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[TGS 2009]「日本ゲーム大賞2009」の栄冠を手にしたのは「マリオカートWii」と「METAL GEAR SOLID 4」の2タイトル
昨年より新設された「経済産業大臣賞」は,近年に制作/発表された作品を通じて,家庭用ゲーム産業の発展に寄与したと評価される人物や団体に贈られるもの。対象がゲームタイトルではないのが特徴といえるが,今年は“モンスターハンター 開発チーム”が受賞。ビギナーとベテランが協力プレイでコミュニケーションを交わすことにより,双方にとってメリットが生まれる。同シリーズのプロデューサーを務める辻本良三氏は,そのあたりが受賞へと結びついたのでは,と語っていた。
和田洋一氏。「現行機が登場して4年,作り手・遊び手が共にハードの特性を理解してきている」と評価 |
モンスターハンター 開発チーム |
「年間作品部門」は,ゲームタイトルに贈られるもので,“グローバル賞”“ベストセールス賞”“特別賞”“優秀賞”の四つがある。
“グローバル賞”は,海外において高い評価を受けたタイトルが対象で,国産タイトルと海外タイトルの2種類。国産タイトルは「Wii Fit」で,世界的に健康への関心度を高めたことが受賞へと結びついた。海外タイトルの受賞作は「グランド・セフト・オートIV」。ゲームとしての方向性はまったくといっていいほど違うのに,同じ賞を受賞しているのがユニークである。
“ベストセールス賞”を受賞したのは,「ポケットモンスター プラチナ」。同作は日本国内で240万本,世界では566万本という凄まじい売上本数を記録している。
続いての“特別賞”を受賞したのは,「モンスターハンターポータブル 2nd G PSP the Best」と,「わがままファッション ガールズモード」の2本。MHP2Gのプロデューサーを務める辻本良三氏は,経済産業大臣賞に続いてのステージ受賞となった。わがままファッション ガールズモードに関しては,最初に「女の子が興味を引く要素は何だろう?」と考え,そこから“着せ替え”と“お店やさんごっこ”が浮かび,それをゲームに落とし込んだ結果,新しいプレイヤー層の開拓へと結びついたのだそうだ。
最も注目度の高い優秀賞には,11作品が選ばれる。ラインナップは以下のとおりだ。
・「ディシディア ファイナルファンタジー」(PSP)
・「デモンズソウル」(PS3)
・「バイオハザード5」(PS3/X360)
・「ペルソナ4」(PS2)
・「ポケットモンスター プラチナ」(DS)
・「マリオカート Wii」(Wii)
・「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」(PS3)
・「428〜封鎖された渋谷で〜」(Wii)
・「リズム天国 ゴールド」(DS)
・「龍が如く3」(PS3)
・「レイトン教授と最後の時間旅行」(DS)
そしてイベントの大詰めとして,この優秀賞11タイトルの中から,最高の栄誉となる「日本ゲーム大賞」(最優秀賞)が選出された。見事その栄冠に輝いたのは「マリオカートWii」「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」の2本だ。大賞を受賞し,ステージに登壇したコナミの小島秀夫監督は「ゲーム制作に携わってからこれまで22年にわたって,夢を追い続けてきた。これからは夢を追うだけでなく,“育てる”ことも大切だ」と,ベテランらしい意見を述べた。
そして「男性のクリエイターばかりがこのような表舞台で脚光を浴びている現状に対し,ゲームを一つのエンターテインメントとして見た場合,女性のクリエイターが台頭してくると,この業界はもっと広がっていくだろう」と,授賞式を締めくくった。
ちなみにTGS 2009の一般公開日にも,日本ゲーム大賞内の別部門の発表授与式が予定されている。9月26日には「アマチュア部門」,9月27日には「フューチャー部門」の発表授与式がそれぞれ行われる予定なので,興味を持った人はイベントステージへ足を運んでみてはどうだろうか。
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