プレイレポート
「仁王」のファーストインプレッション。アイテム集めが楽しく遊びがいのある“戦国死につつハック&スラッシュ”だ
4Gamerでは製品版と同等のビルドをプレイする機会を得たので,ファーストインプレッションをお届けしよう。
本作の舞台は関ヶ原の戦いを控えた戦国時代末期の日本だが,長く続いた戦乱によって妖怪の類が跋扈しているという,ダークファンタジー色の濃い設定となっている。
ストーリーは,数年の航海を経て九州にたどり着いたイギリス人のウィリアムが,徳川家康,黒田官兵衛,服部半蔵といった人物と出会いながら,魑魅魍魎を相手とする闇の戦いに身を投じるというものだ。
本作のゲーム性を最もよく表しているのは,東京ゲームショウ2015でゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウこと襟川陽一氏が語った「戦国死にゲー」の一語だろう(関連記事)。
本作のバトルは力押しが通用せず,状況に合わせてクレバーに立ち回らないと,あっという間にウィリアムが命を落としてしまう。死にまくりながら敵の配置や攻略法を覚えていかなければならないのだ。
浜辺の寒村や盗賊のアジト,荒れ果てた都など,おどろおどろしい雰囲気が漂うステージには,妖怪や野武士といった恐ろしげな敵がひしめいている。真正面から突っ込んでも囲まれてめった斬りにされてしまうので,できるだけ一対一で戦えるように進んでいかなければならない。
しかし,敵の配置はかなり巧妙。“野武士が曲がり角に隠れてこちらを待ち構えている”くらいは可愛いもので,“崖っぷちを歩いているところに横穴から蝙蝠の群れが襲いかかってきて,谷底へと落とされてしまう”“薄暗い中,橋の向こうから爆弾を投げてくる敵がいるので,近くに寄って倒そうと思ったら,橋が途中で途切れており,あっさりと水に落ちてしまう”“複数の妖怪を相手にしている中,高台から弓で狙い撃ちにされる”など,さまざまな方法でこちらを殺しにかかってくる。
もちろんそれぞれに対処方法はあるのだが,油断しているとあっさりやられてしまうのだ。
本作にはこうした“罠”の情報をプレイヤー間で共有できるシステムも存在している。オンライン状態でプレイしていると,ほかのプレイヤーが死んだところに「血刀塚」(ちかたなづか)と呼ばれる墓標が立つので,攻略の助けになってくれるだろう。
ウィリアムは「刀」「二刀」「槍」「斧」「鎖鎌」といった近接武器に加え,遠距離武器の「弓」「火縄銃」「大筒」を装備できる。二刀ならリーチは短いが手数が多く,斧は一撃の威力が高いなど,それぞれ個性があり,これらの武器を地形や状況に合わせて使い分けなければならない。
本作における回復手段は,敵からドロップする「仙薬」や,能力値を高めないと覚えられない「陰陽術」の「符術・活源札」などに限られている。敵が手強いことも相まって,できるだけ安全に短時間で倒したいのだが,飛び道具でチクチク攻撃したり,槍・斧といった大型武器で短期決戦を挑んだり……といった方法だけだと攻略はおぼつかない。飛び道具の弾数には限りがあるし,槍や斧は狭いところで振るうと引っかかってうまく攻撃できない。
遠距離から狙うならヘッドショットで一撃必殺を狙い,屋内に入る前には二刀や鎖鎌といった小回りのきく武器を用意したりと,クレバーに戦う必要があるのだ。
ステージの最後にはボスが待ち構えており,当然ながらそれまでの敵より凶悪な存在となっている。一撃でこちらの体力ゲージを半分削ったり,ウィリアムの血を吸って自分の体力を回復したり,麻痺を付与する飛び道具を放ってきたりといった感じだ。
筆者の腕だと初見ではまず勝てないのだが,本作には“やられてしまってもその場でコンティニュー”といった救済措置は存在しない。「こんなの勝てるわけがない」と思わされるのだが,それでも死にまくりながら少しずつ動きを覚えていくと,あるタイミングで圧勝できたりもしたので,この辺りはまさにアクションゲームの醍醐味だ。
こうして敵を倒すと,武器や防具をはじめとするさまざまなアイテムが手に入る。アイテムにはランダムで特殊効果が付与されているのがポイントで,中には“周囲にいる敵が見えるようになる”“気力が尽きた敵に「組み討ち」のスキルを決めると体力が回復する”といったものがあり,次はどんな品が出るのか楽しみになってくる。筆者のようにハック&スラッシュが好きな人にはたまらないだろう。
ストーリーを進行させる「メインミッション」だけでなく,比較的短い時間でプレイできる「サブミッション」や,高難度の「逢魔が時ミッション」もあるので,存分にトレハンを楽しめそうだ。
まとめると「難度は高いが,勝利のご褒美であるアイテム集めが楽しく,中毒性が高い」という印象で,筆者なりに言えば“戦国死につつハック&スラッシュ”といったところだろうか。1月21日と22日の2日間限定で“最終体験版”がプレイできるので(関連記事),本作が気になった人はぜひそちらをプレイしてほしい。
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