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[TGS 2010]「El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON」プレイレポート。独特な世界観とキャラクターが目を引くお手軽アクションゲーム
2011年春発売予定の本作は,担当者によれば「開発度69%での展示」であるためか,チュートリアル的な感じで始まり,ゲーム操作に慣れてきたところで終わってしまうといういささか物足りないボリュームではあったが,ひとまずその独特な世界観に触れた感想を紹介したい。近頃動画サイトなどを中心に,ゲーム性以外の部分で妙に注目が集まっている気もする本作品。ゲームとしての面白さはどうなのだろう。
今回試遊したのはXbox 360版。デモの内容は,主人公のイーノックを操り,案内人であるルシフェルのアドバイスを受けて堕天使を倒しつつ,チュートリアル的なマップを進んでいくというものだった。
イーノック ルシフェル
イーノック「大丈夫だ!問題ない!」
本編主人公。その清く強い心によって,神に選ばれし青年。
人間でありながら,神の意志によって天界に召し上げられ,エルダー評議会で書記官をつとめる。洪水計画を止める為,堕天したグリゴリ天使団を追って,調停役として地上に降り立つ。
ルシフェル「焦る必要はないさ,時間はいくらでもあるんだ」
天界でも一,二を争う大天使であり,時間を自由に行き来する能力を持つ。
神の命により,他の守護天使達とともにイーノックをサポートする。
イーノックを個人的に気に入っており,とても協力的。
本作は「最小限のボタン操作で直感的に繰り出される多彩なアクション」を売りとしているだけあって,操作方法画面にある使用ボタンの少なさにまず驚いた。左スティックでの移動のほかは,A / Bボタンのジャンプ,X / Yボタンの攻撃,LB / RBボタンのガード以外に必要なものはない。つまり,都合指3本だけですべてのアクションができてしまう(しかも左親指以外は,ずらす必要さえない)という簡潔さだ。
攻撃ボタンを連打すればコンボ的な感じで攻撃がつながるのも直感的で分かりやすい。基本は連打でコンボを出しつつ,たまにジャンプからの空中攻撃や,そこに,Xボタンの溜めによる強襲攻撃を織り交ぜたりすることになる。基本的に,頭脳や反射神経を使った操作は要求されないという印象だ。
試遊版で難度が抑えられていることを考慮しても,かなり気楽なプレイが楽しめた。
そんな感じで,最初に登場する敵の使役獣「エゼキ・A」をひたすら殴っていると,突然,Tips画面が表示され,敵が持っていた武器――ゲーム的には「堕天使達が盗んでいった知恵の一つ」――「アーチ」を拾うよう促される。このゲームでは,堕天使が天界から盗み出した知恵である武器を,イーノックが「浄化」することで,自分の武器として使えるようになるのだ。
中盤で登場する「エゼキ・V」という大きめの使役獣からは,「ベイル」という武器が奪い取れる。エゼキ・Vが登場した瞬間,時間が止まり,唐突にルシフェルが現れてベイルの説明をしたあと,「使いこなせるかな?」と不敵なセリフを残して去っていくのだ。彼に対して「このエエ格好しい!」なんてツッコミを入れていると,そのスキにエゼキ・Vが襲いかかってくるから油断ならない。
エゼキ・Vは,たまにガード体勢に入ってダメージが通らなくなるなど,かなり堅い使役獣だ。早く倒したいなら,気絶させたら即ベイルを奪うしかない。ベイルを装備すると攻撃力がかなり上昇するだけでなく,防御しながら前進する特殊移動が可能になったりもするのだ。
なお,武器の取得や特殊移動の操作は,複数のボタンの同時押しで発動する。直感的な操作が売りのエルシャダイとしては比較的複雑な操作なのだが,使えるようになった時点でTipsが挿入されるため,覚えやすい。
エゼキ・A 最初に登場する堕天使達の使役獣,エゼキ・A。堕天使達が天界から盗んだ知恵の結晶の一つ「アーチ」をもってイーノックに襲いかかってくる。最初の雑魚とはいえ素手で倒すのは骨が折れるので,気絶させたらさっさと武器を浄化してやろう |
エゼキ・V 中盤頃に登場する堕天使,エゼキ・V。ちょっと愛嬌のあるモグラ仮面風の大男といった雰囲気だが,ベイルを使った戦いぶりは,それまでの雑魚より数段上だ |
中盤以降になるとそれまでの3Dアクションシーンとはうって変わり,雲上の世界や荘厳な雰囲気の漂う壁画などを背景に,ルシフェルの一方的なつぶやきを聞かされつつ,飛び飛びの足場をジャンプで渡っていく2D風のアクションシーンが始まる。
落ちる床やせり上がってくる雲といったギミックはあるが,こちらも戦闘シーンと同様,難度は高くないうえ,チェックポイントの設定が細かく,失敗しても割と直近の場所から再開できた。
2D風のアクションシーンを抜けると,雨の中にビニール傘を差したルシフェルが立っている。天上世界的な雰囲気にビニール傘は似合わない気がするが,エルシャダイの世界だと,なぜかとてもマッチして見えるから不思議だ。
そんなルシフェルがビニール傘についてつぶやいているところに,フーラ&ウーラという中ボス的な使役獣が流れを無視して突っ込んできた。危うし! というところで,デモは終了となった。
デモを遊んだ感想としては,プレイ前の印象とあまり違わず,アクションゲームを楽しむというよりも,独特な世界観を味わうことが優先された作りになっていた。
雑魚を一掃した途端,カメラが上空からの視点に切り替わり,戦いの舞台が神の掌の上だと見せられるシーンなど,グラフィックス的になかなかカッコいいし,全体に漂う荘厳かつ独特な雰囲気(登場人物のセリフの言い回しを含む)には心惹かれるものがある。
純粋なアクションゲーマーには向かないかもしれないが,ゲームのストーリーや雰囲気を重視する人は期待してよさそうだ。
「El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON」公式サイト
- 関連タイトル:
El Shaddai ASCENSION OF THE METATRON
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