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[TGS 2010]「Devil\'s Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー
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印刷2010/09/19 22:50

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[TGS 2010]「Devil's Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー

ヴァルハラゲームスタジオ 代表取締役 CTO 板垣伴信氏。Dead or AliveシリーズやNINJA GAIDENシリーズを手がけてきた,説明不要の実力派ゲームクリエイター。最新作「Devil's Third」は,「もっとも苛烈なシューター」として現在鋭意制作中だ
画像集#001のサムネイル/[TGS 2010]「Devil's Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー
 TGS 2010のビジネスデイ2日目(9月17日),4Gamerはヴァルハラゲームスタジオが開発中の新作タイトル「Devil's Third」PS3 / Xbox 360)について,同社の代表取締役であり本作のプロデューサーでもある板垣伴信氏にインタビューする機会に恵まれた。

 「Devil's Third」の話だけでなく,板垣氏が最近プレイしたゲームについて思うことなども聞けたので,本稿ではその貴重なインタビューの模様をお届けしていこう。



「Valhalla Game Studios」公式サイト



まだまだ謎の多い「Devil's Third」

目指すは「もっとも苛烈なシューター」


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まず,板垣さんがこれまで手がけてきた作品とは少しゲーム性が違うように見える「Devil's Third」ですが,本作はどのようなコンセプトのゲームなのでしょうか。

画像集#002のサムネイル/[TGS 2010]「Devil's Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー
板垣氏:
 同じジャンルのゲームばかり作っていてもしょうがないですからね。その時々のメインストリームのジャンルに挑戦するのが僕のポリシーなので,今回は“シューター”を選択しました。

4Gamer:
 世界観はどのようなものなのでしょうか。公開されている画面を見る限りでは,わりと現代に近いように思えますが。

板垣氏:
 そうですね。極めてリアルに人類の歴史を踏まえました。地球の衛星軌道上でケスラーシンドローム(※1)が発生したあとに起きた戦争を描いています。

※1:人工衛星の連鎖衝突現象に関する説。相対速度が非常に大きいため,大破して大量のスペースデブリ(宇宙ごみ)を生み出す。そしてばらまかれた破片はまた別の人工衛星に衝突し,スペースデブリが増え続けるという悪循環に陥る。最終的には衛星軌道上がスペースデブリに埋め尽くされ,人類は地球に閉じ込められてしまう。提唱者のひとりであるNASAのドナルド・J・ケスラー博士にちなんで名付けられた

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4Gamer:
 戦争……ですか。

板垣氏:
 僕はミリタリーマニアですから。十分な取材に基づいた,リアルな戦いを描いています。

4Gamer:
 板垣さんの描く戦争,非常に楽しみです。ところでトレイラーを見た感じでは,プレイヤーキャラクターが複数いるように見えましたが?

板垣氏:
 ストーリーモードの主人公はひとりですが,オンライン対戦では複数のプレイヤーキャラクターを使用できます。

4Gamer:
 ストーリーモードの主人公は,トレイラーに登場した顔にキズのある男ですか?

板垣氏:
 そうです。

4Gamer:
 オンライン対戦は最大何人で遊べるのでしょうか?

板垣氏:
 現状では最大16人による対戦を実現していますが,最終的には最大32人,48人,64人? どこまで行けるか。とにかく多ければ多いほど良いと思ってます。

4Gamer:
 敵の兵士らしきキャラクターが壁の側面を走っていましたが,あれは何らかの特殊能力なんでしょうか。

板垣氏:
 それを可能とする装備があるんです。

4Gamer:
 つまり,主人公も装備次第で,壁を走れるようになると。

板垣氏:
 もちろんです。

4Gamer:
 ズバリ,一言で本作の特徴を言い表すとしたら?

板垣氏:
 もっとも“苛烈”なシューター。

画像集#006のサムネイル/[TGS 2010]「Devil's Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー

4Gamer:
 なんと。それは,これまでに登場した数多くのアクションシューティングの中で,最も苛烈な戦いが描かれるということですか?

板垣氏:
 ええ,それを目指して作っています。

4Gamer:
 そういえば,トレイラーではかなりハードなゴア表現がちらほら見られましたが,そういう意味でも“苛烈”ということでしょうか。

板垣氏:
 いえ,別にゴア表現にこだわりがあるわけではないです。あれは現実を現実として描いているだけですよ。だって日本刀で斬れば血は出るし,ミニガンで撃てば,そりゃバラバラになるでしょ?

4Gamer:
 ごもっともです。つまり徹底して“リアル”を目指した結果ということですね。

板垣氏:
 目指すも目指さないも,それが現実ですから。その通りにしているだけです。もちろん,そういう表現を良しとしない意見があるのは知っていますし,それを否定もしません。ただ,「見せると教育上よろしくない」と言う向きに対しては,「現実から目を背けることが,本当の教育になるのか?」という考え方もあるということは理解してほしいですね。

4Gamer:
 同感です。とはいえ,日本で発売するとなると,やはり色々な問題が出てきますよね……。

板垣氏:
 もちろん守るべきところは守ります。でも,世界各国で出すバージョンが違うとか,そういう不公平を日本のファンに味わってほしくはないですね。

4Gamer:
 ゴア表現に関しては,どうしても規制が厳しくなりがちですよね。

板垣氏:
 レーティング機関は審査の過程を公開するべきだと思いますよ。また審査員にプロを加えるべき。裁判員裁判を見てみたらいい。裁判員だけで裁判をやってはいないでしょ? 必ずプロの裁判官が判決,ゲームで言えば判定に責任を持ってるんです。裁判官の氏名を明らかにしたうえで,彼らが責任をとる。市民はあくまで市民感覚の意見を取り入れるためにそこにいるわけでしょ?

4Gamer:
 言われてみればそのとおりですね。

板垣氏:
 ふつうの市民が司法に詳しいとは限らないのと同じことで,ゲームにおけるさまざまな表現の影響度に関しても……言いたいことはわかりますよね? 一定のレクチャーをしたってアマチュアであることには変わりないし,少なくとも責任を取れないですよ。だから市民を交えて討議するのは結構だけど,プロが最終判定を下さないのはおかしいと思う。その上でプロの実氏名と,討議内容,少数意見,最終判定理由を公開すべきですよ。

画像集#007のサムネイル/[TGS 2010]「Devil's Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー


最近プレイしたゲームでは「アサシン クリードII」を絶賛

さらに「CoD:MW2」に対する独自の意見も語ってくれた


超大物クリエイターへのインタビューということで,激しく緊張していた筆者だったが,「アサシン クリード2にハマってたときは,会社でも刀を振り回していたよ」「キミより俺のほうがマフィアじゃない?(笑)」など,板垣氏がインタビューの端々でお茶目な一面を披露してくれたおかげで,何とかインタビューを無事(?)終えることができた。今回は時間が20分と短めだったので,機会があればぜひ,もう一度お話をうかがわせていただきたいものだ
画像集#003のサムネイル/[TGS 2010]「Devil's Third」はもっとも苛烈なシューター――ヴァルハラゲームスタジオ代表取締役 板垣伴信氏にインタビュー
4Gamer:
 話はガラリと変わりますが,最近プレイして面白いと思ったゲームはありますか?

板垣氏:
 「アサシン クリードII」ですね。あれは完全に趣味でプレイしてハマりました。ビューポイントでカメラがパンして,曲が流れるところがすごく気持ちいいし,街がちゃんと“生きている”のが素晴らしい。

4Gamer:
 おお,あれは確かに素晴らしいですね。

板垣氏:
 バトルに関しては,プレイしていて「もっとこうしたらいいのに」と感じた部分はもちろんあります。でも,それはさて置き,アサシンブレードで二人同時に刺すシーンとかすごくカッコいいですよね。それからしばらく,気分がアサシンになっていましたもん(笑)。

4Gamer:
 い,意外な一面を披露していただいてありがとうございます。相当気に入ったんですね(笑)。

板垣氏:
 あとは「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」も良かった。

4Gamer:
 あの作品も,リアルな戦争を描いていますよね。

板垣氏:
 リアル? うーん……リアルかどうかというと,ゲームとはいえ,MBT(主力戦車)を川向こうに進軍させるために,生身の歩兵に対岸の敵を撃退させるというのはちょっと。戦争や用兵を知る人間から言わせてもらうと,あれはそもそも戦術としておかしい。MBTがそこにいるなら,歩兵に豆鉄砲を打たせる前に,MBTの主砲で榴弾を撃ち込めばそれで終わり。そのほうが早いし,味方兵が死ななくて済むでしょ。極論すれば「ワルサーP38で戦車を破壊せよ」と言われるくらいの違和感を覚えるんですよ。

4Gamer:
 それは凄まじい違和感ですね(笑)。でも確かに,あのミッションは難しかった。

板垣氏:
 僕があそこの兵士だったら,悪いけど間違いなく家に帰っている。「ちょっと今日の司令官はおかしいみたいだ」って。敵前逃亡だと言われたら,軍事法廷で,司令官の命令がいかに不合理であったかをきっちり証言しますよ(笑)。だからあれが“リアル”かと僕に聞かれたら,「YES」とは答えられませんね。
 ただ,僕だからそういう見方をするけど,あくまでゲームですからね。FPSとして大事なことは何? って考えるときに,常に自分が主人公であることはとても大事です。それと用兵論の不自然さを秤にかけたら,主役であることの方が大切だろ? という達観なんだと思います。とにかくゲームとしては100点満点の面白さでした。すごくサービス精神が豊富で,制作者のパッションが伝わってきました。見習うべきところは多いですね。

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4Gamer:
 大変興味深いお話をありがとうございました。では最後に,「Devil's Third」を楽しみにしているファンへのメッセージをお願い致します。

板垣氏:
 待たせちゃって申し訳ないですが,必ず良いゲームにします。期待していてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 これまで,Dead or AliveシリーズやNINJA GAIDENシリーズなど,“説得力のある難度の高さ”と“確かなエンターテイメント性”が両立した名作を世に送り出してきた板垣氏。そんな氏が,ヴァルハラゲームスタジオというパワフルなクリエイター集団を率い,THQという大手パブリッシャのサポートを受けて制作する「Devil's Third」の具体像は,いまだ謎に包まれたままだ。
 しかし,板垣氏の発言の端々から感じられる,ゲーム作りに対する真摯な姿勢と強い自信を目の当たりにすると,氏のこれまでの実績を考慮するまでもなく,一ゲームファンとして激しく期待せざるを得ない。
 「今年,来年に出せるというタイトルじゃないからね」と板垣氏は語っていたが,今後,開発の進捗に応じてさまざまな情報が公開されていくだろう。今後の情報公開を楽しみに待ちたいところだ。

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