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「AMD FX」対応のASUS製ゲーマー向けマザーボード「Crosshair V Formula」を概観してみる
Crosshair V Formulaは,AMD製チップセット「AMD 990FX」(+「SB950」)を採用するマザーボードだ。CPUソケットはSocket AM3+で,日本時間10月12日に発表されたCPU「AMD FX」(以下,FX)に対応するのが特徴だ。別途掲載しているFXの基礎検証レポートでも,Crosshair V Formulaを用いている。
では実際のところ,Crosshair V Formulaというのはどんなマザーボードなのだろうか。FXプロセッサを差したときの挙動周りは別記事に任せ,本稿では,Crosshair V Formulaがどんなマザーボードなのかを,写真中心でチェックしてみたい。
PCI Express x16スロットを4本備え
3-wayのマルチGPU構成に対応
拡張スロットは,PCI Express(以下,PCIe) x16×4,PCIe x1×1,PCI×1という構成。4本のPCI Express x16スロットのうち,CPUに近いほうから3本はAMD 990X側のPCI Express 2.0コントローラとつながっており,16+16+0レーンで2-way,もしくは16+8+8レーンで3-wayのCrossFireXおよびSLI動作に対応する。CPUから最も遠い1本は4レーン接続だ。
主電源部は8+2フェーズ仕様の
「Extreme Engine Digi+」
ヒートシンクの取り外しはメーカー保証外の行為となるので注意してほしいが,今回は特別に外し,その下にあるものを確認してみよう。
Crosshair V Formulaのパッシブヒートシンクは,主電源部とAMD 990Xノースブリッジを覆うものと,SB950サウスブリッジを覆うものの2ピース構成。電源部には,基板の背面側にもヒートスプレッダが用意されている。
ヒートシンクは2ピース構成。電源部&ノースブリッジ用にはヒートパイプも設けられている |
マザーボード背面を見ると,電源部に小さなヒートスプレッダが用意されているのも分かる |
主電源部は8+2フェーズ仕様で,ASUSが「Extreme Engine Digi+」と呼ぶ構成だ。ASUSはIntel 6シリーズチップセット搭載マザーボードの上位モデルで「DIGI+ VRM」ベースのデジタルPWM構成を採用しているが,Extreme Engine Digi+はその強化版。主にオーバークロック耐性の向上を目的として,抵抗が少なく安定した電力特性を持つという「ML Cap」(Multi-Layer type polymer Capacitor)や,一般的なMOSFETよりも放熱速度や導電率の高い「FET+」,40Aの電流量に対応し,かつ効率も高いとされるチョークコイルの採用が特徴となっている。
また,基板上の電源入力コネクタが多いのも,Crosshair V Formulaのトピックだ。CPU用には,通常のATX+12Vの8ピンとは別に,ATX+12Vの4ピン端子を搭載。また,グラフィックスカード用には追加のペリフェラル用4ピン端子も用意されており,ASUSはこれらをまとめて「Double Power Supply」機能と呼んでいる。CPUやグラフィックスカードへの電力供給を強化する機能というわけだ。FXプロセッサの消費電力は大きいので,長時間のゲームプレイを考えると,相応に意義がある配慮といえるかもしれない。
[GO]ボタンは,POST表示前に押すと「MemOK!」が起動し,Windows起動時に押すとメモリモジュールにオーバークロック用プロファイルを適用するというもの。MemOK!というのは,メモリモジュールとマザーボードとの相性問題でPCが起動しない場合に,メモリモジュール側のSPD情報を無視して最適なメモリ設定を試みて起動する機能だ。
サウンド機能はCreativeのソフトウェアベース
1000BASE-T LANコントローラはIntel製
最近のR.O.G.マザーボードだと,オーバークロック設定をスマートフォンから行える「ROG iDirect」や,ディスプレイにBIOS設定などをオーバーレイ表示できる「OC Key」など,「アプリケーション実行中,どうやってCPU負荷をかけることなくオーバークロック設定を追い込むか」の方法が次々と提案されているが,Crosshair V Formulaの場合は,USB経由で別のPCと接続して,そちらからオーバークロック設定を行える「ROG Connect」のみの対応となっている。
ROG Connectも,他社製品と比べれば十分過ぎるほどユニークな機能なのだが,R.O.G.の2011年モデルとしてはおとなしめといえるかもしれない。
サウンド機能は「SupremeFX X-Fi 2」。「X-Fi」というキーワードから想像できるように,これはCreative Technology(以下,Creative)の技術を用いたものだ。搭載するHD Audio CODEC自体はRealtek Semiconductor製の「ALC889」だが,CreativeとTHXの協業によるソフトウェア技術「THX TruStudio PRO」を利用することで,バーチャルサラウンドヘッドフォン機能などを利用できるようになっている。
Intel製の1000BASE-T対応LANコントローラ「82583V」を搭載する |
I/OコントローラはITE Tech製「IT8721F」だ |
2万4000〜2万6000円程度(※2011年12月13日現在)という実勢価格は,AMD 990FXマザーボードとしては高価ながら,R.O.G.マザーボードとしてはむしろ安価なほうなので,IntelプラットフォームのR.O.G.マザーボードは高すぎて手が出ないという人には,面白い存在といえるかもしれない。
Crosshair V Formula製品紹介ページ
- 関連タイトル:
Republic of Gamers
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AMD 9
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