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ゲームなのか新しい“楽器”なのか? 宮本 茂氏による「WiiMusic」デモンストレーション
第2部では,任天堂の専務取締役である宮本 茂氏による「WiiMusic」のデモンストレーションが行われた。2006年の「Wii Preview」では「Wii Sports」,2007年の「任天堂カンファレンス 2007.秋」では「Wii Fit」と,カンファレンスでは任天堂がプッシュするタイトルを宮本氏がデモプレイするのが恒例となりつつあるが,2008年のタイトルはWiiMusicとなった。過去のカンファレンスで宮本氏がデモをしたタイトルはいずれもヒット作になっているだけに,今回も注目といえる。
WiiMusicは,Wiiリモコンとヌンチャクを楽器に見立てて操作するというゲームだ。“音ゲー”というジャンルが確立されてしばらく経つが,基本的にそれらは「リズムに合わせてボタンを押す」ゲームだといっていいだろう。しかしWiiMusicは,それら“音ゲー”とはまったく立ち位置が異なるゲームだと思う。
WiiMusicを一言で表現するなら,エアギターのような“演奏ごっこ”だ。曲のリズムに合わせて,Wiiリモコンやヌンチャクを動かしたりボタンを押したりするだけでいい。タイミングがずれたからといって音楽が止まったりゲームオーバーになったりすることもない。
説明するのが非常に難しいのだが,だからといってデモを見た限り底が浅いわけでもなさそうである。たとえば,Wiiリモコンとヌンチャクの振り方や押すボタンによって,自分が演奏している楽器の音が変わる。ライブ演奏におけるアドリブを自由に入れられるような感じだ。音ゲーの場合,ゲームの“楽譜”に沿ってプレイ(演奏)する感じだが,WiiMusicの場合,好き勝手に操作して好きな音を出せるわけだ。
好き勝手な音を出すと曲が崩壊しそうな気もするが,どんな演奏をしてもそれなりに曲として成り立っているように聞こえてくるのが不思議なところである。公式サイトでムービーを見られるので,実際にどんな感じになるのか,興味を持った人はチェックしてほしい。
ちなみに,今回のデモで宮本氏と一緒にプレイしたのは,本作のディレクターを務めている戸高一生氏。戸高氏は,どうぶつの森シリーズでサウンドディレクションを担当しており,ゲーム内に登場するNPC「とたけけ」のモデルでもあるので,氏の音楽を聞いたことがある人もかなり多いだろう。
さて,本作は最大4人まで同時にプレイできるのだが,宮本氏は,みんなでわいわい演奏するのはもちろん,一人でプレイしても楽しいことをアピールしていた。セッションは6パートあるのだが,そのパートそれぞれを個別に収録して,オリジナルのミュージッククリップを作り込むことも可能だ。作成したクリップを友達に送ったり,そのクリップに演奏を付け加えることもできる。なお,WiiMusicには60種類以上の楽器が用意されており,クラシックやポピュラーな曲を中心に,全50曲を演奏できる。
デモの最後ではWiiMusicを幼稚園児や指揮者の佐渡 裕さんがプレイしているムービーを流したのだが,どちらもプレイしているときに終始笑顔だったのが非常に印象的だった。
宮本氏は,WiiMusicを表して「ゲームなのか楽器なのか分からない」と評していたが,デモを見ていた筆者も同感だった。ゲームとしてみると,スコアを競うようなものでもないし,なにをすればクリアという明確な目的があるわけでもない。ただ,面白そうかそうでないかという部分では,面白そうだと感じたのは紛れもない事実だ。そういう意味では,ゲームという枠を飛び越えているタイトルなのかもしれない。興味を持った人は発売後,実際にプレイして評価してみてほしい。筆者もプレイしてみるつもりである。
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