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「AMD FX」対応のASUS製ゲーマー向けマザーボード「Crosshair V Formula」を概観してみる
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印刷2011/12/13 00:00

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「AMD FX」対応のASUS製ゲーマー向けマザーボード「Crosshair V Formula」を概観してみる

画像集#006のサムネイル/「AMD FX」対応のASUS製ゲーマー向けマザーボード「Crosshair V Formula」を概観してみる
 ASUSTeK Computer(以下,ASUS)が展開するゲーマーおよびオーバークロッカー向けブランド「R.O.G.」(Republic of Gamers)。そのAMD向けマザーボードに,「Crosshair V Formula」という製品がある。
 Crosshair V Formulaは,AMD製チップセット「AMD 990FX」(+「SB950」)を採用するマザーボードだ。CPUソケットはSocket AM3+で,日本時間10月12日に発表されたCPU「AMD FX」(以下,FX)に対応するのが特徴だ。別途掲載しているFXの基礎検証レポートでも,Crosshair V Formulaを用いている。

 では実際のところ,Crosshair V Formulaというのはどんなマザーボードなのだろうか。FXプロセッサを差したときの挙動周りは別記事に任せ,本稿では,Crosshair V Formulaがどんなマザーボードなのかを,写真中心でチェックしてみたい。


PCI Express x16スロットを4本備え

3-wayのマルチGPU構成に対応


Crosshair V Formula
メーカー:ASUSTeK Computer
問い合わせ先:ユニティ(販売代理店) news@unitycorp.co.jp
実勢価格:2万4000円〜2万6000円程度(2011年12月13日現在)
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 Crosshair V Formulaは,R.O.G.ブランドのイメージカラーである「黒+赤」を基調とした,統一感のあるデザインを採用。実測のサイズは長辺が305mm,短辺が244mmとなっており,ATXフォームファクタに準拠している。

 拡張スロットは,PCI Express(以下,PCIe) x16×4,PCIe x1×1,PCI×1という構成。4本のPCI Express x16スロットのうち,CPUに近いほうから3本はAMD 990X側のPCI Express 2.0コントローラとつながっており,16+16+0レーンで2-way,もしくは16+8+8レーンで3-wayのCrossFireXおよびSLI動作に対応する。CPUから最も遠い1本は4レーン接続だ。

拡張スロットは合計6本を備えている。CPUから一番遠いPCI Express x16スロットの隣には,プッシュ式ボタンが3個用意されており,ATX電源,リセット,「CPU Level Up」に対応する。[CPU Level Up]ボタンを押すと,ボタンの色が赤く変わり,次回起動時に,CPU情報などから最適的なプリセットを読み出して自動的にオーバークロック設定を行い,起動するようになる。「これからゲームをプレイするから,ちょっとオーバークロック状態で使いたい」などという場合に,押してからPCを再起動するといった使い方が想定される機能だ
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主電源部は8+2フェーズ仕様の

「Extreme Engine Digi+」


 ヒートシンクの取り外しはメーカー保証外の行為となるので注意してほしいが,今回は特別に外し,その下にあるものを確認してみよう。
 Crosshair V Formulaのパッシブヒートシンクは,主電源部とAMD 990Xノースブリッジを覆うものと,SB950サウスブリッジを覆うものの2ピース構成。電源部には,基板の背面側にもヒートスプレッダが用意されている。

画像集#007のサムネイル/「AMD FX」対応のASUS製ゲーマー向けマザーボード「Crosshair V Formula」を概観してみる
ヒートシンクは2ピース構成。電源部&ノースブリッジ用にはヒートパイプも設けられている
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マザーボード背面を見ると,電源部に小さなヒートスプレッダが用意されているのも分かる
今回入手したCrosshair V Formula製品版が搭載するAMD 990FXノースブリッジ(左)とSB950サウスブリッジ(右)。刻印を見る限り,前者は2011年第21週,後者は同19週製造のようだ
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 主電源部は8+2フェーズ仕様で,ASUSが「Extreme Engine Digi+」と呼ぶ構成だ。ASUSはIntel 6シリーズチップセット搭載マザーボードの上位モデルで「DIGI+ VRM」ベースのデジタルPWM構成を採用しているが,Extreme Engine Digi+はその強化版。主にオーバークロック耐性の向上を目的として,抵抗が少なく安定した電力特性を持つという「ML Cap」(Multi-Layer type polymer Capacitor)や,一般的なMOSFETよりも放熱速度や導電率の高い「FET+」,40Aの電流量に対応し,かつ効率も高いとされるチョークコイルの採用が特徴となっている。

Crosshair V Formulaの主電源部(左)。8+2フェーズのExtreme Engine Digi+構成になっている。CPUやチップセット,GPUの動作電圧を負荷に応じて制御し省電力化を図るというプロセッサ「EPU」がDIGI+ VRMへの対応を果たし,EPU上の刻印が「DIGI+ VRM EPU」となっているのも見どころ(右)
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 また,基板上の電源入力コネクタが多いのも,Crosshair V Formulaのトピックだ。CPU用には,通常のATX+12Vの8ピンとは別に,ATX+12Vの4ピン端子を搭載。また,グラフィックスカード用には追加のペリフェラル用4ピン端子も用意されており,ASUSはこれらをまとめて「Double Power Supply」機能と呼んでいる。CPUやグラフィックスカードへの電力供給を強化する機能というわけだ。FXプロセッサの消費電力は大きいので,長時間のゲームプレイを考えると,相応に意義がある配慮といえるかもしれない。

CPU用にATX+12Vの4ピン端子,グラフィックスカード用にはペリフェラル用の4ピン端子をそれぞれ補助電源用として搭載。マザーボードの電力供給系を強化し,PCの安定動作に寄与するという
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DIMMスロットは計4基。オーバークロック設定により,DDR3-2133動作までサポートできるという。容量8GBモジュールの4枚差しにも対応。スロットの周囲にはメインメモリ用と思われる2フェーズの電源回路があるのも見て取れる
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 DIMMスロット周りには,CPUやDIMMスロットなどの動作電圧をテスターで測定するための端子「ProbeIt」や,[GO]ボタンを備えているのも確認できた。
 [GO]ボタンは,POST表示前に押すと「MemOK!」が起動し,Windows起動時に押すとメモリモジュールにオーバークロック用プロファイルを適用するというもの。MemOK!というのは,メモリモジュールとマザーボードとの相性問題でPCが起動しない場合に,メモリモジュール側のSPD情報を無視して最適なメモリ設定を試みて起動する機能だ。

DIMMスロットの近くには,各所の動作電圧をテスターで測定できるProbeIt端子(左)と[GO]ボタン(右)が用意されている
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サウンド機能はCreativeのソフトウェアベース

1000BASE-T LANコントローラはIntel製


I/Oインタフェース部。端子が白いUSBコネクタがROG Connect用のポートだ
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 最後にCrosshair V Formulaのオンボード機能群を見ておきたい。
 最近のR.O.G.マザーボードだと,オーバークロック設定をスマートフォンから行える「ROG iDirect」や,ディスプレイにBIOS設定などをオーバーレイ表示できる「OC Key」など,「アプリケーション実行中,どうやってCPU負荷をかけることなくオーバークロック設定を追い込むか」の方法が次々と提案されているが,Crosshair V Formulaの場合は,USB経由で別のPCと接続して,そちらからオーバークロック設定を行える「ROG Connect」のみの対応となっている。
 ROG Connectも,他社製品と比べれば十分過ぎるほどユニークな機能なのだが,R.O.G.の2011年モデルとしてはおとなしめといえるかもしれない。

 サウンド機能は「SupremeFX X-Fi 2」。「X-Fi」というキーワードから想像できるように,これはCreative Technology(以下,Creative)の技術を用いたものだ。搭載するHD Audio CODEC自体はRealtek Semiconductor製の「ALC889」だが,CreativeとTHXの協業によるソフトウェア技術「THX TruStudio PRO」を利用することで,バーチャルサラウンドヘッドフォン機能などを利用できるようになっている。

Crosshair V FormulaのHD Audio CODECには,「SupremeFX X-Fi 2」と記された大きなラベルが貼り付けられている。THX TruStudio PRO自体はあくまでソフトウェア技術であり,「X-Fi Xtreme Fidelity」サウンドチップが搭載されているわけではない
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ASMedia Technology製のSerial ATAコントローラ「ASM1061」。これにより,SB950がサポートするSerial ATA 6Gbpsポート×6のほかに,6Gbps対応のeSATAとSerial ATAそれぞれ1ポートが利用可能になっている
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USB 3.0×2をサポートしたASMedia Technology製USB 3.0コントローラ「ASM1042」(左)。本コントローラを合計3基搭載することにより,I/Oインタフェース部で4ポート,マザーボード上のピンヘッダ(右)で2ポートのUSB 3.0をサポートする
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Intel製の1000BASE-T対応LANコントローラ「82583V」を搭載する
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I/OコントローラはITE Tech製「IT8721F」だ

Crosshair V Formulaの製品ボックス
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 というわけで,Crosshair V Formulaの仕様をいろいろと見てきたが,機能面こそ「Rampage IV Extreme」を始めとするIntelプラットフォーム向けR.O.G.マザーボードと比べると,“飛び道具”の数は少ない印象だが,それでもR.O.G.らしさは十分にあるとまとめていいだろう。
 2万4000〜2万6000円程度(※2011年12月13日現在)という実勢価格は,AMD 990FXマザーボードとしては高価ながら,R.O.G.マザーボードとしてはむしろ安価なほうなので,IntelプラットフォームのR.O.G.マザーボードは高すぎて手が出ないという人には,面白い存在といえるかもしれない。

Crosshair V Formula製品紹介ページ

  • 関連タイトル:

    Republic of Gamers

  • 関連タイトル:

    AMD 9

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