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偉人達の説得が鍵となる,NDS「維新の嵐 疾風龍馬伝」ファーストインプレッションを掲載。幕末を生き抜く術を得て,激動の時代を駆け抜けよう
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印刷2010/11/18 10:00

プレイレポート

偉人達の説得が鍵となる,NDS「維新の嵐 疾風龍馬伝」ファーストインプレッションを掲載。幕末を生き抜く術を得て,激動の時代を駆け抜けよう

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 コーエテクモゲームスは本日(11月18日),ニンテンドーDS用ソフト「維新の嵐 疾風龍馬伝」を発売した。1988年にシミュレーションゲームとRPGの要素をあわせ持つ「リコエイションゲーム」の第1弾としてPC-9801で発売された「維新の嵐」は,その後,ファミリーコンピュータやPlayStation,セガサターンなどに移植され,1998年には続編ともいえる「維新の嵐 幕末志士伝」が発売された。それから約12年,龍馬の誕生日であり,命日でもある11月15日にあわせるかのように,シリーズ最新作が登場したのだ。
 本稿では,「維新の嵐 疾風龍馬伝」をプレイした感想を交えて,システムを始めとした本作の特徴を紹介していこう。


歴史の分岐点に登場する坂本龍馬

熱き思いが幕末の日本を駆けめぐる!!


1853年、黒船来航。
欧米の強国が開国を迫るなか、
日本国内は朝廷を盛り上げようとする「尊皇派」と
徳川幕府を守る「佐幕派」に分かれて対立していた。
この危機的状況に武力ではなく話し合いで日本をひとつにまとめ
迫り来る脅威に立ち向かおうとした人物がいた。


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キャラクター同士の会話によって,物語はスムースに展開していく。会話を進めながら,今後の行動を決めていこう
 本作は,激動の幕末を舞台に奔走する主人公“坂本龍馬”となり,日本各地を周りながら,要人の説得や同志を増やして人脈を作りあげ,尊王派をまとめ上げて倒幕を目指していくという,史実をベースにした歴史アドベンチャーゲームだ。ゲームの根本的なところはリコエイションゲームとしての要素,つまり史実を舞台にしながらも「歴史のif」を楽しめるものになっているが,システム面はアドベンチャーゲームをベースとしたものに一新されている。ゲーム内では,龍馬の人生の節目となる場面や,歴史的に見て大きな出来事にはビジュアルシーンが挿入され,物語を彩っている。

イベントによってはビジュアルシーンが表示されることもある。一度見たシーンは,タイトルメニューの「思い出」でいつでも見直すことができる
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 もちろん,登場人物は本作オリジナルのデザインで,なかなかのイケメン揃いだ。

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日本各地で龍馬を鍛えて

維新の嵐に負けない男へと育て上げろ!


 物語は,龍馬が江戸へ剣術修行に出るところから始まる。江戸に辿りついた龍馬は黒船を目の当たりし,吉田松陰とその弟子である桂小五郎や高杉晋作らとの出会いのなかで,自らが何をできるか,何をしたいのかを模索していくことになる。
 序盤は街や藩内を移動しながら物語を進めて行くが,やがて日本全国を股にかけ活動を広げていくこととなる。その活動のポイントとなるのが,龍馬の育成と人脈作りだ。

 育成のポイントになるのは「学力」「武術」「弁舌」の三つ。龍馬のステータスにはもうひとつ「度量」というものがあるのだが,これは「武術」を学ぶ際に少し上がったり,日本各地を回り名所などを訪れたりした時に上がったりするものなので,意図的に大きく上げるのは難しい。最終的には高くしたいところだが,物語の進捗に合わせて上がっていくものだと考えればいいだろう。

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プレイ開始直後の龍馬の能力はあまり高くはない。ここから日本を担う男に育てていくのである
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弁舌,学力,度量は,ゲームの鍵となる「説得」に関わってくる。時間の許す限り龍馬を鍛えてステータスを伸ばしておきたい

 これらステータスのうち「学力」は学問所,「武術」は道場で育成できる。学問所や道場は日本の各地に存在しており,訪れた際にコマンドを実行することでステータスのアップが図れるようになっている。

脱藩浪士であり,幕府転覆を謀る龍馬には敵が多い。大きな町にいると,突然襲われることもある。そんな場面を乗り切るためにも,武術は高めておきたい。なお,敵に負けてもゲームオーバーになることはないが,数日間行動ができなくなる
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 一方,「弁舌」は上記の二つのステータスとは違い,ほかの登場人物を「説得」することでしかアップしない。「説得」についての詳細は後述するが,自分よりも遙かに「弁舌」が高い相手は説得できないので,同レベルか少しだけ高い相手への「説得」を繰り返しステータスのアップを図らなければならない。「説得」失敗でも経験値は入るので,積極的に行なっていこう。

「弁舌」は,切り札をうまく使って弁舌の高い相手を説得するなど,効率よく上げていこう。このときに得た信頼は,後々大きな力となるはずだ
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相手を「説得」して信頼を築き,

維新を達成する力にせよ!


 本作でもっとも重要なポイントとなるのが「説得」だ。大げさな物言いをするのなら,弁舌の高さが日本の未来を握っているといってもいいだろう。本作の「説得」は,カードゲーム方式で行なわれる。カードの概要は以下のとおりだ。

「熱く語る」(グー)……「語る」に強く,「聞く」に弱い。弁舌が高いほど数値は高い
「語る」(チョキ)………「聞く」に強く,「熱く語る」に弱い。学力が高いほど数値は高い
「聞く」(パー)…………「熱く語る」に強く,「語る」に弱い。度量が高いほど数値は高い

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龍馬は心眼のようなものを持っており,ヤマ場の直前に相手がどの種類のカードを切るか分かることがある
 「説得」は,フキダシが飛び交う場面とヤマ場の二つがあり,これをワンセットとして5回まで行なわれる。その間に説得ゲージを押し切り,相手を説得できれば勝ちとなる。
 フキダシが飛び交う場面では,ポコポコとテンポ良くフキダシが表示されて見ていて面白い。このフキダシの数と大きさは,弁舌の高さで決まる。相手の弁舌が低いときは,これだけで押し切れてしまうこともある。
 だが,やはり「説得」の要となるのが,その名のとおりのヤマ場だ。ヤマ場になると,手持ちのカードの中から一枚を選び出し,勝負することとなる。残りのヤマ場の数と手持ちのカード,そして相手のカードを見ながらの駆け引きは,熱くなるものがある。
 さらに状況を一変させる「切り札」という特殊なカードがある。すべての登場人物には趣味が設定されていて,その趣味と同じカードを切ると,相手のカードの種類や数値にかかわらず一方的にそのヤマ場に勝利でき,説得ゲージを大きく増やすことができる。正に切り札といったカードだが,一回の説得で一度しか使えないという制限がある。大物を相手に説得する際には,ぜひとも手にしておきたいカードだ。

カードの数値は攻撃力のようなもので,勝ったときに相手に与えるダメージに影響する。また,出したカードの種類が同じで,引き分けだった場合は,カードに書かれた数値の大きい方が勝ちとなる。数値も同じ場合は,ボタンの連打で勝敗を決めることになる。数値は龍馬のステータスによって変動するので,龍馬の育成はこういったところにも影響を及ぼす
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 「説得」に勝利して相手を打ち負かすことは,必要ではあるがそれ自体が目的ではない。最大の目的は,相手からの信頼を得ることにある。相手からの信頼を得られれば,さまざまな人物を紹介してもらうことができ,人脈も広がっていく。これを積み重ねていくことで,やがては各藩の重臣どころか藩主にも直接対面できるようになり,説得を成功させられれば,藩そのものを佐幕派から尊王派に鞍替えさせることさえ可能となる。

窮地に追い込まれた仲間を説得することで史実とは違った道を歩ませたり,仇敵と手を組んで行動するなんてこともできる。熱い説得を重ねることで,歴史は変っていくのである
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 また,相手から高い信頼を得ることで,同行者として誘うことができるようになる。同行者を連れていると,襲撃された際に一緒に戦ってくれたり,「説得」中に,カードを一枚補充してくれたりするというメリットがある。とくに後者の影響は大きい。実質的に6枚以上(通常は5枚)のカードを手に戦うことができるようになるため,勝率を大幅に上げることができるのだ。増えるカードの種類や数値は同行者のステータスによって異なるが,常に同行者とともに日本全国を駆けめぐるようにしたほうが良いだろう。

例え数値が低くとも,使えるカードの枚数が増えるのは大きなメリット。手持ちの5枚のカードのうち,1枚しか持っていない種類をくれる同行者を捜しておくと「説得」時の選択肢が増えグッと楽になる
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女性キャラクターの信頼は,説得ではなく剣道や花札の勝負に勝つことで得られる。信頼が高まってくると……?
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史跡ガイド機能や“これ誰?ボタン”で

幕末時代を堪能しよう


 坂本龍馬や桂小五郎,高杉晋作,新撰組の面々など有名な人物については分かるものの,それ以外に幕末を生きた人物に誰が居たかは,よほどのマニアでもなければ分からないだろう。そんなプレイヤーのために“これ誰?ボタン”というありがたい(?)機能がある。これを使うと登場人物の史実的な解説や,その土地がどこにあるのかなどを詳しく知ることができる。ゲームで遊びながら知識も得られる,一石二鳥の機能だ。
 さらに,幕末で起きた事件や,関連する人物にちなんだ史跡を紹介する「史跡ガイド機能」も付いている。史跡の説明だけではなくそこまでのアクセス方法も紹介されており,DSを片手に旅行することだってできるのだ。携帯機ならではの機能と言えるだろう。

これ誰?ボタンを使えば,その人物のプロフィールの詳細が表示される。ゲームに直接は関係しないが嬉しい機能だ
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史跡ガイドやプレイ中に訪れた名所は,タイトルメニューの「思い出」でいつでも見ることができる
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激動の時代に降り立って未来を目指せ!

歴史を作りあげる快感と魅力を楽しめる逸品だ


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 たった一人の小さな力が,知り合った人達の力を借りて日本を動かす。それを体験できるのが,本作の最大の魅力と言えるだろう。さらに,歴史の大筋を変えるとまではいかないが,史実とは異なる道を歩むこともでき,「もし,あのとき違う行動をとっていたら……」というifの物語を自らの手で歩むことができる,遊びの幅の広さも魅力だ。コーエー(テクモゲームス)の歴史シリーズというと,歴史ファン以外にはちょっと難しいかな,なんてイメージを持ってしまいがちだが,本作はアドベンチャーゲーム仕立てになっているため,かなり遊びやすいゲームとなっている。歴史や幕末について詳しくないという人向けのフォローもよく考えられているので,本シリーズファンのみならず,初心者にもぜひプレイして激動の時代を体験してもらいたい。
 なお,一度ゲームをクリアすると,新たなシナリオが解放される。開発陣入魂のシナリオとのことなので,歴史や幕末,龍馬ファンはこちらもぜひチャレンジしてほしい。

「維新の嵐 疾風龍馬伝」公式サイト

  • 関連タイトル:

    維新の嵐 疾風龍馬伝

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