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「ゲーム雑誌の人には言わないでください(笑)」――宮本 茂氏,任天堂の経営方針説明会にて“3DSでマリオがどうなるか”との質問に回答
同説明会は主に株主を対象としていることもあり,マーケティングに関する質問が中心だが,その中で(2ページ目),話題の新ゲーム機,ニンテンドー3DS向けのスーパーマリオシリーズの方向性などについて宮本 茂氏が説明を行っている。宮本氏の「ゲーム雑誌の人には言わないでください(笑)」との発言も紹介されているが,とても興味深い内容となっているのでお伝えしよう。
4つめの質問の中で,ニンテンドー3DS向けのスーパーマリオは“2D”になるのか,それとも“3D”になるのかという問いが宮本氏に対して投げかけられている。2Dのマリオとは,初代「スーパーマリオブラザーズ」のような横スクロールタイプのことで,3Dのマリオというのは,「スーパーマリオ64」のように3D空間でゲームが展開するタイプを指している。
この質問に対して宮本氏はまず,3Dのマリオには臨場感や自由度の高さといったメリットがある反面,初めて遊ぶ人にとって複雑になりがちというデメリットがあると指摘する。
宮本氏はスーパーマリオギャラクシーシリーズで,3Dでありながらも遊びやすい作品を目指し,それとは別に,誰でも遊べる2DのマリオとしてNew スーパーマリオブラザーズシリーズを開発したという。
そして質問に対し,3DSでも「当然、両方作っていきます」と回答している。
ここで宮本氏は,“離れた場所にある床が同じ平面上にあるか,少し遠くの場所の上のほうにあるものかがすぐ分かる”といった具体的な例を挙げながら,3D立体視の利点を説明している。
また,宮本氏は,ジャンプして着地したときのクッション表現などをとおして“重量感”を出すことを心がけているそうで,3D立体視ではそれが強調されるのだという。
次に,3D立体視は3Dのマリオだけでなく,2Dのマリオでも利点となることが説明されている。宮本氏は,“ハナチャン”“キラー”のように奥から手前に向かって飛んでくるキャラを例に挙げ,3D立体視に対応したニンテンドー3DSなら,このような仕掛けをより多く使えると述べている。
宮本氏による説明は,岩田 聡社長が「予想以上に踏み込んだ話でした」と述べるほど具体的で興味深い。ニンテンドー3DS向けスーパーマリオの登場が,今から待ち遠しい限りだ。
また宮本氏は,11月に配信予定のニンテンドーDSiウェアについても言及している。これは,任天堂が制作している「音声ガイド」を,NDSユーザー自身が作れるソフトとのことだ。
音声ガイドは,博物館や美術館などにNDSを持っていくと,音声による説明や,絵といった情報が無料で配信されるサービスで,「海遊館」「新江ノ島水族館」などの施設で利用されている。
宮本氏は,町内会でスタンプラリーを行う,喫茶店で店の紹介やメニューを確認できるようにするといった活用方法を挙げており,さまざまな使い道が編み出されそうだ。
このほかのマーケティング関連の話からも,任天堂が今後どのように展開していくかが垣間見られ,興味深いので目をとおしてみよう。
「2010年10月29日(金)経営方針説明会/第2四半期(中間)決算説明会 質疑応答」
- 関連タイトル:
New スーパーマリオブラザーズ Wii
- 関連タイトル:
スーパーマリオギャラクシー2
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(C)2010 Nintendo