インタビュー
危険な新作「ラブプラス」について,早見沙織さん,丹下 桜さん,皆口裕子さんに聞いた
本作は「彼女のいる毎日」を体験できるコミュニケーションゲーム。RTC(リアルタイムクロック)システムにより,現実の時間や季節と連動したさまざまなイベントが楽しめるのが特徴となっている。
ヒロイン3人のCVには早見沙織さん,丹下 桜さん,皆口裕子さんを起用しており,ニンテンドーDSの中からプレイヤーのためだけに,フルボイスで語りかけてくれるのも大きな魅力だ。
また,コナミスタイル限定販売となる本作の特別版には,ヒロイン達のモノローグドラマや楽屋裏トーク,サウンドトラックを収録した「ラブプラス Dramatic Soundtrack」が同梱される。
その収録が7月15日(水)にKONAMIにて行われたのだが,そこで声優陣への囲み取材が実施されたほか,「ラブプラス」をちょっぴりプレイすることもできた。本稿ではその内容をお届けしよう。
モノローグドラマと楽屋裏トークは必聴!?
盛りだくさんの内容について聞いてきた
――まずは,皆さんが演じられたキャラクターの紹介をお願いいたします。
早見さん:
はい。高嶺愛花(たかね まなか)役の早見沙織と申します。愛花は典型的なお嬢様のようなキャラクターで,周りの人からは高嶺の花として見られています。
ちょっと陰があるんですけれど,主人公と出会うことによって少しずつ明るくてお茶目な性格が見えてくる女の子だと思います。
丹下さん:
小早川凛子(こばやかわ りんこ)役の丹下 桜です。凛子は一言で言うと“ツンデレ”という役です。
(自身の)ライブで初めて(この作品に参加することを)発表したとき,物凄い被り付きで反応してくれた人と,一度波のように引いてから「ゴォー!」と反応してくれた人とで,お客さんの反応が極端に分かれていましたね。皆さんけっこう楽しみにして下さっていたので,私もそれを励みに頑張りました。
仲良くなる前は結構ツンツンしていて,愛花ちゃんや寧々さんのように友好的ではないので,投げ出したくなるかもしれませんが,そこを乗り越えると楽しいことがいっぱい待ってると思うので,頑張ってクリアしてください。
皆口さん:
姉ヶ崎寧々(あねがさき ねね)役の皆口裕子です。寧々ちゃんは主人公の一つ年上でして,バイト先のファミレスで出会うことになると思います。
主人公よりも年上というのをかなり気にしていて,「自分が主人公を引っ張らなければいけないのか,それとも頼っていいのか」という感じの,ぽわ〜んとしたお姉さんです。
高嶺愛花 |
小早川凛子 |
姉ヶ崎寧々 |
――モノローグドラマ部分で是非聞いて欲しいオススメのシーンなどがあれば教えてください。
早見さん:
愛花の葛藤や悩みなど,あまりゲーム中では見えない部分が前面に出ています。
主人公に対するセリフとモノローグとでは,けっこう違うことを言っていたりして,そのギャップに自分で慌てたり,反省したり,切ない気持ちになったり。
そういう普段の「しっかりした愛花」ではない可愛らしい部分が見えているところに注目してほしいです。
丹下さん:
凛子については,台本を頂いたとき「このお話,めちゃくちゃ可愛いんですけど!」ってマネージャーさんにメール送っちゃったくらい,凄く可愛らしい一面が見られるストーリーになっています。
ゲーム本編に登場する某缶詰とか,いろいろなアイテムも所々に出てきますので,それも楽しんでください。
皆口さん:
寧々は相変わらず部屋で「しっかりしなきゃ……でもやっぱり!」みたいなことをいろいろ言っています。あと,シャワーを浴びたりなんかもしています。ここ大事ですよね(笑)。
――では,楽屋裏トークで印象に残ったところなどはありますか?
早見さん:
3人揃っての収録は初めてなんですけれど,やっぱり間近でみると「ああ……可愛い」と(笑)。私自身,ドキドキしながら楽しんでいました。
楽屋裏ということで,ゲーム中のキャラクターとは違った「普段の姿」が見られて,凄くお得な気分になりました。
丹下さん:
沙織ちゃんが言ったように3人一緒なのは初めてで,私はほかの共演者の方々とお芝居するのも10年ぶりです。凄く楽しみにしていたのですが,想像していた以上に楽しい収録でした。
ただ,寧々さんにもツッコまれるんですけど楽屋裏の凛子は体育会系なんですよね(笑)。一番ゲーム本編とキャラが違っていると思うので,番外編としてお楽しみください。
皆口さん:
いつもは一人でスタジオにこもって,恥ずかしいセリフをいっぱい架空の彼氏に言っていたのですが,今日は話すと答えてくれる人がいて心強かったです(笑)。
しかも3人のお話だったのであまり恥ずかしいこともなく,楽しかったですね。
――ゲーム本編では恋のライバルだと思うのですが,楽屋裏での3人はどんな立ち位置で登場するんでしょうか?
早見さん:
ライバルという感じは全然なかったですね。和気藹々とした感じで,愛花の場合は振り回されつつも凛子に対しては若干お姉さんっぽかったり。そういう部分が出ています。
丹下さん:
凛子は一番年下なんですけれども,けっこう言いたいことは言うし,台本も一番いじられました(笑)。
凛子のキャラがなかなか定まらなくて今日も不安だったんですけれども,無事OKが出まして。「ああ,むしろこれでいいんだ」と思いました(笑)。
皆口さん:
ゲームを録り終わった3人のキャラクターが話をしているという設定になっているんですよ。
「あそこはああだったね」とか,「あれはキツかったね」というような話をしています。
――こうして3人揃っての収録は初めてとのことですが,感想はいかがでしょうか?
早見さん:
お声だけ初めに聞かせて頂いたんですが,本当に可愛らしくて。「早く一緒のブースで録りたいなぁ」というワクワク感でいっぱいでした。
でも実際にお会いしたら緊張しちゃって(笑)。本当にオーラから素敵というか,今日はお二方と掛け合ったりお話ができて凄く嬉しいですし,良かったです。
丹下さん:
私も「嬉しい」の一言に尽きます。皆口さんとは以前,ほかの作品でもご一緒させて頂いたことがありますし。
こんなところで言うのもなんですが,2000年にとある本に「大好きな女性声優さんがいます。内緒です」と書いたんですけれど,それが実は皆口さんなんですよ。このゲームには告白が欠かせないんですけれども,私も告白します(笑)。
そして,沙織ちゃんは今回が初めましてなんですけれど,いるだけで癒されるような可愛いさで,ご一緒できて本当に幸せでした。
皆口さん:
沙織ちゃんは初めまして,桜ちゃんはお久しぶりです。
とにかく,ゲームの収録ではすれ違ってばかりだったので,「早く一緒になるといいな」と思っていました。年齢的にはかなり私が年上でお姉さんなんですけれども,いざ3人で合わせてみれば意外と沙織ちゃんが一番しっかりしていて,「あ,これからは何でも沙織ちゃんについて行こう」と思いました(笑)。楽しかったです。
早見さん:
まさに「ラブプラス」の世界観をそのまま曲にしたような感じですね。歌っているときに凄く切ない気持ちになりました。
聴いていると一緒に「ラブプラス」の物語を思い出して,しっとりと浸れるような曲になっていると思います。
丹下さん:
みんなそれぞれパートがあって,録っているときは自分のパートしか聴けてないんですよ。3人でハモるところとか,完成形を是非聴いてみたいですね。
きっとゲームの色々なシーンを重ねながら聴けるような内容になっていると思います。
皆口さん:
今日の収録では「せーの」で3人同時にコメントを言うことが何回かあったんですけれども,それが全部一発OKだったんですよ。
その3人の声が歌でハモったらどうなるのかなと,個人的に凄く楽しみです。
――登場人物は高校生ですが,演じながら自分の経験と重なった部分などはありましたか?
早見さん:
愛花は今どきの子よりも清純な感じで,「私の近くにいたらどんな子なんだろう」と想像しながらやっていました。その想像の中で「この子ならこう振る舞うかな?」と思っていたことが,後々の収録で合っていたことが分かった時は嬉しかったですね。
丹下さん:
凛子と私はあまり性格がかぶらないんですが,客観的に見て平成の高校生というよりも昭和な感じがします。きっと作っている方達の想いがそうさせたんじゃないかと思うんですが(笑)。
なので,役にはスッと入ることができました。
皆口さん:
私が人生で後悔していることの一つに,「高校のとき彼氏を作って手を繋いで歩きたかった」というのがあるんですよ(笑)。
よく制服でそういう風に歩いているのを見ると「あ,ちょっといいな」といまだに思うので,「ラブプラス」のなかで色々デートとかできてそれが良かったです。
――自分がもし主人公になったら,どの子と付き合いたいですか?
早見さん:
全員……!! 欲張りなんです(笑)。
本当に個性がまったく違っていて,その人その人に合わせて自分がどう振る舞うのか,という楽しみが一番強いと思うんですよね。一人には決められないです(笑)。
丹下さん:
楽屋裏トークにもそういうエピソードがありました。沙織ちゃんが言ったのは寧々さんパターンですね。
凛子の場合は,「そんな,角が立つので言えません」というセリフがあるんですが(笑)。私も寧々さんパターンですかね。
皆口さん:
私も自分のことは知ってるけど,二人がどんなデートをしているのか知らないから,絶対に二人とも狙いに行きます(笑)。
――では最後に,一言ずつメッセージをお願い致します。
早見さん:
3人とも魅力的で,本当に心が通じているような感覚をもたらしてくれると思います。私も気持ちを込めてお芝居させて頂いたので,恥ずかしい気持ちや,照れくさい気持ち,そういうものを感じながらラブラブを楽しんで頂ければと思います。
丹下さん:
キャラクターが可愛いですし,キュンと来るようないいお話です。スタッフの皆さんも寝ずに頑張ってくださいまして,こんな素敵な作品に参加できてとても幸せでした。その感じが出ているといいなと思います。是非楽しんでください。
皆口さん:
あるもの,ないもの,捨ててしまったもの,忘れてしまったもの,すべて総動員して恋愛しました。怒ったりすることって芝居に近いんですけれども,誰かを好きだっていうセリフは意外と自分のモチベーションを本気に上げないと言えないんだなと感じました。
なので,3人の“本気”が詰まっているんじゃないかと思います。それが伝わるゲームになっていると思いますので,是非よろしくお願いします。
――ありがとうございました。
顔の筋肉に異常をきたす
スキンシップは相当危険!
本作ではヒロイン達との“スキンシップ”を楽しめるシーンがある。ラッキーなことにちょうどそのシーンをプレイできたのだが,感想を一言で言うと「危険」だ。
なぜかというと,終始ニヤニヤが止まらないのである。プレイ中,周りには他メディアの方々が大勢いたのだが,そんなことは完全に意識の外に飛んでしまっていた。
タッチペンで彼女をナデナデしたり,オデコや鼻にキスしたり……それだけでも筆者のような純情男子には刺激が強すぎるというのに,細かい動作とフルボイスで可愛く反応してくれるのだからたまらない。人目もはばからず悶絶しても仕方がないというものだろう。
欠点を挙げるとすれば,絶対に電車の中など公共の場ではプレイできないということだろうか。相当気持ち悪い笑顔をさらしてしまうことになると思うので,下手をすれば通報されかねない。
とにかく,仕事を抜きにしても期待の新作だ。発売が待ち遠しい。
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