インタビュー
7年越しの夢だった天下統一がついに実現。「信長の野望 Online 〜新星の章〜」アップデート直前インタビュー
一門システムの拡張で,よりMMORPGらしくプレイヤー同士の交流を進める環境を構築
天下人システムや拠点戦のほかにストーリークエストが追加されますが,こちらはどういった感じになるんですか?
今村氏:
システム的には今回からチャプター制ということで,チャプターごとに話が進行する形になりますが,これまでのストーリークエストと同じようにお楽しみ頂けるようになっています。ストーリーの内容でいえば,いよいよ伊達政宗が登場するというところですね。
4Gamer:
そういえば,同じコーエー作品「大航海時代 Online 〜El Oriente〜」でも伊達政宗が登場しましたが,これは偶然ですか,実はコーエー内で政宗ブームでも起きているのかと勘繰っているんですが(笑)。
渡辺氏:
いえ,これは偶然ですね(笑)。信Onの伊達政宗は,大分前から考えていたのですが,大航海時代 Onlineも「〜El Oriente〜」を出すにあたって,考えていたんでしょうね。
そうでしたか。では,その伊達政宗のストーリークエスト「独眼流の野望」は,今回のアップデートでは序章と1章が収録されていますが,これは,どれぐらいまで続くんでしょうか。
今村氏:
当然,2章/3章と続いていきますが,何章まで続くかはまだ秘密です。
4Gamer:
どのようなストーリーが展開するのか楽しみですね。
ところで話は変わってしまいますが,今回のインタビューでは,一門という単語が多く登場します。一門に関わる要素も今回のアップデートのキモと考えれば良いでしょうか。
渡辺氏:
もちろん今回のアップデートのキモには,一門での遊び方の強化というものがありますが,どちらかと言えば,大人数が集まってプレイするというのが一番のポイントとなりますね。
今までもトライアルダンジョンなど徒党単位でのプレイを主流としてデザインしてきましたが,それでは遊び方に限界があります。もっと多くのプレイヤーが,時間が合わなくても遊べるようなコンテンツや,好きな時間に入れるといったある程度パブリックなダンジョンなど,MMORPGらしさを楽しめるコンテンツが今回のアップデートのコンセプトであり,攻略の最大の単位となる30人という数字がポイントになります。
4Gamer:
拠点戦も30対30ですね。ということは,今回のアップデートで,新たなダンジョンが実装されるわけですか。
渡辺氏:
はい。今回の実装するダンジョンは,大人数で攻略の進行を共有し合うという新しい遊び方になります。
4Gamer:
大人数でチャレンジできるダンジョンというのは,徒党を組まなくても参加できるということでしょうか?
渡辺氏:
そうです。ソロでも大人数で遊べるというのが,今回のコンセプトでもあります。ダンジョンなどの進行状態は,そのダンジョンを開いた一門に保存されるのですが,その一門に助力という形で参加することになります。
4Gamer:
いわゆる,レイドというものですね。
今村氏:
そうですね。そのレイドを開くことができるのが一門です。一門に入っていないプレイヤーさんが,どこかの一門が開いたレイドに参加できます。もちろん,一門に入っている人も別の一門が開いたレイドに参加することもできます。
4Gamer:
最大30人となると,これまで以上にダンジョンの難度も上がりそうですね。
渡辺氏:
ええ,みんなで遊ぶところなので,一徒党では厳しいと思います。
今村氏:
もちろん,進捗具合にもよると思うのですが,最後のほうになると多人数で攻略しないと難しいかもしれません。
人が多ければ多いほど楽しめる構成になってるので,一門の人もそうでない人も一緒にワイワイ遊んでやってもらえるようにはなっています。クリア報酬は,レイドを開いた一門だけでなく助力で入った参加者にもほとんど同じ報酬が得られるような設計なので,気兼ねなく人を呼んでプレイするという流れになるんじゃないかと思います。
4Gamer:
なるほど,レイドを開いた一門が報酬を独り占めというわけではないんですね。
渡辺氏:
レイドを開くのとダンジョンの進行状態は,どうしても一門で管理せざるをえないのですが,一度開けばどんなタイミングでも,どんな立場の人でも遊べることを目指しました。
4Gamer:
レイドを開いたり,先ほど教えてもらったように勢力拡大で店の品揃えが良くなること以外に,一門に追加される機能はありますか?
渡辺氏:
今はチャットやログイン/ログアウトの確認機能がありますが,今回一門で買える一門ショップと一門所領が追加されます。
4Gamer:
なるほど,今回実装の一門ショップがいわゆる一門専門のお店になるわけですね。
渡辺氏:
はい。一方の一門所領には,いろいろな施設を建築することで,一門を助けるような機能が使えるようになります。また,一門ショップの品揃えにはまだ育っていないキャラクターなどを,一門で助けてあげられるようなものも用意しています。
4Gamer:
最終的に一門はどれぐらいの人数が入れるようになりますか?
今村氏:
今回のアップデートで,一門レベルのキャップを外す予定です。なので,より大人数が所属できるようになっています。ただ,それでも若干足りないかなとも思っておりまして,現在一門レベルが最低だと人数枠は41人なのですが,それを61人にするなど枠自体を広げようかと考えています。
渡辺氏:
ワールドの合併もありますので,現在の人数枠では少ないと考えています。すでにいっぱいいっぱいになっている一門では新たに人を入れる枠がないといったこともありえますので,一門の最低人数を20枠増やすそうとなりました。枠が広がることで,例えばレイドに参加したソロプレイヤーなどを一門に勧誘するなどといった交流が増えていってくれればなと思っています。
4Gamer:
一門の最大人数が増えることで,コミュニティも活性化しそうですね。
渡辺氏:
その一方で,プレイヤーのみなさんには一門というコンテンツを必要以上に意識して欲しくないとも思っています。今後の話ではありますが,一門同士がもっと交流しやすくなるように機能拡張していきたいと考えています。というのも,プレイヤーのみなさんのコミュニケーションが,一門のなかで完結してしまうと,ほかの一門と交流する機会が減ってしまう可能性があるからです。先ほどの助力というものも一門単位で人が呼べたり,協同した一門という大きな組織を作れたり,一門同士の繋がりとかを強化したりできるよう機能拡張を図っていきたいと考えています。
4Gamer:
なるほど。ただ,拠点戦のお話を聞いていると,一門同士の協力は結構頻繁にありそうな話だと思いました。
渡辺氏:
プレイヤーのみなさんの中には,大きい一門を作りたいという考えがあると思うのですが,あまりに巨大な一門に全員が入ってしまうとゲーム的に困りますよね。
今村氏:
開発側としては,一門というのは天下統一という目的についての手段で,一門自体が目的ではないという考え方なんですね。一門を作って楽しみたいプレイヤーの方もいれば,一門に入りたくないという方もいると思います。最終的には天下統一に向けて行動する中で,一門というものを意識しなくてもすべてのプレイヤーが目的に向かってゲームを楽しめるような形をつねに考えるようにしています。
アップデート内容がチャプターに分けられた「新星の章」。7周年を迎えてさらなる拡充を図っていく
新星の章から,アップデートがチャプターに分けて行われますが,どういった意図があるんでしょうか
渡辺氏:
まず,これには長くアップデートの内容をプレイして頂きたいという意図があります。一度のアップデートで一つの物語をすべて実装してしまうと,いきなり遠大な目標を突きつける形になってしまいますし,プレイヤー同士の差も付きやすくなってしまいます。ですので,今回のように長編ストーリーを少しずつ進めてドキドキしてもらいながら,今までできなかった大きな規模のものを楽しんで頂ければと考えています。そして,みんなが足並みをそろえてストーリーを攻略する一体感を得られることを期待しています。
4Gamer:
その第一弾が「独眼竜の野望」ということになるわけですね。
今村氏:
はい。信Onでは,アップデートのチャプターのことを,第一陣/第二陣という言い方をしてます。「独眼竜の野望」も,次の第二陣で2章を,そしてまた次の陣で3章をと,実装していく流れになります。そのほかにもシステム的な部分を追加していくことも考えています。
4Gamer:
今回の天下人システムに相当するようなものが,次のチャプター――第二陣以降で実装されることもあるんですか?
今村氏:
そこまで大きいものは入りませんが,先ほどもお話しした,武将との関わり合いなどを深めるようなシステムの追加を行っていきたいと考えています。
渡辺氏:
一門に関する機能についても急務だと思っていますので,そういったものを優先的に実装していきたいと考えています。
4Gamer:
コーエーのMMO作品を見てみると,以前からそれぞれが影響しあっているような印象があります。今回のチャプター分けアップデートは,やはり「大航海時代 Online」におけるChapter 1,Chapter 2のような感じで順々に登っていっているような感じをイメージしたものなんでしょうか。
渡辺氏:
ええ,「大航海時代 Online」の運営システムを参考にしたところはあります。争覇の章は一気に投入したわけですが,結構長い時間をかけて遊んで頂くことを想定していましたのですが,世界が広いだけにいろいろなところにプレイヤーのみなさんが分散してしまい,プレイヤーの一体感が希薄になった部分がありました。
また,プレイヤーキャラクターは成長していくのですけれども,その成長にあわせてコンテンツのレベルアップを動的に仕込むことができていなかった面もありましたので,プレイヤーのみなさんの遊び方にあわせて提供したほうがもっと満足していただけるのではないかと考えています。
4Gamer:
たしかに大航海時代ではチャプター分けすることで,1回1回のアップデートごとに,プレイヤー同士の一体感があるように思います。
渡辺氏:
そうですね。同じコンテンツに挑む一体感,みんなで一緒に楽しむという盛り上がりも必要なのかなと思いました。また,その時々に合わせたバランス調整をおこなっていければと思います。もちろん,ボリュームダウンしないようにがんばります。
4Gamer:
となると,次のアップデートは,それほど遠くない感じでしょうか?
今村氏:
そうですね。現在は,夏頃に向けて進めていきたいと考えています。また,6月にはちょうど7周年という一つの節目となりますので,イベントなども行っていきたいと考えています。
4Gamer:
分かりました。ところで,PlayStation 3版の進捗はどうなっていますか。
渡辺氏:
鋭意開発中です。具体的な進捗のイメージはというと……まぁ,ぼちぼちというところでしょうか(笑)。グラフィックに関しては最終的なイメージができています。テストを進めながらグラフィックのさらなる向上などを目指しているのですが,それ以外に,当初予定していたものよりもやりたいことがどんどん出てきている状態です。
4Gamer:
PC版,PS2版との違いなどはありますか?
今村氏:
もともと本作は,ゲームコントローラ対応ですので,プレイ感覚などは変わらないと思いますが,細かいところの機能の違いは結構でてくると思います。あと,PS2版と違って画面が広く,画面の左右がさらに使える形になると思います。
4Gamer:
現状ではPS2とPCでサービスを行っていますが,PS3版が出たときには三つのプラットホームで同時進行になるんでしょうか。やはり,PS2版のプレイヤーが今後を気にしていると思うんですが。
渡辺氏:
もちろん,これからもPC/PS2/PS3版のアップデートを,同時に行うことになります。
4Gamer:
なるほど,PS2版プレイヤーは安心できそうですね。ところで,PS3版ということでHomeとの連動が気になっているんですが,そちらの方は何か考えていますか。
渡辺氏:
それは,検討中です。
4Gamer:
では,最後に信Onの今後については,どのような方向性に進むことを考えているのかお聞かせください。
渡辺氏:
今ある機能は,まだまだ発展途上だと考えています。今回の「新星の章」アップデートのコンテンツの一つ一つを育てて拡張していき,それによって現状遊びづらいと感じられているところを,少しずつ遊びやすいものにしていきたいと思っています。
どんどん新しいものを入れていくと,個々のバランスが悪くなるところもあります。なので,それらをきっちり叩いていきながら強化していきつつ今までのコンテンツもきっちりケアをし,システム全体が今回実装した天下統一のコンセプトのもとに調和していく形を目指しています。
新しいコンテンツだけではなく,既存のコンテンツの見直しもきちんとやりながら,全体として面白くしていきたいと思います。
4Gamer:
では,今回のアップデート「新星の章」を待つ読者に向けて,コメントをお願いします。
渡辺氏:
いろいろな要素の追加,そしてついに天下統一を迎えることができるということもありますが,戦国に生きるゲームとしてより多くのプレイヤーのみなさんに遊んでいただきたいなと考えています。
それは戦国武将と話をしたいとか,一緒に戦えるというところでもあります。新星の章のアップデートを続けていくなかで,もっと遊びやすいものを目指していきたいと思いますので,期待して頂ければと思います。
今村氏:
信Onの魅力って戦国時代という時代背景に寄るところが大きく,プレイヤーのみなさんへのアンケート結果を見ても,世界観に惹かれてという方が非常に多いです。今回のアップデートで戦国好きな方々に満足していただけるような,戦国の世に生きるというコンセプトに一歩近づけた気がしています。以前,信Onをプレイして,「これでは戦国じゃないんじゃない?」と感じた方も,これを機会にもう一回遊んで頂けたらなと思います。
渡辺氏:
どなたにも戦国時代に来た! と思えるようなものを提供していきたいです。
4Gamer:
本日は,ありがとうございました。
「信長の野望」シリーズらしく天下統一を可能とする天下人システムの導入は,運営,プレイヤー両サイドの悲願とも言えるものだろう。しかし,それ以上に注力されているのがプレイヤー間の交流の強化と,カジュアルなプレイ感の拡張だ。
今回の「新星の章」アップデートのポイントを要約すると,この2点に集約されるのではないだろうか。どちらの要素もこれまでの信Onになかったわけではないが,今回のアップデートではその方向性をより強化した印象を受けた。とくに拠点戦のカジュアルなプレイ感,いつでもどこでも簡単に楽しめるライトなゲーム感覚は,昨今のオンラインゲームで主流となっている要素を,積極的に取り入れたものだと言えそうだ。
なお,すでに明日に迫っている「新星の章」アップデートだが,それに前後するように,キャンペーンやイベントが実施されるので,そちらにも注目したい。また,6月にはサービス開始7周年を記念したイベントが行われるとのことなので,しばらく信Onから目が離せない日が続きそうだ。
「信長の野望 Online」公式サイト
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