アーキテクチャ),「Silvermont」(シルヴァーモント,開発コードネーム)を発表した。同アーキテクチャを採用し,22nmプロセス技術を用いて製造される次世代Atomでは,既存のAtomに対して,同じ消費電力なら性能は最大3倍に達し,同じ性能なら消費電力は5分の1で済むようになるとのことだ。

 Silvermontアーキテクチャは,タブレット向けAtom「Bay Trail」(ベイトレイル,開発コードネーム)や,スマートフォン向けAtom「Merrifield」(メリフィールド,同),あるいは小型サーバー向けAtom「Avoton」(アヴォトン,同)など,幅広い製品分野で採用される見込み。ちなみにBay Trail採用のタブレットは,2013年の年末商戦に間に合う見込みが示されている。

Atom向けCPUマイクロアーキテクチャの変遷を示したスライド。14nm世代の「Airmont」(エアモント)マイクロアーキテクチャの開発コードネームも示されている
画像集#002のサムネイル/Intel,22nm世代のAtomで採用する新世代アーキテクチャ「Silvermont」を発表。次世代Atomの性能は従来比3倍に!?

Silvermontの4大特徴。新世代アーキテクチャと22nmプロセス技術を用いて製造されるSoCであり,同じ消費電力なら既存のAtom SoC比で3倍の性能を実現し,同じ性能なら消費電力は5分の1で済むと謳われる
画像集#005のサムネイル/Intel,22nm世代のAtomで採用する新世代アーキテクチャ「Silvermont」を発表。次世代Atomの性能は従来比3倍に!?

 Silvermontマイクロアーキテクチャでとくに目新しいのは,従来のAtomが命令を順番どおり(In-Order)で実行していたのに対し,一般的なPC用CPUと同じく,命令の順番を適宜並び替えて(Out-of-Order)実行するようになった点だ。競合たるARMの現行世代CPU IPコア「Cortex-A15」「Cortex-A9」はOut-of-Order実行をサポートしているので,この点でSilvermontアーキテクチャは競合に並んだといえるかもしれない。
 またSilvermontでは,2基のCPUコアとコア間で共有されるL2キャッシュ(最大メモリ容量1MB)のセットを1つの「モジュール」として扱い,複数のモジュールを組み合わせてSoCを構成できるようになったという。低消費電力が重要なスマートフォンなら1モジュール,性能も必要なサーバ製品なら多くのモジュールを搭載するといった,柔軟な構成が可能になるわけだ。

画像集#003のサムネイル/Intel,22nm世代のAtomで採用する新世代アーキテクチャ「Silvermont」を発表。次世代Atomの性能は従来比3倍に!?
Silvermontアーキテクチャと,32nmプロセス世代のAtomアーキテクチャ「Saltwell」(ソルトウェル)とで,性能や消費電力を比較したグラフ。消費電力の低減ぶりには目を見張るものがある
画像集#004のサムネイル/Intel,22nm世代のAtomで採用する新世代アーキテクチャ「Silvermont」を発表。次世代Atomの性能は従来比3倍に!?
具体的な製品名は書かれていないが,競合他社のタブレット向けCPUとの,性能や消費電力の比較グラフ。性能は約2倍で,電力効率は約4.3倍高いという

 Intelが謳うとおりの性能とタイミングでBay Trail搭載タブレットが登場するなら,年末商戦は面白いことになりそうだ。今後の動向を注視したい。

#### 以下,リリースより ####

インテル
低消費電力,高性能 マイクロアーキテクチャー「Silvermont」を発表

ニュース・ハイライト
・インテルは,性能と電力効率の大幅な向上を実現するインテルの22nm(ナノメートル) プロセス技術に基づく3次元トライゲート・トランジスター技術採用のシステム・オン・チップ (SoC) の新デザインSilvermontマイクロアーキテクチャーを発表
・Silvermontマイクロアーキテクチャーは,現行のインテル Atomコアと比較して,最大で3倍の性能を有し,同一性能においての消費電力は5分の1*1を実現
・Silvermontは,一連の22nm製品の基盤として,タブレット,スマートフォン,マイクロサーバー,ネットワーク・インフラストラクチャー,ストレージに加えて,エントリー向けノートブックPCや車載インフォテインメントなどの市場セグメントを対象に提供

インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)は本日,全く新しい低消費電力,高性能マイクロアーキテクチャー 「Silvermont」を発表しました。

このテクノロジーは,スマートフォンからデータセンターにいたる市場セグメントに求められている低消費電力を追求したものです。Silvermontは今年後半より発売される一連の画期的な製品群の基盤となり,性能と電力効率を大幅に向上させるインテルの最新22nmプロセス技術に基づく3次元トライゲート・トランジスター技術を採用したSoC 製造プロセスを利用して製造されます。

インテル コーポレーション 主席副社長 兼 最高製品責任者のダディ・パルムッターは「Silvermontは広範囲の製品および市場セグメントに対応するための,まったく新しい画期的な技術基盤です。すでに出荷を開始しているBay Trail(開発コード名)やAvoton(開発コード名)などの22nm SoC製品の初期サンプルは,顧客より好意的な評価をいただいています。今後は,この低消費電力マイクロアーキテクチャーの新製品開発を年次ベースで行っていく予定です」と述べています。

Silvermontマイクロアーキテクチャーの消費電力1ワットあたりの性能は,業界最高レベルの電力効率を実現します*2。高度なレベルでバランスのとれた設計に基づき,ダイナミックレンジが拡張され,性能および電力効率ともにスケール・アップおよびスケール・ダウンが可能です。また,Silvermontは各種の標準指標において,現行のインテル Atomプロセッサー・コアと比較して最大で3倍の性能と,同一性能において5分の1*1の消費電力を示しています。

<「Silvermont」:次世代マイクロアーキテクチャー>
インテルのSilvermontマイクロアーキテクチャーは,インテルの22nmプロセス技術に基づく3次元トライゲート・トランジスター技術向けに設計され,最適化されています。インテルは,業界をリードするこのテクノロジーの利点を活用することで,性能と電力効率の大幅な向上を実現しています。

Silvermontマイクロアーキテクチャーのその他の特徴は次のとおりです。

  • 新しい「アウトオブオーダー」方式の実行エンジンにより,クラス最高のシングルスレッド性能を実現*1
  • 最大8コアまでスケーリング可能な新しいマルチコアおよびシステム・ファブリック・アーキテクチャーにより,高帯域と低遅延,よりバランスが取れ応答性の高いシステムを実現する,より効率的な「アウトオブオーダー」方式のサポートを提供
  • 新しいインテル アーキテクチャー・インストラクションとそのテクノロジーにより,広範囲な製品で,性能,仮想化,セキュリティーの管理機能が向上。これらのインストラクションは,インテルの既存64ビット製品および,すでに機器にインストールされているIAソフトウェアをサポート
  • 消費電力管理機能の強化には,新しいインテリジェント・バースト・テクノロジー,低消費電力Cステート,インテルの3次元トライゲート・トランジスター技術のメリットを活用した広ダイナミックレンジにおける動作などを含む。シングルコアとマルチコアをサポートするインテル バースト・テクノロジー 2.0は,電力効率に合わせてスケーリングされ,優れた応答性を実現

インテル コーポレーション フェロー 兼 チーフアーキテクトのベリ・クッタナは「設計とプロセス・テクノロジーの相互最適化により,Silvermontに課せられた目標を上回ることができました。インテルの強みであるマイクロアーキテクチャー開発と最新のプロセス・テクノロジーを融合させることで,性能と電力効率の大幅な向上を可能とするテクノロジー・パッケージが完成しました。これを達成できたことは誇りであり,Silvermontはインテルの新しいさまざまな低消費電力SoCの強力かつ柔軟な基盤になると思います」と述べています。

<さまざまなコンピューティング・ニーズに対応するアーキテクチャー>
Silvermontは,今年後半に発売予定の一連の22nmプロセス技術に基づく製品群の基盤となります。新しいマイクロアーキテクチャーによって1ワットあたりの性能が向上したことで,これらの新製品を採用するコンピューティング・デバイスでも性能と応答性の大幅な向上が期待できます。

2013年のクリスマス商戦向けタブレット用として開発が進むインテルのクワッドコアSoC製品Bay Trail(開発コード名)は,インテルの現行タブレット向け製品の2倍以上のコンピューティング性能を実現します*1。Silvermontの柔軟性により,Bay Trail(開発コード名)から派生する各種プラットフォームは,画期的なサイズのエントリー向けノートブックPCやデスクトップPCなどの市場セグメントでも利用できます。

インテルのMerrifield(開発コード名)は,今年末までに顧客に出荷予定です。現行製品と比較して性能とバッテリー寿命が改善され*1,コンテキスト・アウェア・サービスとパーソナル・サービス,Webストリーミングへの超高速接続,データ,デバイス,プライバシー保護の強化がサポートされます。

インテルのAvoton(開発コード名)は,データセンター用のマイクロサーバー
*2,ストレージ,スケールアウト型ワークロード向けに業界最高となるエネルギー効率と1ワットあたりの性能を実現します。Avoton(開発コード名)はデータセンター向けとしては2世代目となるインテル Atom プロセッサーSoC製品であり,64ビット対応,統合型ファブリック,エラーコード修正,インテルバーチャライゼーション・テクノロジー,ソフトウェア互換性などサーバー製品に求められるすべての機能を備えています。Rangeley(開発コード名)はネットワークおよび通信インフラ向け製品で,エントリーレベルからミッドレンジレベルのルーター,スイッチ,セキュリティー・アプライアンスを対象としています。どちらの製品も,今年後半に出荷の予定です。

これらと並行して,インテル Core プロセッサー向け,次世代22nm Haswell(開発コード名)マイクロアーキテクチャーも業界をリードする進化を遂げています。画期的な「2イン1」フォーム・ファクターやその他のモバイル・デバイス向けに低消費電力でありながら,フルにPCレベルの性能が得られる搭載製品の発売が今年後半に見込まれています。インテルはまた,22nmプロセス技術によるデータセンター向けインテル Xeon プロセッサー・ファミリーの刷新も予定しており,1ワットあたり性能の改善などを実現します。

パルムッターは「SilvermontとHaswell(開発コード名)の両マイクロアーキテクチャーの強みを持つインテルは,あらゆるコンピューティング・ニーズに対応し,優れた製品とユーザー体験を実現できる立場にあります」と述べています。

*1  各種ベンチマークによる消費電力とパフォーマンスのさまざまな測定の幾何平均に基づいています。この幾何平均のベンチマークは,SunSpider*を含むブラウジング・ベンチマークおよびワークロード,Internet Explorer*,FireFox*,& Chrome*,Dhrystone*でのページロード・テスト,CoreMark*を含むEEMBC*ワークロード,CaffineMark*,AnTutu*,Linpack*,Quadrant*を含むAndroid*ワークロードの測定,SPECint* rate_base2000およびSPECfp* rate_base2000での実測推測であり,Silvermont運用システムをインテル Atomプロセッサー Z2580と比較したものです。結果ごとにバラツキが生じる場合があります。SPEC* CPU2000*ベンチマークは現在は使用されません。

*2  Silvermontと,アーキテクトの説明に従ったARM*ベースの主要モバイル競合製品の想定構成の比較のために実施された,SPECint* rate_base2000での消費電力と性能の実測値と推測値の幾何平均に基づきます。類似構成を前提としています。
実部品での検証後は数字が変わる可能性があります。結果ごとにバラツキが生じる場合があります。SPEC* CPU2000*ベンチマークは現在は使用されません。結果は推測値です。

性能に関するテストに使用されるソフトウェアとワークロードは,性能がインテルマイクロプロセッサー用に最適化されていることがあります。SYSmark*,MobileMark*のようなパフォーマンス・テストは,特定のコンピューター・システム,コンポーネント,ソフトウェア,操作,機能に基づいて行ったものです。結果はこれらの要因によって異なります。製品の購入を検討される場合は,他の製品と組み合わせた場合の本製品の性能など,他の情報や性能テストも参考にして,パフォーマンスを総合的に評価することをお勧めします。詳細については,www.intel.com/performanceをご参照ください。

Silvermont発表に関するIntelのプレスリリース

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