テストレポート
モビルスーツっぽいかも。ThermaltakeとBMWのコラボマウス「Level 10 M」が台湾から届いたので弄ってみた
2012年6月のCOMPUTEX TAIPEI 2012で展示され,その尖った外観で話題を集めていた「Level 10 M Mouse」(以下,Level 10 M)については,その後の動向を気にしていた人も多いのではなかろうか。
前作に引き続き,相当に尖った外観になっているLevel 10 Mは,果たしてどんなマウスなのか。開封からのファーストインプレッションをお届けしてみたい。
メカニカルというか……モビルスーツっぽい!?
封を解いて観音開きの蓋を開けると,Level 10 Mが姿を見せる。
ただ,見た目の雰囲気は連邦所属のMS(モビルスーツ)といった趣があるし,パームレストにあるハニカムはアーマード・コアっぽくもある。ともあれ,メカメカしいビジュアルが好きな人であれば,すぐに頬ずりしたくなる形状だ。
製品ボックスの内容物。Level 10 M本体のほか,キャリングポーチ,後述する調整用六角ドライバーに,なぜかLevel 10 Mモチーフのポストカード(写真中央)が付属している |
パームレストにあるハニカムは見た目のよさを引き立てるだけでなく,手のひら部に籠もった熱を冷却する機能もあるという。真上から見ると,奥にTt eSPORTSのロゴマークが見えるのもポイント |
天板部と台座部の分割構造は格好いい
というわけで箱から出てきたが,結論から先に言おう。単純に格好いい。男の子のなんたるかをよく分かっている形状だ。
特徴的なのは,天板部と台座が2点で固定されているだけということ。要するに,残りは空間になっているのである。
そして,付属の六角ドライバーを使うと天板部の調整ができるようになっている。高さは初期状態から最大で+5mm高くでき,左右の傾きも±5度の範囲で調整可能だ。
握り方のクセや手のサイズに合わせた調整が可能で,少しネジを緩めた状態にしておくと,手の動きに合わせて微妙に左右方向へ傾くような状態にも置いておけるというのはクールだ。とくに後者は,「かぶせ持ち」しながら激しく腕を動かすときに存外有効で,常に手にフィットした状態を維持できるのである。ハードウェア的に弄りがいがあるのはいい。
底面のアルミもメカ度を加速
台座のほうもチェックしてみよう。台座はマウスを前もしくは後ろから見て(底の広い)U字を描く形状になっている。梨地加工された金属の質感も相まって,メカ度をより加速させている点は要チェックだ。
ちなみに台座は一体成形。採用されているアルミは分厚く,がっしりもってもたわんだりしないため,剛性は十分といえる。
底面は,本体中央部のレーザーセンサーを前後から挟み込むような形で貼られた大型のソール2枚と,オマケ程度の面積で左右に貼られたソール2枚が目を引く。いわゆるテフロン加工がなされたソールなので,滑り自体は良好だ。
Level 10 Mを前方側から見たところ。台座がU字型になり,本体側面との一体成形になっていることが見て取れる |
こちらが本体底面。マウスソールはかなり特殊な形状なので,貼り替えるときはいろいろ工夫する必要がありそうだ |
実測のリフトオフディスタンスは約1.2mm。Level 10 M専用の設定用アプリケーションを用いればリフトオフディスタンスは変更可能……なのだが,原稿執筆時点のバージョン1.00だと,設定メニューに「LIFT OFF ADJUST」という項目はあるものの,ユーザーインタフェースが崩れていて操作不能だった。このあたりは国内発売に伴う,メニューのアップデートを待つ必要がありそうだ。
マウスとしての基本仕様もチェックしてみる
ポーリングレートごとにDPIの設定が可能。「Enable indenpendent X-Y sensitivityにチェックを入れると,125Hz,500HzのDPIを独立して設定できる |
LEDイルミネーションの設定画面。「Light Option」で,計4か所の発光色を7色から個別に選択可能 |
レーザーセンサーのスペックはほとんど明らかになっていないのだが,解像度は50〜8200DPIの範囲を50DPI刻みで変更でき,前出の専用設定アプリケーションを用いれば,最大4段階をマウス本体側のフラッシュメモリに保存できる。ポーリングレートは125/500Hzの切り替え式だが,ポーリングレートごとにDPIを設定でき,しかも設定内容はプロファイルとして最大5つ登録可能なので,ポーリングレートの制限があるゲームをプレイするときとそうでないときで設定を分けておくこともできる。
なお,本体にはイルミネーションLEDが内蔵され,プロファイルに応じて光る色を切り替えて使うことが想定されている。今回入手した白筐体のLevel 10 Mではとにかく赤色LEDが映え,サイコフレーム感に溢れていたが,好みに応じて好きな色を設定可能だ。
そして,約1.8mの長さがあるUSB込みの重量は実測で約185g。ケーブルを重量計からどかせた参考値でも150g前後あるので,超重量級ということになる。
この重量がアルミなどの金属パーツに起因しているのは明らかだろう。ローセンシでマウスを振り回したりしようものなら,確実に腕が疲れてしまうこと請け合いだ。
マイクロスイッチ式のメインボタンはやたらと大きい。左は実測約24(W)×50(D)mm,右は同20(W)×45(D)mmもあるので,テキトーに握った状態からでも押しやすい。レスポンスも良好だ。だらだらと普段使いするのにいい設計だといえる。
ゲーム用途を前提にすると,左右メインボタンはマウス前方側(=ケーブル側)から前後中央くらいまで十分に軽いので,「かぶせ持ち」でも「つまみ持ち」でも入力面の心配は無用。一方,相当に浅く握るような人だとスピーディな入力は難しいと思われる。
本体左側面のボタンは,本体前面側から[A][B][DPI/PROFILE]となっている。いずれのボタン/スイッチも大きく,位置確認自体はしやすい。[DPI/PROFILE]ボタンは中央部が軽く凹んでいるため,そこを軸にすると,前後に軽く倒してのDPI変更をとてもやりやすい |
本体右側面のボタン。こちらも左側面同様に大小のボタンになっているため,指先の感覚でボタン位置の把握が容易だ |
FPSからオンラインゲームまでひととおりプレイしてみたが,サイドボタンが役に立つのはMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)やオンラインゲームという印象だ。スキル発動や特定のアクション実行用にちょうどよく,「カチッ」というメカニカルサウンドを伴うクリック感も得られるので,確実な入力を意識できる。
また,左右サイドボタンは前後で大きさが異なるので,用途に応じた振り分けがやりやすい。感触でボタン位置を把握できるようになっているのはステキだ。
ちなみに筆者は浅めのつまみ持ち派なのだが,サイドボタンを避けるように持てば,つまみ持ちでもそれほど問題はない。ただ,最初のうちは軽く持ち上げたりするだけでも“誤爆”しそうになるので,慣れは必要だといえるが……。
形はたいへん魅力的だが大きさと重さがネック
FPSやMOBAなど,激しく手を動かすことになるゲームとは,とくに相性が悪い印象なので,ゲームで本格的に使っていきたいというのであれば,国内発売を待って,一度ショップの店頭などで一度試すことを強く勧めたい。
一方,FPSやMOBA向けのマウスは別途用意してあって,とにかく惚れたから使ってみたいというのであれば,国内発売と同時に特攻して大丈夫だ(※自己責任で並行輸入するのすらアリだろう)。異常なまでに所有感を満たしてくれること請け合いだ。
Tt eSPORTS公式Webサイト(英語)
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