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GPUとCPUを後から交換できるモンスターノートPC「ALIENWARE Area-51m」続報。ユーザーがパーツをアップグレードしても保証は切れない
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印刷2019/01/11 14:26

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GPUとCPUを後から交換できるモンスターノートPC「ALIENWARE Area-51m」続報。ユーザーがパーツをアップグレードしても保証は切れない

Area-51mの底面を見せて冷却機構を説明するChristopher Sutphen氏(Global Director of Marketing, Alienware, Dell)
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 CES 2019に合わせて発表となった,CPUだけでなくGPUすらも交換可能なゲーマー向けノートPC「ALIENWARE Area-51m」(以下,Area-51m)は,日本でも話題になっているようだ。

 4Gamerでは,そんなArea-51mについて,Dellでゲーマー向け製品を担当するグローバルマーケティングディレクターのChristopher Sutphen(クリストファー・サトペン)氏に話を聞くことができたので,続報をお伝えしてみたいと思う。

Area-51m
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 さて,まずは外観からだ。
 Area-51mは白基調の「Lunar Light」と黒基調の「Dark Side of the Moon」とからなる2色展開となるが,Lunar Lightのほうがメインカラーのようで,実機の展示もほぼLunar Lightモデルだった。17.3インチ液晶パネルを搭載し,本体サイズも約410(W)×402.6(D)×27.65〜42(H)mmという大型ノートPCではあるのだが,少なくともLunar Lightモデルは,そのソフトなデザインもあってか,「うわ巨大だ」という印象をあまり受けない。

Area-51mの本体カラーは,白系のLunar Lightと黒系のDark Side of the Moonの2種類があるのだが,メインカラーは白系のようだ
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 筐体正面向かって背面側では,従来モデルから引き続き,冷却機構が突き出たような筐体デザインになっているが,ここはLunar LightもDark Side of the Moonも黒色。正面向かって真後ろになる側面に,楕円状に縁取るカラーLEDが入るデザインが目を惹くところだ。
 Alienwareとしては今世代の“推しデザイン”がこの楕円のようで,後ほど紹介するが,ノートPC以外でもこの意匠を取り入れていた。

Area-51mの背面は,黒地をカラーLEDが面取り四角形(ラウンドレクタングル)状に縁取るデザインをしていて,なかなかに目立つ(左)。右はインタフェース周りを拡大したところで,発表時にお伝えしたとおり,ACアダプター接続用端子は2系統ある。その左隣にある横長のコネクタは,外付けグラフィックスボックス「ALIENWARE Graphics Amplifier」専用端子だ
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 17.3インチ液晶搭載モデルということでキーボードの設置スペースには余裕があるということか,キーボードはフルキー配列となっていた。さらに,[Esc]キー列の左にもう1列6個,[Num Lock]キーの奥に1行4個の追加キーを搭載するが,このあたりは17.3インチ液晶パネルを搭載する従来製品「ALIENWARE 17 R5」とほぼ同じだ。

Area-51mのキーボード。フルキーの左に5個のマクロキーとマクロプロファイル切り換え専用キー,[Num Lock]キーの奥に追加の4キーを搭載するレイアウトはALIENWARE 17 R5と共通だ。優秀なALIENWAREプレミアムキーボードは健在という理解でいいのではなかろうか
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 ところで,Area-51mの吸排気は,底面から空気を吸い込んで,背面と左右後端から放出するという,いまどきのゲーマー向けノートPCでは一般的な構造を採用している。それこそALIENWARE 17 R5だと,本体正面向かって右側面は吸気孔だったりしたのだが,Area-51mだとここも排気用だ。

左右側面には大きな開口部があり,背面側の開口部ともども,排気孔として機能する
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 ……とは言うものの,ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズGPUと,デスクトップPC向けの第9世代Core CPUを採用し,クロックアップやオーバークロック動作にも対応するだけに,Area-51mには冷却系はかなり大がかりだ。
 まず,底面吸気の効率を上げるべく,底面を持ち上げる「脚」はかなり大きく,かつ背も高くなっている。

吸気は底面から行う仕組みで,底面後部はハニカム状の見た目をした吸気孔が並んでいる。前後に貼ってある脚が大きいことにも注目してほしい
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 また,内蔵するアクティブクーラーは,端的に述べて大きい。GPU用とCPUの熱をヒートシンクで受けて,それをそれぞれ4本ずつのヒートパイプで合計4つある放熱フィンブロックへ送り,ファンで筐体外へ放出するように見える基本構造それ自体は,ゲーマー向けノートPCでよくあるものなのだが,たとえばファンの時点で羽の直径は90mm近くあったりと,1つ1つの構成部品が巨大なのだ。

Area-51mが搭載する冷却機構。とても大きい
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 「世界で初めて,真の意味でデスクトップ代替になる」とDellが主張するArea-51mは,CPUとGPUをエンドユーザーが交換可能であるのが大きな特徴だ。デスクトップPC向けCPUを採用するゲーマー向けノートPCは,他社製品にも存在するが,それをエンドユーザーが交換できるというものは,あまり聞き覚えがない。

Area-51mを構成するパーツ類を並べた展示。底面のカバーは,まるごと外せる構造となっている
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Area-51mのCPUとメモリモジュール周辺。CPUソケットは,デスクトップPCで見かけるものと同じだ
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 GPUとCPUの交換機能を採用した理由についてSutphen氏は,「アップグレード可能なデスクトップ代替ノートPCは,かねてよりユーザーからの要望も多かったのが第一」と述べていた。また,ALIENWAREはゲーマー向けPCのヒーローブランド(Hero brand,ジャンルを象徴するブランド)として革新的な製品を期待されているため,リスクを取ってでも期待に応える製品を実現したかったという。

 ところで,ユーザーがGPUやCPUを交換可能となると,交換によって製品保証が失われたり,交換作業に失敗したりといった点が気になる人もいるだろう。その点についてSutphen氏に確認したところ,氏は,「ユーザーが独自にパーツを交換しても製品保証は切れない」と明言していた。
 また,自分でCPUやGPUを交換するのには不安を感じるという人向けに,DellにArea-51mを送ってパーツを交換してもらうサービスや,万が一交換に失敗して問題が出た場合のサポートも提供するということだ。

 Area-51mが採用したDell独自のGPUモジュール「Dell Graphics Form Factor」(以下,DGFF)の仕様を公開して,「エンドユーザーが交換可能なノートPC用GPUモジュール」の業界標準となるように活動したりはしないのかというのも気になるところだが,Sutphen氏は「AlienwareやDellとして積極的に働きかけるつもりはないが,他社にもニーズがあるのなら情報提供を検討することはあり得る」と述べていたことを付記しておきたい。

こちらがDGFF。GPUの周囲にあるアルミホイルのようなものは,グラフィックスメモリチップ冷却用熱伝導シートのようだ。おそらくは,交換時の破損を防ぐシールド的な目的も持たせてあると思われる
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 ただしSutphen氏は,ノートPC用のGPUモジュール「MXM」(Mobile PCI Express Module)が,ユーザーによるノートPCのアップグレード手段としては普及しなかっことを挙げ,DGFFが広く普及する可能性は低いという見解も示していた。Alienwareとしてはあくまでも,Area-51mというデスクトップ代替ノートPC用をユーザーに長く使ってもらうためのオプションとして考えているということなのだろう。


Dell Gは17インチモデルにも白系の筐体色を用意する可能性あり


 今回Sutphen氏には,新しいDell Gシリーズ「Dell G5 15(5590)」「Dell G5 15 SE(5590)」「Dell G7 15(7590)」「Dell G7 17(7790)」ついても話を聞くことができた。なお,こちらも製品概要は別途お伝え済みなので,興味がある人はそちらを合わせてチェックしてもらえればと思う。

Dell Gシリーズの17.3インチモデルとなるDell G7 17(7790)
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Dell G7 17の背面
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 新しいDell Gシリーズは,15.6型と17.3型の2モデル展開。どちらも本体側面をスリット状の外枠で囲んだ,個性的な見た目をしている。Dell Gシリーズはエントリーモデルながら見た目や薄さに重点を置いたシリーズなので,今回も「らしい」デザインだと紹介できるだろう。

新しいDell Gシリーズは,側面をスリット状の構造で覆ってあり,これが個性的な印象を与えている
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 新しいDell G5 15(5590)には今回,白系のカラーリングを採用するバリエーションモデルとしてDell G5 15 SE(5590)も用意されているが,これは好評だそうで,Sutphen氏は「17.3インチモデルにも白い筐体を出そうかと考えている」と語っていた。

 そんなDell Gだが,デザイン以外では,従来モデルだとミドルクラス以下のGPUしか搭載できかったところ,今回はハイクラス以上のGPUも搭載できるようになっているところが注目点だ。GPUとCPUのスペックだけなら,ALIENWARE mシリーズの新作としてCES 2019で登場したモデルに匹敵するものもあったりする。

 しかしSutphen氏は,Dell Gの新製品がALIENWAREの市場を“喰う”とは考えていないそうだ。前述のとおりALIENWAREはヒーローブランドで,それであるがゆえに,高コストパフォーマンスを追求したALIENWARE mシリーズであったとしても,BTO標準構成価格は相当に高くなってしまう。そのため,価格に敏感なユーザーにとってALIENWAREは選択肢にならず,他社製品に流れてしまったが,Dell Gの登場によってその層に訴求できるようになったのが重要だと,氏は述べていた。

Dell G7 15のキーボード。今回からカラーLEDイルミネーションを採用しているが,カスタマイズは各キーごとには行えず,4つのゾーン単位になるという
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 また,ALIENWAREのノートPCではカスタマイズ要素やオーバークロックといった部分が特徴となるのに対し,Dell Gはそうではないという差別化要因もあるとのこと。そのうえで「Dell Gが高性能になり,魅力的になっていくことは,それだけALIENWAREのイノベーションを加速することにもなるので,ネガティブな話ではない」とSutphen氏は見ているとのことだった。

 「高性能かつ魅力的」という点では,Dell Gシリーズの15.6インチモデルが,解像度3840×2160ドットの有機ELパネルを採用する製品をラインナップしていることが挙げられる。これは現状,ALIENWARE mシリーズだと選択できないため,仕様上はすでに逆転現象も起こっているわけだが,この点は何が起こっているのか。
 Sutphen氏に確認したところ,氏からは「15.6インチモデルではALIENWAREでも有機ELパネルの採用を拡大していく」との回答が得られた。ディスプレイパネルのスペックでDell GがALIENWAREを逆転している状態は一時的なもので,いずれ解消されるのではないだろうか。

Dell G7 15の有機ELパネル搭載モデル
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55インチ4K,垂直リフレッシュレート120Hzのゲーマー向け有機ELディスプレイの開発を表明


 なおAlienwareは,北米時間2019年1月8日に行ったプレスカンファレンスで,55インチ,解像度3840×2160ドット,垂直最大リフレッシュレート120Hz対応となるゲーマー向け有機ELディスプレイの開発を表明している。

Dellが開発を表明した,55インチのゲーマー向け4K有機ELディスプレイ試作機
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4K有機ELディスプレイ試作機の背面。Area-51mの背面と似たような楕円状のカラーLEDがあしらわれているのがポイント
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 これはかなりのサプライズ発表だったようで,現地でも話題となっていた。ただ,現時点ではあくまでも「製品化に向けて取り組んでいることを明らかにした」程度で,発売時期や価格はまったく未定だそうだ。
 大画面テレビを置き換える用途にも使えそうだが,少なくとも安価にはならないだろう。

ALIENWARE日本語公式Webサイト

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    Alienware

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    Dell G

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