プレイレポート
偉人達の説得が鍵となる,NDS「維新の嵐 疾風龍馬伝」ファーストインプレッションを掲載。幕末を生き抜く術を得て,激動の時代を駆け抜けよう
本稿では,「維新の嵐 疾風龍馬伝」をプレイした感想を交えて,システムを始めとした本作の特徴を紹介していこう。
歴史の分岐点に登場する坂本龍馬
熱き思いが幕末の日本を駆けめぐる!!
1853年、黒船来航。
欧米の強国が開国を迫るなか、
日本国内は朝廷を盛り上げようとする「尊皇派」と
徳川幕府を守る「佐幕派」に分かれて対立していた。
この危機的状況に武力ではなく話し合いで日本をひとつにまとめ
迫り来る脅威に立ち向かおうとした人物がいた。
キャラクター同士の会話によって,物語はスムースに展開していく。会話を進めながら,今後の行動を決めていこう |
もちろん,登場人物は本作オリジナルのデザインで,なかなかのイケメン揃いだ。
日本各地で龍馬を鍛えて
維新の嵐に負けない男へと育て上げろ!
物語は,龍馬が江戸へ剣術修行に出るところから始まる。江戸に辿りついた龍馬は黒船を目の当たりし,吉田松陰とその弟子である桂小五郎や高杉晋作らとの出会いのなかで,自らが何をできるか,何をしたいのかを模索していくことになる。
序盤は街や藩内を移動しながら物語を進めて行くが,やがて日本全国を股にかけ活動を広げていくこととなる。その活動のポイントとなるのが,龍馬の育成と人脈作りだ。
育成のポイントになるのは「学力」「武術」「弁舌」の三つ。龍馬のステータスにはもうひとつ「度量」というものがあるのだが,これは「武術」を学ぶ際に少し上がったり,日本各地を回り名所などを訪れたりした時に上がったりするものなので,意図的に大きく上げるのは難しい。最終的には高くしたいところだが,物語の進捗に合わせて上がっていくものだと考えればいいだろう。
プレイ開始直後の龍馬の能力はあまり高くはない。ここから日本を担う男に育てていくのである |
弁舌,学力,度量は,ゲームの鍵となる「説得」に関わってくる。時間の許す限り龍馬を鍛えてステータスを伸ばしておきたい |
これらステータスのうち「学力」は学問所,「武術」は道場で育成できる。学問所や道場は日本の各地に存在しており,訪れた際にコマンドを実行することでステータスのアップが図れるようになっている。
一方,「弁舌」は上記の二つのステータスとは違い,ほかの登場人物を「説得」することでしかアップしない。「説得」についての詳細は後述するが,自分よりも遙かに「弁舌」が高い相手は説得できないので,同レベルか少しだけ高い相手への「説得」を繰り返しステータスのアップを図らなければならない。「説得」失敗でも経験値は入るので,積極的に行なっていこう。
相手を「説得」して信頼を築き,
維新を達成する力にせよ!
本作でもっとも重要なポイントとなるのが「説得」だ。大げさな物言いをするのなら,弁舌の高さが日本の未来を握っているといってもいいだろう。本作の「説得」は,カードゲーム方式で行なわれる。カードの概要は以下のとおりだ。
「熱く語る」(グー)……「語る」に強く,「聞く」に弱い。弁舌が高いほど数値は高い
「語る」(チョキ)………「聞く」に強く,「熱く語る」に弱い。学力が高いほど数値は高い
「聞く」(パー)…………「熱く語る」に強く,「語る」に弱い。度量が高いほど数値は高い
龍馬は心眼のようなものを持っており,ヤマ場の直前に相手がどの種類のカードを切るか分かることがある |
フキダシが飛び交う場面では,ポコポコとテンポ良くフキダシが表示されて見ていて面白い。このフキダシの数と大きさは,弁舌の高さで決まる。相手の弁舌が低いときは,これだけで押し切れてしまうこともある。
だが,やはり「説得」の要となるのが,その名のとおりのヤマ場だ。ヤマ場になると,手持ちのカードの中から一枚を選び出し,勝負することとなる。残りのヤマ場の数と手持ちのカード,そして相手のカードを見ながらの駆け引きは,熱くなるものがある。
さらに状況を一変させる「切り札」という特殊なカードがある。すべての登場人物には趣味が設定されていて,その趣味と同じカードを切ると,相手のカードの種類や数値にかかわらず一方的にそのヤマ場に勝利でき,説得ゲージを大きく増やすことができる。正に切り札といったカードだが,一回の説得で一度しか使えないという制限がある。大物を相手に説得する際には,ぜひとも手にしておきたいカードだ。
「説得」に勝利して相手を打ち負かすことは,必要ではあるがそれ自体が目的ではない。最大の目的は,相手からの信頼を得ることにある。相手からの信頼を得られれば,さまざまな人物を紹介してもらうことができ,人脈も広がっていく。これを積み重ねていくことで,やがては各藩の重臣どころか藩主にも直接対面できるようになり,説得を成功させられれば,藩そのものを佐幕派から尊王派に鞍替えさせることさえ可能となる。
また,相手から高い信頼を得ることで,同行者として誘うことができるようになる。同行者を連れていると,襲撃された際に一緒に戦ってくれたり,「説得」中に,カードを一枚補充してくれたりするというメリットがある。とくに後者の影響は大きい。実質的に6枚以上(通常は5枚)のカードを手に戦うことができるようになるため,勝率を大幅に上げることができるのだ。増えるカードの種類や数値は同行者のステータスによって異なるが,常に同行者とともに日本全国を駆けめぐるようにしたほうが良いだろう。
史跡ガイド機能や“これ誰?ボタン”で
幕末時代を堪能しよう
坂本龍馬や桂小五郎,高杉晋作,新撰組の面々など有名な人物については分かるものの,それ以外に幕末を生きた人物に誰が居たかは,よほどのマニアでもなければ分からないだろう。そんなプレイヤーのために“これ誰?ボタン”というありがたい(?)機能がある。これを使うと登場人物の史実的な解説や,その土地がどこにあるのかなどを詳しく知ることができる。ゲームで遊びながら知識も得られる,一石二鳥の機能だ。
さらに,幕末で起きた事件や,関連する人物にちなんだ史跡を紹介する「史跡ガイド機能」も付いている。史跡の説明だけではなくそこまでのアクセス方法も紹介されており,DSを片手に旅行することだってできるのだ。携帯機ならではの機能と言えるだろう。
激動の時代に降り立って未来を目指せ!
歴史を作りあげる快感と魅力を楽しめる逸品だ
なお,一度ゲームをクリアすると,新たなシナリオが解放される。開発陣入魂のシナリオとのことなので,歴史や幕末,龍馬ファンはこちらもぜひチャレンジしてほしい。
「維新の嵐 疾風龍馬伝」公式サイト
- 関連タイトル:
維新の嵐 疾風龍馬伝
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