海外ゲーム四天王 / 第53回：「Alien Swarm」

　はるかな未来，名も知れぬ惑星上で繰り広げられるエイリアンとの壮絶な死闘。プレイヤーは戦闘のプロとして，頼りになる仲間達と共に，醜悪なエイリアンと果てしない戦いを繰り広げねばならない……というのが，2010年7月19日に「Steam」で無料配信が開始されたアクションシューティング「Alien Swarm」だ。
　本作のベースとなったのは，2004年に「Unreal Tournament 2004」のMODとして公開された同名タイトルのゲームで，発表と同時に，そのクオリティの高さから注目を浴びた。それがこのほど，Sourceエンジンを使用して，さらにブラッシュアップされて登場したわけだ。エンジンが変わったのだから当然かもしれないが，起動にUnreal Tournament 2004は必要ない。

　プレイヤーは4人からなるエイリアン掃討チームの一員となって，とある惑星の宇宙基地や坑道などで，無数に襲い来るエイリアンと戦い，ミッションクリアを目指す。オンラインでのCo-op（協力プレイ）をメインとするゲームシステムになっているが，チュートリアルを兼ねた，オフライン用シナリオも1種類，用意されている。
　チームメンバーは4人で，戦闘能力に秀でた「Officer」，ロックされたドアを開錠できたるする「Tech」，仲間を回復する「Medic」，そして自動照準機能の付いたオートガンを扱える「Special Weapons」の4種類のクラスから構成される。
　ゲーム画面は，フィールドを真上から見た見下ろし視点になっており，移動はW/A/S/D，攻撃はマウスボタン左クリックという具合に，シンプルで覚えやすい操作体系だ。
　オフラインシナリオでは，自分が担当するクラスを最初に選択できるほか，ゲームプレイ中でもほかのクラスへ一瞬で切り替えられるので，それぞれがどういう特技を持っているのかを知るのにも役立つ。まずはひと通り試してみるといいだろう。
　Co-opにはCampaignモードのほか，7種類のマップから好きなものを選択してプレイするStarting Missionの2種類のゲームモードがある。

　シンプルな操作と相まって，プレイ感覚はとてもパワフル＆スピーディだ。プレイヤーがやるべきことは，周囲のあらゆるところから襲ってくる，昆虫のような姿をしたエイリアンを撃ちまくって倒しながら，ほぼ一本道のマップを突き進んでいくだけ。だが，ルートの途中にはTechの開錠能力が必要なロックされたドアがあったり，特定のクラスでしか扱えない武器が必要となるといったヒネリが加えられており，プレイヤー同士の協力が必須だ。
　装備できる武器や，持っていけるアイテムは，ゲームスタート前のブリーフィング画面で選択できる。クラスによって使える武器に制限があるが，メインの武器をマシンガンからショットガンに変えたり，セカンダリ武器を持たない代わりに予備弾薬を持っていったりなど，自分のプレイスタイルやほかのチームメンバーの装備を考えて，より適切な装備を考えよう。

　メンバー全員のクラスと装備を決めたら，いよいよゲームスタートだ。
　あとはひたすら撃ちまくりながら進んでいくだけだが，最もやさしいEasyモードでも，襲い来るエイリアンの猛攻をしのぎきれずに死人続出，ゲームオーバーといった事態が頻繁に起こる。また，仲間を誤射すると，少ないながらもダメージを与えてしまうため，狭い通路での戦闘がほとんどとなる戦闘には，そこそこシビアな照準も必要となるなど，ゲーム難度は見た目とは裏腹に高めといえる。
　無事にミッションをクリアすれば経験値がもらえ，それを使ってレベルアップすれば，新たな武器やアイテムがアンロックされていくという仕掛けだ。

　無料ということもあってプレイヤー数は多く，いつでも誰かが遊んでいるといった状態。したがって，人が少なくて困るといったことはなさそうだ。リリースされてからまだ数日というのに，すでにレベル20をはるかに超えているようなプレイヤーも多く，本作の人気とリプレイアビリティの高さが感じられる。

　Sourceエンジンによる美しいグラフィックス，協力プレイで撃ちまくるパワフルなゲームプレイ，次々とアンロックされていく新アイテムなど，魅力たっぷりのゲームだ。
　パッケージで販売されてもおかしくないほどのクオリティなのに，それが無料というのは驚きだ。クライアントのファイルサイズは2GB程度あり，ダウンロードにはそれなりの時間が必要となるが，暑い夏を，さらに熱くしてくれるエキサイティングな時間をたっぷりと楽しめる，個人的にイチオシのゲームだ。