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ストラテジー「Dungeon Defenders」を紹介する「海外ゲーム四天王」。戦略,アクション,アイテムコレクションなども満載で,あなたはもうゲームのトリコ
開発が何度も延期され,ファンをやきもきさせた「Dungeon Defenders」がようやくリリースされた。ストラテジーの要素に加え,アクションたっぷりの戦いが楽しめるという欲張りな一本で,注目していたという人も多いはずだが,知らなかったという人は,これから注目しても遅くない。RPGのような成長要素や,アイテムコレクション要素など,ちょっと地味な雰囲気のあったタワーディフェンス系ゲームの印象を一変させる良作に仕上がっており,欧米メディアの評価も良好。
日本ではちょっと知名度が低いかも知れないが,そんな一本を,四天王の雑食系ゲームライターである朝倉哲也氏が紹介しよう。
戦略性に加えて,アクションや成長要素など,充実の内容
今週の「海外ゲーム四天王」は,2011年10月19日にSteamで発売されたホヤホヤの新作「Dungeon Defenders」を紹介する。本作は,マップ上の拠点を破壊しようと波状攻撃を仕掛けてくる敵を,プレイヤーが撃退するというタワーディフェンス系のゲームで,そこにキャラクターが成長していくというRPG要素と,派手なバトルアクションを付け加えた個性的なゲームシステムになっている。タワーディフェンスものが好きだという人は,ぜひとも注目してほしいと思うが,本作の特徴はそれだけに留まらず,PCとPlayStation 3,Xbox 360,さらにはAndroid版もリリースされており,各機種のクロスプラットフォーム対戦が可能になっているのだ。これは,なかなかすごいことかもしれない。
開発はアメリカのTrendy Entertainmentが行っており,「Unreal Engine 3」による美しいグラフィックスも魅力的だ。
「Dungeon Defenders」公式サイト
ゲームプレイの基本は,マップ上に設置されたクリスタルを防衛するというシンプルなものだ。プレイヤーはクリスタルを破壊しようと四方から来襲するモンスターを次々と撃破してクリスタルを一定時間守りぬくことになる。
一般的なタワーディフェンスゲームだと,拠点防衛のための砲台や壁などをマップの各所に設置して敵の襲撃に耐えるという,どちらかといえば受身のプレイスタイルとなるのだが,Dungeon Defendersはプレイヤーが操作したキャラクターを使って,積極的に攻撃を仕掛けられるのが特徴だろう。
キャラクターには魔法をメインとする「Apprentice」,クロスボウで敵を狙撃する女ハンター「Huntress」,鎧に身を固めた剣士「Squire」,薙刀のような武器を使って攻撃する「Monk」の4種類が用意されており,攻撃方法だけでなく,キャラクターによって,マップ防衛のために設置できるオブジェクトが異なる。
例えば,Apprenticeが魔法のエネルギーで敵を攻撃する砲台を設置できるのに対し,Squireはトゲトゲのついた兵器を設置できたりなど,選択したキャラによってプレイスタイルが大きく変化するところが面白い。また,キャラクターは敵を倒したり,マップの防衛に成功することで経験値を貯め,レベルアップする。レベルアップによってキャラクターの体力や攻撃力を上げたり,または設置できるオブジェクトを強化していけるのだ。
クリスタルを破壊しようとやって来る敵は,ゴブリンやエルフアーチャーといったザコっぽいものから,体力のあるオークや超強力なオーガといった,ファンタジーではおなじみといえるクリーチャーまで,なかなか多彩。最初のうちは出てくる敵の数も少ないが,やがてドンドン増えていき,しまいにはマップを埋め尽くさんばかりの敵が襲いかかってくる。敵を倒すと武器や防具などのアイテムを落とすことがあり,アイテム収集もまた楽しい。
プレイモードとしては,シングルプレイキャンペーンと,ほかのプレイヤーと協力してクリスタルを防衛するCo-op(協力モード)の2種類が用意されている。
シングルプレイキャンペーンでは,モンスターを封じ込めたクリスタルを誤って壊してしまったヒーロー見習いの若者が,よみがえったモンスターのボスを再びクリスタルに封じ込めようと奮戦するストーリーが展開するのだが,やはり,なんといっても楽しいのはマルチプレイだろう。
最大で3人の仲間と協力して,数えきれないほどのモンスターを片っ端から撃破していくのは爽快感満点で非常に愉快だ。レベル差のあるキャラクターでも,同じグループで一緒にプレイできる仕様になっているので,高レベルグループのマルチプレイに混ざれば,比較的簡単にレベルを上げていけるだろう。筆者がプレイした限り,マルチプレイを楽しんでいる人がやたら多いという印象ではないものの,北米時間の早朝(日本時間の夜)という時間帯でも,相手が見つからずに困ったことはなかった。日本人プレイヤーらしき名前のキャラクターもよく見かけるので,マルチプレイでも問題なく楽しめるはずだ。
残念ながら今回は,マルチプラットフォーム対戦を試すことはできなかったが,機会があればチャレンジしてみたいと思っている。
ゲームの知名度は高くはないが,防御用オブジェクトを効率的に配置するというタワーディフェンスゲームならではの戦略性に加え,スカッとするアクション要素を兼ね備え,さらにはキャラクターの成長やアイテム集めの楽しみまで揃っているという良作ゲームであることは間違いない。Steamの「こちら」で体験版をダウンロードできるので,まずはプレイしてみよう。きっと本作のトリコになるはずだ。
■■朝倉哲也(ライター/四天王)■■
アクションゲームからMMORPG,アドベンチャーからストラテジーまで,なんでもプレイする雑色系ライター。年季の入ったPCゲーマーでもあったが,最近はコンシューマ機のゲームもプレイするようになったので,そのオールラウンダーぶりをますます強くしている。
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Dungeon Defenders
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