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印刷2008/03/14 17:54

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ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向

Kris Huang氏(Specialist, Product Marketing Dept.1, Motherboard Product, Marketing Div., ASUSTeK Computer)
画像集#002のサムネイル/ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向
 ゲーマー&オーバークロッカー向け製品ブランドとして位置づけられ,定着しつつある「R.O.G」(Republic of Gamers)。同ブランドを積極的に展開するASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,先に独ハノーバー市で開催されたPC&IT関連製品見本市「CeBIT 2008」で,さらにアグレッシブな製品展開を行う意気込みを見せていたが,今回4Gamerは,ASUSでR.O.Gシリーズのプロダクトマーケティングを担当するKris Huang(クリス・フアン)氏から,最新製品や今後の予定に関して話を聞く機会を得た。それを踏まえ,R.O.Gの最新動向をお伝えしよう。


コンセプトモデルから見えてくる次世代R.O.Gの姿

「Rampage Extreme」キャンセルの理由とは?


Pinotnoirコンセプトモデル
画像集#003のサムネイル/ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向
 さて,まずはCeBIT 2008のレポートでもお伝えした,R.O.Gシリーズのコンセプトモデルとなるマザーボード「Pinotnoir」(ピノノワール)だが,Huang氏は「あくまでもコンセプトモデルだ。このまま製品化されることはない」と断言する。ただし,Pinotnoirで採用された液冷対応のヒートパイプ式チップクーラーや,クロムメッキが施されたメモリスロットなどは,今後のR.O.Gシリーズで採用される可能性があるという。

画像集#004のサムネイル/ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向
今後のR.O.Gシリーズ製品に採用される可能性があるとされた液冷ユニット
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メモリスロット各チャネルの2スロットめにはクロム&ゴールドメッキが施されていた
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CPUファンコネクタの脇には,CPU動作クロックの“程度”を示すLEDが設けられている

ASMediaのPCI Expressパケットスイッチチップを採用する
画像集#007のサムネイル/ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向
 またPinotnoirには,ASUSの子会社で半導体の開発製造を担当するASMedia Technology(以下,ASMedia)のIC(Integrated Circuit,集積回路)がいくつか使われている。これについてHuang氏は「性能と価格面で競合よりも優れていれば,ASMedia製品を使う」と,中立的なコメントを述べつつも,「ただし,ASMediaが今後,マザーボードの機能性を高める専用ICを開発することはあり得る」と,協業の可能性も示していた。

 ところで,筆者は事前にSI(System Integration)ベンダー関係者から「以前はASUSのロードマップにあった,『Intel X48 Express』(以下,X48)チップセット搭載のDDR3メモリ対応版となるマザーボード『Rampage Extreme』が,最近になって消えている」という情報を得ていた。そこでこの件について質問をぶつけてみたところ,「フラグシップモデルとして,X48のDDR3モデルがあって然るべきではある。しかし,フラグシップモデルは,最高のパフォーマンスを持つものでなくてはならない」(Huang氏)と,肯定する方向の含みを持たせた回答が得られた。
 「Intel P45 Express」(以下,P45)チップセットの市場投入が間近に迫り,“その次”となる「Tylersburg」(タイラースバーグ,開発コードネーム)の足音も聞こえてきている現在,「フラグシップモデルに関しては慎重に判断する必要がある」とHuang氏。最高のパフォーマンスを発揮するプラットフォームを追求する姿勢が,Rampage Extremeのキャンセルにつながった,ということのようだ。

X48チップセットを搭載する「Rampage Formula」。Maximus Formulaの8層基板から6層基板へと変更しコストダウンを実現した。DDR2メモリ対応製品ながら,XMP(と同じ仕様を持つDDR2メモリであるEPP)への対応が謳われているのも特徴だ
画像集#008のサムネイル/ASUS担当者に聞く,ゲーマー向けブランド「R.O.G」最新動向
 Rampageシリーズについて続けると,Huang氏は「(Intel X38 Express採用となる)『Maximus Formula』は8層基板だが,『Rampage Formula』は6層基板に変更されている」と教えてくれた。X48のチップそのものはIntel X38 Expressの選別品だが,単価は20ドルほど高いと言われている。そのため,基板などの部材コストでその価格差を吸収し,X48搭載モデルとなるRampage Formulaの価格を現在のMaximus Formulaのそれと同等に留めるのが狙いだろう。「もちろん,基板層数を削ったからといって,パフォーマンスは犠牲にしていない」と,氏はフォローを忘れなかったが。

 もう一つ,Rampage Formulaでは,「XMP」(Intel eXtreme Memory Profile)をサポートするとのことだ。
 ……ここで頭に疑問符が浮かんだ読者は少なくないだろう。ご存じのように,XMPはNVIDIAのDDR2メモリ用“オーバークロックプロファイル”「EPP」(Enhanced Performance Profile)をベースに,DDR3メモリのSPDを拡張したもの。つまり,“DDR2版のXMP”などというものは市場に存在しないからだ。
 同じくDDR2メモリ対応となるMaximus Formulaでも,ASUSはXMP対応を謳っているが,この点についてHuang氏は「我々がサポートするのはあくまでXMPメモリ。ただし,仕様が同じなら動作するはずだ」と,(XMPと仕様が同じ以上)EPP対応メモリモジュールが利用できることを示唆している。


P45チップセットに期待するASUS

AMDチップセット採用のR.O.G,現状では予定なし


 R.O.Gシリーズのマザーボードは種類を増やし続けており,とくにIntel製CPU対応製品では,どれを選んでいいのか困るほどのラインナップとなっている。気になるパフォーマンスを基準に据えたときの序列はどうなっているのだろうか。
P45チップセットを採用する「Maximus II Extreme」。最終製品では8層基板化される可能性があるという
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 「現時点で,CPUやメモリのオーバークロック性能という観点からは,Intel製チップセットに分がある。とくにX48は,“現時点では”最高のパフォーマンスを発揮する。だが,P45でIntelは,さらなるパフォーマンス向上を図ってくる可能性があり,FSB 1600MHz対応という点を除けば,P45を搭載する『Maximus II Extreme』が,かなり有望な製品となる」とHuang氏。パフォーマンスチューニング状況次第では,6層基板で開発しているMaximus II Extremeを8層基板に切り替える可能性もあるとのことで,そのポテンシャルにASUSはかなりの期待をかけているようだ。

 「nForce 780i SLI」や「nForce 790i Ultra SLI」については「ゲーマーをターゲットにする以上,SLI対応は外せない。その意味でnForceチップセットはR.O.Gになくてはならない存在だ」としながらも「メモリの互換性やオーバークロック性能に関しては,もう少し,チューニングする余地がある」と注文を付けた。NVIDIA SLI対応以外の基本性能では,Intelチップセットのほうが優れているとHuang氏は指摘する。

nForce 780a SLIを搭載した,AMDプラットフォーム向けのフラグシップ製品となる「Crosshair II Formula」
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 Intelプラットフォームと比べると,AMDプラットフォームのラインナップは実にシンプルだ。ASUSは「nForce 780a SLI」を採用した「Crosshair II Formula」の市場投入準備を進めており,同製品が現行の「Crosshair」を置き換えることになる。
 一方,「AMD 790FX」ベースのR.O.Gマザーボードの計画は「いまのところ,ない」(Huang氏)。“ATI CrossFireX環境ならIntelプラットフォームで”というスタンスのようだ。エンドユーザーからの要望が多ければ,AMD製チップセットの採用もあり得るとした同氏だが,R.O.Gシリーズを展開するには,AMDの現行CPUラインナップが脆弱すぎるという思いが強いのかもしれない。

 いずれにせよ,R.O.Gシリーズ拡大の背景には,拡大するPCゲーム市場,ひいてはPCゲーム用ハードウェア市場がある。ASUSはR.O.Gシリーズを,ゲーム用プラットフォームの最高峰として君臨させ続けるべく,さらなる開発リソースを注いでいくつもりのようだ。
  • 関連タイトル:

    Republic of Gamers

  • 関連タイトル:

    Intel 4

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