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“新機体”の戦闘ヘリでも遊べた,「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」メディア向け先行体験会の模様をレポート。「F-4E Phantom II」のプレイシーンを含む新トレイラーも掲載
本稿では,本作のプロデューサー兼ディレクターである河野一聡氏によるプレゼンテーションの模様と,実際にプレイしたレポートをお伝えしていこう。
「ACE COMBAT ASSAULT HORIZON」公式サイト
「エースコンバット」シリーズ公式サイト
「エースコンバット」ブランドのステップアップを狙うために
PROJECT ACESチームの総力を結集した「ACAH」
今回のプレゼンでは,すでにお伝え済みの情報も含まれているが,復習の意味も込めて,あらためて紹介していこう。
「ACAH」の開発には,「ACE COMBAT 04 shattered skies」(エースコンバット04 シャッタードスカイ),「ACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR」(エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー),「ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR」 (エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー),「ACE COMBAT 6 解放への戦火」に関わってきたコアスタッフを呼び集めて,文字どおりPROJECT ACESの全勢力を結集して制作に取り組んでいるという。
公式サイトのスタッフコメントにもあるように,ゲームデザインディレクターに井崎夏樹氏,リードプログラマーに大田黒鉄也氏,アートディレクターに菅野昌人氏,ビジュアルディレクターに糸見功輔氏,サウンドディレクターに小林啓樹氏と,そうそうたる面子が本作の制作に携わっている。
河野氏は,これだけの開発スタッフを投入した意図として,「エースコンバットというブランドをもう一段上のものにしたい」と語っていた。
端的に言えば,2011年10月の時点で,「ACAH」が日本のHDゲームとして存在感を示せるかに挑戦するためのもので,“一段上”という言葉には,発売日の2011年10月13日時点で「世界に向けて発売したとき,“時代と呼吸できているゲーム”に仕上がっているのか」「ほかのタイトルと比べたとき,同じポジションに立って勝負ができるのか」という意味が込められているそうだ。
また,「ACAH」のタイトルについて,アサルトには「激しい攻撃」,ホライゾンには「新しい地平」という意味を込めているとのこと。
エースコンバットシリーズは,17年もの長い歴史を持つものの,システムそのものには大きな変更が加えられてこなかった。今の時代に合ったフライトシューティングゲームとはどんなものなのか,これから来るフライトシューティングゲームの“地平”という思いを込めて,「アサルト・ホライゾン」というタイトルに決定したという。
ACAH最大のウリは,「至近距離で敵を木っ端微塵に破壊する,未体験のドッグファイト」だと河野氏は述べる。本作では,「クロスレンジアサルト」という新しいシステムをコアにしたドッグファイトを楽しめる。これまでは,シューティングゲームが得意な一握りのプレイヤーしか体験できなかった,迫力ある戦闘機同士の戦闘が,「ACAH」では誰でも体験できるようになるという。
もう一つ,「エースコンバット」の最大の敵は“地面”だと言われていることについての対策として,「クロスレンジアサルト」を使った「エアストライクモード」という地上攻撃のシステムを用意した,と河野氏は述べる。
エアストライクモードでは,低空飛行しながら敵部隊に攻撃して大打撃を与えることができるのが特徴で,システム発動時にはズームカメラ,スローモーションといった演出もなされるそうだ。
なお,エアストライクモードを使わないとクリアできないというようなものではなく,地上を攻撃してからの離脱を繰り返すという,従来のような遊び方も可能だという。
河野氏は,いずれにおいても,公開されている迫力あふれるスクリーンショットのような体験が誰でもできるようになる,という点を強調していた。
また,ビショップの僚機パイロットとしてともに戦うアメリカ空軍大尉のホセ・“ガッツ”・グティエレス,戦闘ヘリのパイロットであるダグ・“ディーレイ”・ロビンソン,爆撃機とガンシップのパイロットであるジャニス・ニールといった登場人物達のエピソードもストーリーに盛り込まれることになる。
ホセ・“ガッツ”・グティエレス |
ダグ・“ディーレイ”・ロビンソン |
ジャニス・ニール |
ドアガンナー |
本作の特徴であるドッグファイトモードでは,乱戦の中でのドッグファイトとは一味違った,1対1の派手でエキサイティングな激しい戦闘を楽しめるということで,“最凶”のライバル,アンドレイ・マルコフを用意したとのこと。ライバルとの1対1のドッグファイトは,物語とゲームの両方で大きな意味合いを持つそうだ。
「ACAH」では,戦闘機をはじめ,戦闘ヘリ,大型爆撃機などさまざまな航空兵器を,すべてプレイヤーが操作可能となっている。中でも攻撃ヘリは,ホバリングから武器斉射で地上の敵をなぎ払うといったプレイができるというように,既存シリーズとはまったくことなる,新しい試みとして採り入れられている。
ドアガンナーについては,人の肩越しの視点でのシューティングという要素を取り入れることで,「イベントシーンでは人が出てくるが,ゲーム中には戦闘機ばかりで人が出てこない」という,既存シリーズで欠けていたイメージの部分を補完する役割を持たせたかったそうだ。また,ミッションとしては,撃ち放題の爽快感を重視したものになっているとのこと。
ガンシップについては,「『ACAH』では,空に関する戦いのものは全部入れよう」という方針から実装が決まったそうだ。基本的にはモニターで地上を確認し,敵機を破壊するというものだが,演出やストーリーなどはPROJECT ACESならではの作り方をしていて,それを楽しんでもらえるような形に落とし込んでいるとのこと。
また,大型爆撃機に関しては,作り方でずっと悩んでいたそうだが,爆撃機の“シズル感”というかキモの部分は,弾倉を開いて絨毯爆撃をするところであり,そこをゲームにしなければという思いからできたシークエンスで,ミッションも大型爆撃機ならではのものを楽しめるとのことだ。
河野氏は,既存シリーズのファンはともかく,新規層にとっては戦闘機の操作が難しいことがハードルになっていると説明。そのため,「スタンダード操作」を見直し,左アナログスティックを上下左右に倒せば,上昇/下降/左旋回/右旋回というように,ダイレクトな操作感を実現した。また,視点においては3人称視点を基本としており,操作したときに,自分と敵との位置関係などがはっきり分かるよう,配慮したそうである。
もちろん,飛行機らしい動きを“ある程度”実現している「オリジナル操作」も用意されており,プレイヤーは好きなほうを選んでプレイできる。
河野氏は,この二つの操作体系とカメラ視点と組み合わせで「全然違う顔を持つゲームになりました」と語り,リプレイアビリティにつながっているのではないかとまとめた。
すなわち,スタンダード操作はカジュアルで,「敵を撃墜して“楽しい”“気持ちいい”“かっこいい”と楽しむことができる」もので,オリジナル操作では,慣れれば敵に素早くアプローチでき,敵を追いかける/敵に追われるときの緊張感が高く,“凶暴”な「エースコンバット」となるそうだ。それぞれまったく別のゲームのように感じられ,両方ともが面白い,二面性を持つゲームになっているのだと河野氏は述べた。
最後に取り上げられた,オンラインのマルチプレイモードである「首都攻防チームバトル」では,マイアミ,ドバイ,パリなど,世界各国に実在する大都市を舞台に,8対8のチーム戦が楽しめる。なお,首都攻防チームバトルには東京も入るとのことなので,今後の情報公開を楽しみに待っていてほしい。
このモードでは,戦闘機,攻撃機,戦闘ヘリ,大型爆撃機すべてが1マップで使用可能という点が特徴。フィールドがあって,選べる機体やスキルは自由,戦略もプレイヤー次第というコンセプトになっている。結果,いい意味で非常にカオスなものに仕上がっていると,河野氏は述べ,プレゼンテーションを締めくくった。
戦闘機と戦闘ヘリの2ミッションを実際に遊んでみた。いずれも感覚は異なるが“破壊”の爽快感は格別
体験会では,戦闘機と戦闘ヘリのチュートリアルミッションを,それぞれ一つずつプレイできた。なお,会場にはPlayStation 3版とXbox 360版の両方が用意されていたが,今回はXbox 360版でプレイした。記事内のボタン表記も,Xbox 360版に準拠している点は,あらかじめご了承いただきたい。
なお,今回プレイできた範囲のうち,戦闘機のミッションについては,以下にムービーを掲載しておくので,ぜひチェックしてほしい。尺が10分近くあるロングバージョンとなっているが,本作の雰囲気を堪能できるはずだ。
※掲載時に本ムービーを初出として記載してしまいましたが,以前に掲載したものと同内容だったため訂正するとともに,お詫びいたします。
戦闘機ミッションのステージは,アメリカ・マイアミ上空で,国籍不明の戦闘機とアメリカ空軍が戦いを繰り広げるというシチュエーションで,基本的な操作方法やドッグファイトモード/カウンターマニューバの発動といった操作をひととおり説明されたあと,実戦に入ることになる。
オリジナル操作の場合は,左アナログスティックの上下でピッチダウン/アップ,左右でロールとなり,RB/LBボタンでのヨーの操作も必要になるため,機体コントロールの難度が上がるが,よりリアルなフライト体験ができる。
敵機を“クロスレンジサークル”の範囲内に収めた上体でRB/LBボタンを同時押しすると,クロスレンジ・アサルトが発動し,敵を追いかけるドッグファイトモードに突入する。
筆者は,フライトシューティングは下手の横好き程度の腕前なので,既存シリーズでは機体を制御するだけで精一杯だったのだが,「ACAH」のドッグファイトモードでは,猛スピードで大空を舞う敵機を追いかけて撃墜するという,1対1の空中戦が存分に堪能できた。
筆者がプレイした限りでは,通常の敵機なら,ドッグファイトモードに入らなくとも撃墜できたが,エースパイロットなど特別なパイロットが相手のときは,ドッグファイトモードを使わないと,倒すどころか攻撃を当てることさえできなかった。
敵機との距離による武器の使い分けが重要で,機関砲はかなり接近しないと当たらないし,ミサイルはロックオンしていない状態で撃っても,当たる可能性は低い。加速して接近すると攻撃は当てやすくなるが見失いやすく,減速して距離をおくと敵機を補足しやすいが攻撃を当てにくいというバランスも,戦闘の緊張感を高めるのに一役買っている。
なお,ドッグファイトモードはプレイヤーだけではなく,敵機側も使ってくる。この場合は逃げ回ってターゲットをそらすほかに,「カウンター・マニューバ」を使うことで,形勢を一挙に逆転できる。カウンター・マニューバは,機体を水平に保った状態で減速画面上に表示される“マニューバサイン”が表示されたところでRB/LBボタンを同時押しすると,敵機の背後に回りこみ,攻守を逆転させられるというものだ。
敵機を撃墜すると,きりもみ状態で墜落しながら翼が取れたり,派手に爆発を起こしたり,ときにはパイロットが空中に投げ出されたりする。「ここまでやるか!」と言いたくなるほど破壊描写に力が入っており,相手を倒したという爽快感はかなりのものである。
戦闘機とはまったく違う楽しさの「戦闘ヘリ」。圧倒的な火力で地上を掃討する気持よさは格別
戦闘ヘリの操作方法は,左アナログスティックの上下で前進/後退,左右で横への水平移動,降下と上昇はA/Bボタンで行う。旋回は右アナログスティックで行い,こちらは銃の照準も兼ねている。攻撃は,RTボタンが機関砲,RBボタンがミサイルなどの特殊兵装で,Xボタンで特殊兵装の切り替えを行う。
そのほか,LTボタンで“注視”となり,ロックオンとカメラのズームインが行われる。また,RBとLBの同時押しでカウンターマニューバという緊急回避動作も可能だ。
プレイできたミッションは,東アフリカを舞台に,捕虜となった友軍の兵士を助け出すため,空から支援を行うという内容になっていた。
ステージのさまざまな場所に順次展開する敵軍を殲滅していくのだが,空中から圧倒的な火力で倒していくのがとても爽快に感じられた。ただ,戦闘ヘリの耐久力はあまり高くないので,攻撃を受け続けているとあっけなく撃墜されてしまうのだが。
戦闘ヘリを操縦しながら照準をつけるのは難しいかと思っていたが,LTボタンの注視を行えば,歩兵のような小さい標的にもロックオンできるので,細かい操作はそれほど必要ない。また,このミッションで使えた特殊兵装では,複数のミサイルを一斉に発射し,敵の部隊をなぎ倒せたのも爽快だ。まあ,ミサイルには弾数制限があったので,あまり撃ちまくると,ミッションの途中で弾切れになって困ってしまうのだが。
どちらもチュートリアルミッションとはいえ,ボリュームはしっかりある。両方のミッションを遊ぶため,筆者は途中で切り上げてしまったが,1つのミッションをクリアするまで,少なくとも30分から1時間は楽しめそうである。
今回は戦闘機と戦闘ヘリを使って遊ばせてもらったが,機体のスピード感や攻撃しているときの感覚は当たり前だがまるで別物で,それぞれに違った楽しさがある。とくに戦闘ヘリのミッションは,これまでの「エースコンバット」にはなかった新体験ということもあり,まだまだ遊び足りないと感じられた。
先に河野氏のプレゼンで述べられていたように,「ACAH」にはこのほかにも,ガンシップや大型爆撃機,さらにはドアガンナーといったミッションも用意される。それらのミッションも遊んでみたいと思わせられるほど,いずれも高いクオリティでの“空中戦”が楽しめた。
「Rebirth」というキーワードのとおり,まさに生まれ変わった「ACAH」だが,既存シリーズのいい部分を残しつつ,フライトシューティングゲーム初心者にもオススメできる1本に仕上がりそうな予感である。本作の発売は10月13日予定とちょっと先の話だが,本稿を読んで気になった人は,ぜひ今後も注目してほしい。
なお,本作の予約特典限定のダウンロードコンテンツである「F-4E Phantom II」のムービーを最後に掲載しておこう。Phantom IIは予約特典のみで,以降は手に入れるチャンスのないコンテンツとなるので,確実に手に入れたい人は忘れずに予約をしておこう。
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