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[Gamescom]「エイジ オブ エンパイア」シリーズで知られるBruce Shelley氏が考える,ゲームアイデアのまとめ方とは
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印刷2010/08/17 13:42

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[Gamescom]「エイジ オブ エンパイア」シリーズで知られるBruce Shelley氏が考える,ゲームアイデアのまとめ方とは

 2010年8月16日(現地時間),ドイツのケルンで行われたGDC Europeで,Bruce Shelley氏によるレクチャー「Five Rules for Draft One of Your Game Design」が行われた。

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 Bruce Shelley氏といえば,シリーズ総計で2000万本の売り上げを記録したRTS,「エイジ オブ エンパイア」シリーズの開発者として知られ,開発元であるEnsemble Studiosを率いていた人物だ。現在は,Ensemble Studiosの閉鎖にともない,どこの組織にも所属しておらず,今回のGDC EuropeにもIndependentという立場で参加していた。普通はどこかの開発会社に所属している,現役バリバリの人がスピーカーとして招かれることが多いが,あえて無所属であるShelley氏が呼ばれるのは,彼の実績が評価されているということだろう。

 そんなShelley氏が行ったレクチャーは,「ゲームを作ろうとはしているが,具体的にどうするべきかがはっきりと分からない」といった開発者に向け,彼の考えるゲーム作りにおける五つの手順を説明するというものだ。

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 Shelley氏が最初にすべきこととして挙げたのは,頭に思い描いているゲームのアイデアを明確にするということ。そのための手法として氏は,ゲームアイデアを短い文章で書き表すか,絵に描くことを勧めた。実際,エイジ オブ エンパイアの開発にとりかかるときは,わずか数行の企画案でまとめていたという。
 その文章に,何を盛り込んでおくのかというと,作ろうとしているものがどんなゲームに似ているのかや,ジャンル,プラットフォームといった,基本的な内容だ。これらを整理して短い文章にまとめることで,自分が作ろうとしているものが明確になるという。

 次に,ゲームの詳細を詰めていく。つまり具体的なシステムや,プレイヤーがゲーム内で果たす役割と目的などを決めていくのだという。とくにShelley氏が強調していたのが,ゲームを始めたときの,最初の15分間の重要度だ。ゲームを遊び始めたばかりのプレイヤーが何をするのか,プレイヤーにどんな楽しみが与えられるのか,といったことをこの段階で決めておくことが大切なのだという。最初の15分間で「つまらない」と思われると,プレイを継続してもらえないだけでなく,悪い評判が出回りやすくなってしまうのだ。

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 3ステップめとして紹介されたのは,自分が企画しているゲームのどこが長所なのかを説明できるようにすること。実際に遊んだプレイヤーが,どこに興味を示すかを明確にし,ゲームの面白いポイントがブレないようにするのだという。また,プレイヤーが自分を特別な存在と感じる部分を用意することも必要だと,Shelley氏は考えている。

 次に氏が示したのは,ライバルとなるゲームの分析を行うことだ。対象となるゲームの短所と長所をしっかりと把握し,自分が企画しているゲームが,それにどう対抗するのかを明確にすることが大切なのだという。これを行うことで,ライバルとなるゲームとの違いをはっきりさせることが可能になる。もちろん,ライバルとなるゲームをしっかりと研究して,同じようなものを作れという話ではない。むしろ,違いを明確にするための研究だ。

 以上のような手順を踏んだうえで最後に考えるのが,そのゲームが商売になるか否かだという。企画しているゲームは新たなブランドとなりえるか,続編や拡張パックの発売,ほかのプラットフォームへの移植が可能かどうか,はたまたオンライン化,ソーシャルゲーム化ができるかなどをしっかりと考えたうえで,企画を動かすことが大切なのだという。
 ゲーム作りをプロとして行う以上,売れるかどうかは重要なポイントであり,どんなに面白そうなゲームであっても,マーケティングプランなどが思い浮かばないようなものは,そもそも作るべきではない。もちろんこれは,ゲームデザイナーの視点での話だ。プロデューサーであれば,さらにプロジェクトに関わる人の数や期間などを考慮し,採算がとれるかどうかをきっちり考える必要があるわけだ。

画像集#007のサムネイル/[Gamescom]「エイジ オブ エンパイア」シリーズで知られるBruce Shelley氏が考える,ゲームアイデアのまとめ方とは

 ここで紹介された手法が,すべてというわけではなく,全ジャンルに当てはまるわけではないと,Shelley氏はことわりを入れている。また,料理のレシピではないので,そのまま実践したからといって成功が約束されているわけでもない。
 とはいえ,成功を収めた人の手法を学べるというのは貴重な機会だ。こういった話が聞けるというのも,Game Developers Conferenceならではといったところだろう。

「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア」を開発する前は,「Warcraft」と「Sid Meier's Civilization」を足して2で割ったようなものをイメージしていたそうだ。なお,写真は「マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III」
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