インタビュー
「川中島」で3国対3国の大合戦が勃発!「戦国IXA」の新システム「新合戦」についてインタビュー
これは2国が1対1で争う従来の合戦よりも大規模な,6か国による3国対3国の合戦を行うもので,さまざまな新要素が加えられているようだ。
今回,このβテスト開始を前に,開発スタッフへとインタビューを行い,その新要素や見どころについて詳しく聞いてみた。
「戦国IXA」公式サイト
3国対3国の大規模な合戦を通して,ゲーム内コミュニティの拡大も
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。前回から約1年ぶりのインタビューとなりますので,「新合戦」の内容について聞く前に,まずは戦国IXAにおける「合戦」の現状について教えください。
従来の合戦に関しては,以前からバランス調整を繰り返していました。具体的には,国ごとの人数や戦力の差で,ある程度の勝敗が見えてしまうことがあったため,下位の国でも上位の国と戦えるようにする「連合」を追加したことなどですね。また,攻撃側と防御側とで有利不利がありましたが,7月下旬のアップデートでバランス調整を行い,これである程度バランスがとれたと考えています。
4Gamer:
合戦については,攻撃側と防御側の不公平感に対しての要望が多かったんでしょうか。
藤井氏:
そうですね。パワーゲームになりがちだというのもありました。城の耐久値を落とす特殊能力をもつ「破城槌」や「大筒兵」などの兵科がありますが,以前はこれらを使わなくても簡単に城を落とせてしまっていたんです。それはそれでスピーディーで面白かったかもしれませんが,防御側としては城を落とされて戦功も取られるので非常に辛い。
4Gamer:
たしかに,実際にプレイしていても,「大筒兵」はあまり作らなかった覚えがあります。
藤井氏:
そこで,大筒兵などの兵科を使ってもらえるように「天守」を加えました。これによってプレイヤーさんの中で「城攻めのために大筒兵を作らなきゃ」という動きが出てきたものの,今度は防御側が有利な部分もありまして。データをいろいろと分析した結果,取れる戦功のバランスを変えることで,さらなる調整を行いました。こうした調整に時間をかけてきたというのが,合戦についての今までの動きになります。
4Gamer:
それでは,今回βテストが実施される新合戦は,従来の合戦と比べてどういったところが特徴になるのでしょうか。
藤井氏:
6日周期で行われる従来の合戦では,攻撃側と防御側とに分かれて,防御側の国を舞台にして戦うシステムとなっていました。ですが,今回の新合戦は専用マップ「川中島」で,6か国が東軍・西軍に分かれ3対3で戦うこととなります。戦国IXAでは1シーズンが6か月となっていますが,その中で2〜3か月に1回,大規模なこの新合戦を入れる予定です。
実際の戦国時代の合戦には,城攻めもありますし,「川中島の戦い」のように違うところに集まって戦うことがありますよね。従来の合戦はどちらかというと城攻めに近いですが,今回は,どこかに集まって陣を張って攻めるという壮大感を表現できないかと考えて作りました。
4Gamer:
2〜3か月に1回,大きな戦いがあると。その場合,報酬や格付(ランキング)に影響する戦功などについても,やはり特別な何かが用意されるんですか?
藤井氏:
格付にも反映されますし,新合戦における新しい報酬も別途考えています。なかなか合戦に参加できないという人でも「これはちょっと参加したいな」と,みんながアクティブに参加できるようにしたいという狙いもありますので。
4Gamer:
システムとしては,従来の合戦と比べて具体的にどういった違いがありますか?
藤井氏:
新しいマップでの3対3の戦いとなりますが,各国ごとに「大殿城」と,その前に2つずつ「砦」が用意されています。つまり東軍・西軍のそれぞれに計3つの大殿城と6つの砦があり,それらを落とし合い守り合う,といった戦いです。
4Gamer:
3か国で同時に戦うとなると「みんなで右に固まっていこう」とか,そういった作戦の取り方になるわけですね。
藤井氏:
そうですね。どういった動きをするか,というのを3か国内で作戦を立てて,「じゃあ真ん中から崩していこう」とか,いろいろな作戦が取れると思っています。
また,今回は戦場の全体像が見えるように,どの辺りに自分達の勢力がいるのか,敵の勢力がどの辺りにいるのかとかといったものが,ビジュアルで見えるようになります。
4Gamer:
それは,いわゆる戦略マップみたいなものが?
ええ,(図を見せて)こういった形でマップの全体図が見えます。ですので,敵がどちらの方角から攻めてきているのかが分かりますね。
4Gamer:
これは嬉しいですね。従来の合戦では,こういったマップがなかったので,戦況を掴みづらかったんですよね。
早乙女真哉氏(以下,早乙女氏):
「このエリアでは敵国の勢力が強い」とか「自分達の国が勝っているこの地点から相手を崩していこう」みたいな,可視化された部分を生かした戦い方をしてもらえるといいなと思います。
4Gamer:
戦略マップに表示される戦況は,リアルタイムではなく数分ごとに更新されるんですか?
冬木稔一氏(以下,冬木氏):
5分に1回ずつ更新される形で,戦略マップ自体も,10×10マスに粒度を荒くした表示となります。これには処理の都合もありますが,本当の戦国時代における合戦では,情報の伝達速度も遅いと思うんですね。なので,5分前の勢力情報を見ながら「自分はどうしていこう」と判断する。もし実際の情報が欲しかったら,従来どおり地図上で矢印をクリックして見ていくことになるわけですけど,補助情報としてはこの戦略マップがふさわしいと思います。
4Gamer:
ちなみに,戦略マップは画面にどうやって表示されるんでしょう?
「合戦」ボタンをクリックすると普段は日本地図が表示されますが,その画面を川中島の戦略マップに差し替える予定です。
4Gamer:
従来の合戦では,攻撃側が相手国に「出城」を建ててそこを拠点に戦う形となっていますが,新合戦ではどこが拠点になりますか?
早乙女氏:
新合戦には出城がなく,代わりにいわゆるドロップポイントにあたる「集合拠点」がマップ上に存在しています。集合拠点の近くに陣を張って,その陣から進軍していくわけですね。
冬木氏:
集合拠点は各軍に8つずつ用意されています。それを単純にシンメトリーに配置してしまうと,目の前に敵陣があるような状況になってしまうので,そうならないように位置をズラしたりといった工夫もしています。
4Gamer:
もし陣がすべてなくなってしまったらどうなりますか。
早乙女氏:
陣がなくなると,集合拠点を選んでそこから再スタートとなります。
冬木氏:
これには,プレイヤーが守るものを自軍の大殿城と砦だけにしたい,という狙いがあります。一人ひとりが出城を持ってしまうと,それを守りながら戦うことになってしまうので,攻撃と防御のどちらを行うかの決断をよりシンプルにするため,こういうシステムにしました。
4Gamer:
なるほど。
実は新合戦には同盟という概念がなく,共闘する3か国が自動的に同盟扱いになるんですよ。通常の「同盟チャット」も,新合戦の間は「所属国チャット」となりまして,同じ国に属している人全員に声が届く形になります。普段は同盟というくくりの中でゲームを遊ばれていると思いますが,国単位でいろいろな人達が混ざるとどういう遊ばれ方になるのか,βテストの結果が楽しみですね。
4Gamer:
他国のプレイヤーと連絡をとる際には「書状」を送ることになるのでしょうか。
早乙女氏:
現在は,多くのプレイヤーさんが国ごとに“盟主会”みたいなものを作られていますね。合戦前などに外部チャットを用いて「どこに投票しようか?」「この同盟はそこに攻めてね」といった作戦会議を行い,その結果を同盟内のチャットや書状で同盟員に連絡する,というやり方が一般的です。
4Gamer:
おそらくは,そういった連携を他国との間で行うことになるだろうと思いますが。
早乙女氏:
新合戦を実装するにあたり,チャット機能も改良しなくてはならないとも思うんですが,まずはβテストでどれくらいチャットが利用されるのかをチェックしていきます。
4Gamer:
3国対3国のマッチングに関しては,連合のように上位と下位をうまく組み合わせた形になるわけですね。
早乙女氏:
ええ,上位3か国と下位3か国の戦いでは明確な戦力差が出てしまうと思うので,入れ子のように組み合わせることで,うまくバランスが取れるかなと考えています。
新合戦が近付くと「●位だから,あの国と組むことになるんじゃないか」と事前に連絡を取り合ったりと,ゲーム内イベントとしての盛り上がりが起こると良いと思っています。
4Gamer:
6日周期の通常の合戦が続く中で,こうした大規模な合戦があるとゲームの流れにもメリハリがつきますね。
早乙女氏:
あとは,ゲーム内の“コミュニティ”という考え方も大きいですね。同じ同盟で会話を交わしたり,同じ国や連合相手の国で「こういう人がいるのか」と知ることがありますよね。今度は3対3の戦いとなるので,「あ,この国にはこんなに強い人がいるんだ」ということに気付いたり,国チャットでは同じ国の中でコミュニケーションを深めたりして,ゲーム内のコミュニティが大きくなってほしいと思っています。
スゴ腕のプレイヤーさんもいっぱいいますので,そういう人達と触れあうというのは刺激にもなるはずです。同じマップで戦ったことがきっかけで,ほかのプレイヤーを知ることがあると思いますし,最近は陣の名前で「お疲れ様でした」と挨拶するようなコミュニケーションもありますね(笑)。
いろいろな人と交わることによって,より楽しめたらなと思っています。なので,この新合戦の発展型として,許されるならば,6対6の“関ヶ原の戦い”も入れたいと思っています。
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