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Snapdragon 8 Elite搭載でゲーマー向けAI機能を強化した「ROG Phone 9」シリーズが登場
スタンダードモデルの「ROG Phone 9」と,上位モデルの「ROG Phone 9 Pro」,外付けクーラー「AeroActive Cooler X Pro」が付属した「ROG Phone 9 Pro Edition」の3モデルをラインアップしており,世界市場における価格は以下のとおり。
- ROG Phone 9:メインメモリ容量12GB,内蔵ストレージ容量256GB,999ドル(以下,税別)
- ROG Phone 9 Pro:メインメモリ容量16GB,内蔵ストレージ容量512GB,1199.99ドル
- ROG Phone 9 Pro Edition:メインメモリ容量24GB,内蔵ストレージ容量1TB,専用外付けクーラー同梱,1499.99ドル
なお,ASUSが公開した資料によると,日本と台湾向けモデルは,eSIMに対応すると明記されているので,日本向けモデルの販売は決定しているようだ。ただし,本稿執筆時点で具体的な価格や発売日は明らかになっていない。
2024年1月に登場した前世代製品の「ROG Phone 8」は,従来のROG Phoneシリーズとは異なり,ゲーマーだけでなく,配信者やクリエイターなど高性能なスマートフォンを求める幅広いユーザー層に向けた製品だった。ASUSによると,2023年登場の「ROG Phone 7」と比べて,販売台数が伸びたという。
ROG Phone 9も,基本的なコンセプトはROG Phone 8を踏襲しており,さらなる性能強化と機能追加を行っている。
ROG Phone 9の公称本体サイズは,76.8(W)×163.8(D)×8.9(H)mmで,ROG Phone 8と変わらない。公称本体重量は,ROG Phone 8の約225gから約227gと,わずかに重くなっている。
ディスプレイパネルは,約6.78インチサイズで,解像度が1080×2400ドット,アスペクト比9:20の有機ELパネルを採用する。パネル全体のピーク輝度が従来の1500cd/m2から1600cd/m2と,少し明るくなった。
従来製品と違うのは最大リフレッシュレートで,これまでの165Hzから185Hzへと引き上げられている。なお,リフレッシュレート185Hz表示は,ゲームプレイ中に呼び出せる設定機能の「Game Genie」から有効化できるそうだ。
ASUSは,ROG Phone 9 Proの背面に搭載するLEDイルミネーション機能「Anime Vision」も強化した。Anime Visionは,背面に備えた小型LEDによってドットパターンでマークや模様を描くというものである。ROG Phone 9 Proでは,表示可能なドットの数をROG Phone 8の341から648に増やしており,より高精細で大きな画像を表示できるようになった。
さらにユニークな機能として,Anime Visionを使って,ブロック崩しなど4つのゲームをプレイできる「Anime Play」を搭載したのもポイントだ。Anime Playのゲーム操作は,側面に備えた超音波式タッチセンサー「AirTriggers」で行うそうだ。
また,ROG Phone 9シリーズでは,スタンダードモデルにも小規模なAnime Visionを搭載している。表示できるドット数は85と,Proモデルに比べてかなり少ないが,20種類以上の画像をプリインストールしており,通知や端末の利用状況に応じて,表示内容を変更できるそうだ。
搭載SoCのSnapdragon 8 Eliteは,Qualcommが2024年10月に発表したばかりの最新SoCだ。独自開発の新型CPUコア「Oryon」の第2世代を採用することで,「Snapdragon 8 Gen 3」と比べて,性能は向上しつつ,消費電力を押さえられるという。Qualcommによると,CPUで1.45倍,GPUとNPU(Neural network Processing Unit)で約1.4倍もの大幅な性能向上を実現したとのこと。
ROG Phoneシリーズ独自のゲーム用動作モード「X mode」も新しくなっており,「原神」や「崩壊:スターレイル」「ゼンレスゾーンゼロ」「鳴潮」といった対応する個別のゲームタイトルごとに合わせた最適化を行えるとのこと。これらのゲームでX modeを使用すると,電力効率が最大1.3倍に向上するというのがASUSの主張だ。ただ,これはROG Phone 8との比較なので,新型SoCを採用した効果もありそうだ。
ROG Phone 9の冷却機構は,ROG Phone 8をベースとしつつ,グラファイトシートの体積を1.57倍に増やしており,端末の温度を従来製品と比べて低く抑えられるという。
外付けクーラーのAeroActive Cooler X Proは,ROG Phone 8と合わせて登場したAeroActive Cooler Xの上位モデルという位置付けだ。ただ,冷却機能はAeroActive Cooler Xとそれほど大きく変わらない。注目したいのは,ROG Phone 7の専用外付けクーラー「AeroActive Cooler 7」に内蔵していたサブウーファー機能が,AeroActive Cooler X Proで復活した点だ。
ASUSが実施したアンケートでは,ユーザーが次世代ROG Phoneに求める改善点として,サウンド機能を上げる声が多かったそうで,AeroActive Cooler X Proのサブウーファー復活を決めたとのこと。ROG Phone 9単体と比較して,AeroActive Cooler X Proと組み合わせた場合に低音域の出力を約1.24倍強化できる。
このほかにも,サウンド機能では,PIP(Picture in Picture)で同時に表示した複数のアプリや電話の着信音,アラーム音の音量を個別に調整できるのも面白い特徴だ。ASUSの調査によると,ゲームをしながら,動画配信アプリをPIPで表示するゲーマーは同社が想定した以上にいるとのこと。ゲームと動画を同時に見ていると,ゲームの音量だけ抑えたい場合もある。そういったときに有効な機能と言えそうだ。
ROG Phone 9は,Snapdragon 8 Eliteの性能を生かして,AI機能を強化した。もともとROG Phoneシリーズは,AIを活用したゲーマー支援機能「X Sense」を備えている。たとえば,日本国内では,原神でドロップしたアイテムの自動収集や会話シーンの自動文字送り,凍結やバブルに閉じ込められたときの自動脱出といった機能を利用できた。
ROG Phone 9に搭載した「X Sense 3.0」は,「アリーナ・オブ・ヴァラー」や「モバイル・レジェンド」「リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト」といったMOBA系タイトルで,スキルの自動アップグレード機能に対応したとのこと。
ゲーム内で起こった重要なイベントを自動的に録画する録画機能「X Capture」では,原神の「祈願」,崩壊:スターレイルの「跳躍」といった場面の録画を自動で行うそうだ。
また,ボイスチャット時に背景のノイズを除去する「AI noise cancelling」機能も備える。
ゲーマー向け以外のAI機能としては,2024年に登場した他社のハイエンド市場向けAndroidスマートフォンと同じく,通話やテキストの翻訳機能や,画面内に表示された画像やテキストを囲んで範囲指定して,関連した内容を検索する「かこって検索」も利用できる。
ROG Phone 9シリーズのアウトカメラは3眼式で,Proモデルが標準と広角,望遠という構成なのに対して,スタンダードモデルが標準と広角,マクロとなっている。これまでのROG Phoneシリーズは,スタンダードモデルとProモデルで,アウトカメラのスペックは共通していたが,今回は明確に差を付けてきたのが興味深い。カメラのスペックは控えめでもいいから,より安価なモデルがほしいという人向けの施策かもしれない。
カメラ機能で注目したいのは,標準カメラに内蔵した6軸ジンバルモジュールが最新世代に切り替わった点だ。これにより,補正できる角度が向上しており,より強力な手ブレ補正を利用できる。また,標準カメラでポートレート動画を撮影できるようになったのも目に付く違いと言えよう。
メーカー | ASUSTeK Computer |
---|---|
OS | Android 15 |
ディスプレイパネル | 6.78インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 8 Elite」 ・CPUコア:Oryon(最大4.3GHz) ・GPUコア:Adreno 830 |
メインメモリ容量 | 16GB,24GB |
ストレージ | 512GB,1TB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約5000万画素,F1.9 ・広角:約1300万画素,F2.2 ・望遠:約3200万画素,F2.4 |
インカメラ | 約3200万画素,F2.05 |
対応5Gバンド | n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n18/n20/n25/n26 |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28/32 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) |
Bluetooth対応 | 5.4 |
バッテリー容量 | 5800mAh |
連続待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB Type-C×2 |
公称本体サイズ | 76.8(W) |
公称本体重量 | 約227g |
本体カラー | Phantom Black |
メーカー | ASUSTeK Computer |
---|---|
OS | Android 15 |
ディスプレイパネル | 6.78インチ有機EL, |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon 8 Elite」 ・CPUコア:Oryon(最大4.3GHz) ・GPUコア:Adreno 830 |
メインメモリ容量 | 12GB |
ストレージ | 256GB |
アウトカメラ | 3眼式 ・標準:約5000万画素,F1.9 ・広角:約1300万画素,F2.2 ・マクロ:約500万画素,F値未公開 |
インカメラ | 約3200万画素,F2.05 |
対応5Gバンド | n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n18/n20/n25/n26 |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/25/26/28/32 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) |
Bluetooth対応 | 5.4 |
バッテリー容量 | 5800mAh |
連続待受時間 | 未公開 |
連続通話時間 | 未公開 |
USBポート | USB Type-C×2 |
公称本体サイズ | 76.8(W) |
公称本体重量 | 約227g |
本体カラー | Phantom Black,Storm White |
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