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こだわったのは“閉塞感”。「Xbox 360 感謝祭」の「重鉄騎」ステージで,押井 守氏が自身の手によるイメージトレイラーを語った
イベントは2部構成で行われ,1部では同作のプロデューサーを務める北林達也氏と,同じくプロデューサーの片岡謙治氏,ディレクターの安藤行男氏が本作の魅力を紹介。2部では,映画監督の押井 守氏が登場して,自身が手がけた本作のイメージトレイラーについて語った。
1部ではまず北林氏が,発売が迫った本作についてコメント。これまでプロモーションしてきたが,やはり実際に触ってもらうことでその魅力が分かってもらえるタイトルだとアピールした。
続いて安藤氏による本作のデモがスタートし,鉄騎に乗り込んで,石油プラントへ燃料を補給しにいくというミッションのプレイが行われた。コントローラに加え,Kinectを利用したジェスチャーによる操作が紹介されるうち,敵である“重鉄騎”に遭遇し,戦闘開始。
左から片岡謙治氏,北林達也氏,安藤行男氏 |
重鉄騎は予想以上に手強く,手慣れているはずの安藤氏でもかなり苦戦し,防戦一方という厳しい状況となった。そこで安藤氏は,ステージの仕掛けを使った方法で重鉄騎を倒すことを試みるのだが,その作戦を実行する前に倒されてしまい,あえなくデモは終了。北林氏によると重鉄騎は非常に手強い敵だが,戦い方によって勝機は十分にあるとのこと。ステージのデモでは,そのヒントを見せられたのではないかとコメントしていた。
最後に北林氏から,重鉄騎の発売日である6月21日に,ダウンロードコンテンツとして全部で40種類のエンブレムが配信されることが発表された。ステージでは実際に数種類のエンブレムを付けている戦車のスクリーンショットも披露され,北林氏はぜひバリエーション豊かなエンブレムでプレイしてほしいと話していた。
売れれば映画化も? 押井氏がこだわった戦車の“閉塞感”とは
2部では,今回が初公開となる重鉄騎のイメージトレイラーが披露された。これは,押井氏が監督を務めたもので,実写映像をメインに構成された非常に生々しい仕上がりの作品だ。実際にトレイラーを見たのは初めてという片岡氏は,「ゲームのトレイラーというとハイクオリティなCG映像を想像しますが,非常にリアルな実写映像だったのでビックリしました」と,驚きを隠せない様子だった。なお,このトレイラーは,本日(6月18日)の17:00にXbox LIVE マーケットプレイスで公開されるので,楽しみに待っていてほしい。
ちなみにこのトレイラーはポーランドで撮影されたもので,押井氏はその時のエピソードも披露した。これまで数多くの戦車に乗った経験を持ち,戦車について知り尽くしているという押井氏は,このトレイラーで,戦車のコクピット内の“狭さ”を表現したとのこと。押井氏曰く,アニメーションでも戦車内の描写はあるが,作り手が分かりやすいように都合のいい画を作ってしまうため,本当にリアルな戦車を表現している作品はなかなかないのだと話した。そのためトレイラー内では,戦車内の“息苦しさ”や“閉塞感”を前面に押し出すことに注力したのだそうだ。
押井氏の話を聞いた片岡氏は,ゲームでも押井氏の言う息苦しさや閉塞感には気を使ったという裏話を披露し,そういったこだわりを押井氏と共有できていたことは非常に嬉しいとコメントした。
また,片岡氏は実際にポーランドのトレイラー撮影現場に立ち会ったとき,戦車のハッチの重さに驚いたという。ゲームでは簡単に空けている様に見えるハッチだが,一度閉めてしまうと簡単には開かないため,閉じられたような感覚で本当に怖かったと,現場を振り返っていた。
イベントはその後も興味深い話が続き,集まったファンは最後まで熱心に聞き入っていた。ステージの最後には北林氏が「押井監督も参加してくれて,非常に大きな力を得ることができました。カジュアルゲームが多いキネクトですが,重鉄騎はその中でもガチで作ったゲームです。ぜひ皆さんにプレイしてほしいと思いますね。」とコメント。
片岡氏は「本作は発売するまでにいろいろな人の協力を得てきました。開発力に定評のあるフロムソフトウェアさん,Kinectの技術を提供してくれた日本マイクロソフトさん,さらに押井監督というもの凄い力も借りることができました。ファンの方に満足してもらえる仕上がりになっているので,皆さんぜひよろしくお願いします」と挨拶した。
押井氏が監督したトレイラーにも登場するオリジナルエンブレム「黒衣の未亡人」が,本作の発売日である6月21日に配信される |
トレイラーのメイキング映像や押井氏へのインタビューなどが収録された「メイキング・オブ・重鉄騎×押井守」(仮)が8月中旬に発売されることも明らかになった |
押井氏は「重鉄騎は,自分がやりたかったことにかなり近い作品だと思いました。トレイラーを撮っている間に,『これは映画になったら絶対に面白いな』という確信を持ちましたしね。ゲームがたくさん売れればカプコンさんが映画にしてくれると思うので,そのときはぜひ撮らせてほしいです」と映画化をアピール。続けて「不吉なことを言うようでアレですけど,逆にこれが売れなかったら,『重鉄騎』の映画を撮ることでゲーム版の宣伝をしたいですね(笑)」と,らしいコメントでステージを締めくくった。
「重鉄騎」公式サイト
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