「密室のサクリファイス」，クロエを演じる声優のゆかなさんのインタビューをお届け

◆密室のサクリファイス
クロエ役：ゆかなさんインタビュー

――一はじめに、ゆかなさんが演じられたクロエについて教えてください。

ゆかな：クロエは知りすぎてる人です。感情面では同世代の子たちと差は無いんですけれど、頭脳面で抜きん出ているんですね。人生経験は共通であっても、頭の回転が他人よりも速いので、予測して動くことや理解することが早く、少ない材料で深い理解を得られるので同世代の子達からすると大人びて見えるかもしれません。それは頭で理解した知識的な経験が多いからであって、他人との関わりなど経験しないと理解できない事柄については歳相応なのではないかと思いました。ある意味いちばんもろい人ですね。

――一クロエを演じられていかがでしたか？

ゆかな：クロエ的には「閉じ込められたな」という状況であって不気味な恐怖ではなく、「じゃあどうすればいい？」「出ればいい」という感じで演じてました。もちろん、大変な状況であることには変わりないので、そこを失わないような範囲で。

――一アニメと違い、演じていて苦労したところは？

ゆかな：ゲームは1人で収録することが多いのでアニメ収録とは違います。
ボタン操作で次のセンテンスに行くという前提があるので喧嘩のシーンとか会話といえど、システム上、相手の語尾が終わらないうちに喋りだすことが出来ないんです。それは、アニメ同様に全員で収録する場合も同じで、間をあけて待って、被せないようにするのはゲーム独特ですね。今回は1人での収録だったので、相手が見えないところで1人で喧嘩して、一緒に会話する方の声を聞いていない状況で演じるので、どんな風に向かってきてくれるのか自分の想像力の中でのことになります。お芝居という意味で根底は変わらないのですが、方法が違います。

――一演じてきた中で印象に残ったシーンはどこですか？

ゆかな：オレンジとのシーンです。他の子が、悪気がない中で誰かを傷つけ、そんな自分にまた傷つくという経験を繰り返して人間的な経験的知識を溜めてきたとしたら、理解が早い分諦めも早いのでクロエにはそれが無いんです。言っても仕方がないと思ったらそこでひく。それは性格的なものではなくて、無駄だと分かっているからひく、というもの。これまでに人と衝突する場面が少なく生きてきているのではないでしょうか。そんなクロエが初めて先読みしきれなかった人物がオレンジです。自分の思い通りに行動しなかった、初めて執着した、こだわりのある相手。気付かないうちにオレンジに深入りしていく過程などは面白いと思います。

――一ゆかなさん自身と通じる部分や共感できるところは？

ゆかな：今は演じた直後で、私の中のクロエ濃度が高くて、より近く感じているのだと思います。

――一もし、ご自身が崩壊した都市にいたら？

ゆかな：どうするもこうするもないですね。（笑）出発点はクロエと一緒で、とりあえず状況を把握しますね。慌てて状況が改善するならいくらでも慌てるんですが、無駄ですよね？たった一人なら尚更、食料や水や空気に限りがあったら無駄に消費してもいけないので、内心慌てていても、そうだと自分に暗示をかけるところからスタートすると思います。
もし誰かが探しに来てくれているなら、慌ててその辺走り回るよりその場に居たほうが良いし、まずは状況を把握します。

――一クロエが自分の側にいたら、友達になれますか？

ゆかな：同士になる方が早いと思います。こんなに知識はないですけれどね。（笑）
クロエが得てきていないものを得てきているであろうと思うので、個性の違うものとして共存できると思います。「だって、これあなたの方が得意でしょ？やって。」「あ、お願いしてほしいですか？」「お願いします。」って。（笑）

――一他のキャラクターで仲良くなれそうな子は？

ゆかな：嫌いな人はいないので、誰でも仲良くなれるというか、状況把握に努めるのと一緒で今ある状況の中からどうするか、って考えると誰でも大丈夫です。

――一普段からゲームで遊ばれていますか？

ゆかな：時間がないとなかなか出来ないのですが、今年は時間があったので自分が出ているゲームなんかを遊びました。自分が出ている作品は、できるだけ見届けます。お休みの時にはじっくりRPGをプレイしたりもするんですが、やりはじめると結構のめりこむタイプだということが自分で分かっているので、やめ時がわからないゲームを合間に始めると先が気になって仕方が無いのでちょっと困るんです。（笑）なので数独のような空き時間に1問解いたらすぐに終われるような作業的にやれるものは手を出しやすいです。

―――ゆかなさんご自身が個人的にがんばっている事や目標はありますか？

ゆかな：これが出るときには少し経ってしまっているので、今とは違いますよね、これを読んでいる方が今、こうなんだ、って思ってしまったら申し訳ないので、無いです。クロエ的な回答ですみません。（笑）
長期的には私にしか出来ないことをしたいです。他の人がキャスティングされていたら違うクロエになっていたと思うので、ゆかながやったからクロエがこうなった、と言われるような役を作り出していきたいと思います。

――一ユーザーの皆様にメッセージをお願いします

ゆかな：一見、可愛いキャラがたくさん出ていて、楽しい、可愛いお話なのかなと思ったら、そうでもないようです。そこがまず最初の裏切りで、多分ずっと裏切られていくと思います。その裏切られていく様を楽しんでいただけたら幸いです。

――一本日は、ありがとうございました！

「密室のサクリファイス」公式サイト