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新感覚バトルゲーム「ドラゴンボール ZENKAIバトルロイヤル」,プレイフィールから開発コンセプトまで網羅した,タイトル発表会レポート
「ドラゴンボール ZENKAIバトルロイヤル」オフィシャルサイト
「ドラゴンボール ZENKAIバトルロイヤル」は,11月25日の記事でお伝えしたとおり,人気漫画「ドラゴンボール」をもとにした“全国ネットワークバトルロイヤルゲーム”だ。タイトルにあるように,4人のプレイヤーによるバトルロイヤルがフィーチャーされており,格闘ゲーム的な攻防の駆け引きはもちろんのこと,刻々と変化していく状況に対応していく立ち回りが重視されたタイトルになっている。グラフィックスはアニメというよりはフィギュアのような質感を持っていて,これまでにリリースされたドラゴンボールのゲームとは,一味違った印象を受けた。
プレス向けの体験プレイに先駆け,プロデューサーを務めたバンダイナムコゲームスの田宮幸春氏より,本作のコンセプトや魅力などを伝えるプレゼンテーションが行われたので,プレイフィールと合わせ,こちらもお伝えしていこう。
お手軽操作でダイナミックなアクションが楽しめる,爽快バトルゲーム
それではさっそくゲームの詳細について紹介していこう。「2人勝ち残り式の4人対戦」というルールが採用されている本作では,自分以外のプレイヤーはすべて敵となる。ネットワークを介して全国のプレイヤーとマッチングが可能で,対戦で1位,2位になった場合は,ほかの店で勝ち残ったプレイヤーと,続けてマッチングが行われて次の対戦が始まる仕組み。3位,4位になった場合は,ゲームオーバーとなってそこで終わってしまう。
勝敗の判定はシンプルで,タイムアップ時に体力の多い2人が勝ち。対戦時間は180秒だが,体力が0になったプレイヤーが2人になると,その時点でゲームは終了となる。
操作はレバー1本と5ボタンで行い,それぞれのボタンはサーチ/ガード/攻撃/気弾/ジャンプに対応する。
サーチボタンはロックオンする相手を切り替えるボタンで,押すたびにトグルで切り替わる。ロックオンしている/されているという関係は,ゲーム内で矢印で表示されていて分かりやすい。自分に向かっている矢印が多いときは,自分がそれだけマークされていることを示していて,かなりヤバイ状況ということになるわけだ。
ガードボタンは,押している間は防御体勢を取るボタン。ガード中は正面からの攻撃を防げるし,そのまま動くことも可能だが,背後からの攻撃には無効となる。
打撃ボタンは,パンチやキックなど近接攻撃を繰り出すボタンだ。連打するだけでも派手な連続攻撃を繰り出せるほか,レバーとの組み合わせでもモーションが変わる。フィールドのオブジェクトを打撃ボタンで攻撃すると,岩山などでも簡単に壊せてしまう。ドラゴンボールらしさがよく表現されているのはもちろん,相手から遮蔽を取って隠れることも重要な本作では,地形の変化も重要な攻略要素になりそうだ。
気弾ボタンは,シンプルなエネルギー弾を発射する遠距離攻撃用のボタンだ。このボタンは,キャラクターによって使い勝手がかなり違うようで,例えばベジータなら,原作のように無数の弾を連射できて,高性能だ。クリリンの場合は,スピードは遅いものの,誘導性能が高い気弾となって,牽制に優れている。気弾一つとっても,キャラクターごとの性能にかなり違いがあるのが分かるだろう。
これらの攻撃が届く間合いは,ロックオンしている相手の周辺に表示されるマークの色で判断することができる。マークの色が赤くなるのが打撃攻撃が当たる間合い,青いのが気弾攻撃の間合いだ。それ以外の色なら,どの攻撃も当たらない間合いということになる。単純な距離のほか,角度によっても当たらない間合いがあるので,位置取りは重要になるだろう。
最後にジャンプ。ただ空高くジャンプできるだけでなく,押し続ければ舞空術で空を飛べる。戦闘ステージは地上だけでなく,空にも広がり,全天を使用した広大なフィールドで戦えるというのが,とても爽快だ。
応用操作として「打撃+ガードの2ボタン同時押し」で“投げ飛ばし”,「打撃+気弾+ジャンプの3ボタン同時押し」で,気力を消費した“必殺技”(悟空なら「かめはめ波」「元気玉」,クリリンなら「太陽拳」「気円斬」など)が発動する。各キャラごとに必殺技は4種類以上用意されており,レバーニュートラル,もしくは上下左右のいずれかとの同時押しで,どの必殺技を出すかが選べる仕組みだ。
そのほかにも「気弾+ジャンプの2ボタン同時押し」で,気力を消費してロックオン相手に急接近する“ホーミングダッシュ”,「ガード+打撃+気弾+ジャンプの4ボタン同時押し」で緊急回避に使える“気爆破"などの操作がある。いずれも使いこなせれば,強力な選択肢になりそうだ。
キャラクターについては,今回の体験会では,悟空,クリリン,ピッコロ,ベジータ,フリーザ,人造人間16号の6人がプレイアブルになっていた。ただしキャラクターの枠はまだまだたくさんあったので,これからの追加キャラに期待したいところ。
またステージは,渓谷と平原で構成された,これまたドラゴンボールらしいステージ。稼働後の対戦マップは,プレイヤーの選択ではなく,時期によって自動的に切り替わる仕組みになるようだ。その代わりというわけでもないが,プレイヤーはマップ全体から,スタート地点を選ぶことができる。選択によっては,いきなり2人に挟まれた状態から始まったり,逆に1人だけ取り残されたりと,展開に大きく影響しそうなところが面白い。
なおゲームモードは「1人で参戦」「友達2人で対戦」「友達4人で対戦」の3つから選ぶことができる。いずれの場合もルールは一緒だが,マッチングの仕方が変わる形だ。
「1人で参戦」の場合は全国のマッチングリストから同レベルのプレイヤーがマッチングされ,「友達2人で参戦」の場合は,同じくほかのお店で「友達2人で参戦」を選択している相手とのマッチングが行われる。「友達2人で参戦」してもルールはバトルロイヤルなので,友達を裏切ったりすることもできる。その際はリアルな友情を消費することになるかもしれないが,どちらか片方が勝ち残れば,その場でコンティニューできるそうなので,ちょっと安心だ。
「友達4人で対戦」は,店内対戦となって仲間内でのプレイが可能。1人でも友達同士でも遊べるように配慮されているのが嬉しいところだろう。
実際に遊んでみた感じでは,けっこう適当に操作していても,アニメさながらのスピーディで派手なバトルが展開されるのが,新鮮で楽しく感じられた。操作系はかなり簡略化されていて,遊ぶためのハードルはずいぶん下がっているようだ。
ただし操作自体は簡単なものの,自由自在に動かせるようになるには,慣れが必要そうだ。体験会ではCPU戦と,4人フルメンバーでの対人戦を試すことができたのだが,最初は画面の情報量を追うのが大変で,近くにいる相手ばかりを攻撃していた。
何度か遊んでいるうちに状況を見て動くことにも慣れ,サーチボタンで1位の人を狙って攻撃を仕掛けたり,逆に自分が上位のときは相手から間合いをとったりと,立ち回りを覚えてはきたものの,細かい駆け引きについてはまだまだだ。
プロデューサーの田宮氏によれば,本作の魅力は「体力によってレースゲームのように順位が常に入れ替わる」点にあるという。3位と4位のプレイヤーが,勝ち残るために結託し,1位のプレイヤーを狙うようなシチュエーションがよく起こるとのこと。そのための協力技も多数用意されており,2人で同じ相手を攻撃したときに発生する“ツープラトン攻撃”や,相手を拘束してほかのプレイヤーに攻撃してもらう“羽交い締め”などがある。
逆にそんな1対多の状況を打開するための技として,“マルチカウンター”や“気爆破”があって,このあたりのバランス調整もぬかりはなさそう。また本作の投げ技は,相手を別の相手に向けて投げ飛ばす仕組みなので,大技の発動に合わせて投げ飛ばし,巻き込ませるといった連携のほかに,うっとおしい相手をほかの人に押しつけるという意味もあるそうだ。
「攻撃と防御のバランスのほか,戦況のコントロールが重要」という田宮氏。狙われやすい1位の影で,こっそり生き延びやすい2位を狙うというのも一つの手で,ひたすら逃げ回っていても構わないという。ただし“ホーミングダッシュ”が高性能な本作では,一度狙われたら逃げ切るのは難しい。このため「180秒間追いかけっこをして終了しました」というようなことは起こりえないそうだ。
キャラクターもそれぞれ特徴が付けられていて,悟空ならかめはめ波や元気玉など溜め系の技に秀で,ベジータは連射性能に長けている。
クリリンはトリッキーな動きが可能で,本作における「逃げてもOK」というコンセプトを体現したキャラクターだという。例えば“太陽拳”で相手のロックオンから逃れたり,残像拳で二手に分かれたり,などといったことができるそうだ。
フリーザは遠距離特化型で,フィールドの端から端まで届く攻撃や,FPSのスナイパーのような狙撃が可能という「デスビーム」といった必殺技を備えている。当てるのはなかなか難しいそうだが,当たった場合は相当なダメージとのことで,田宮氏によると「男のロマンを感じる」攻撃とのことだ。
このほか,腕を伸ばして相手を拘束できるピッコロや,マウントポジションが取れる人造人間16号など,それぞれできることは大きく変わってくる。
ベジータのような高性能キャラクターで正面からガンガン攻めるも良し,ほかのキャラクターの目の届かない位置から,大技でまとめて片付けるも良し。バトルロイヤルならではの「何でもあり感」が,本作の最大のウリだそうだ。
現状の対戦ゲームの問題点を解決し,新しいバトルが楽しめるタイトルを目指す
しかしアーケードで隆盛を極めた同ジャンルの市場は,いまや超成熟化し,プレイヤーは減少傾向にあるという。その原因のひとつとして,今回のプレゼンテーションでは,対戦レベルの先鋭化によって「勝てない」プレイヤーが増えたことが挙げられた。そこで田宮氏はこの問題点をひっくり返し,「これなら勝てそうと思えて、それだけでなく今までにない新鮮な面白さを楽しめる対戦ゲーム」というコンセプトを掲げ,本作を制作したという。
本作では,今までの対戦ゲームのように,操作テクニックや反射神経で相手をねじ伏せるような戦い方,楽しみ方ももちろん可能だが,状況を見て立ち回り方を変えてみるなど,頭を使ったプレイでも勝つことができる。反射神経で勝負できなくなってしまった人にも訴求できる,新感覚の対戦ゲームになっているそうだ。
ちなみに本作を見た人が最初に抱きがちな,「機動戦士ガンダム vs.」シリーズのドラゴンボール版ではないか? という解釈については,ハッキリと否定が行われた。使用基板は「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」と同じSYSTEM357ということもあり,筆者としても第一印象では同様に思ったものだが,実際のプレイフィールはまったく違う。ゲームエンジンの流用なども行ってないそうで,完全な新作タイトルであることが強くアピールされた。
そのほかICカードでのキャラクターカスタマイズや,エンブレムや称号といった流行の要素もサポート。長期運営を視野に入れたアップデート計画も予定されているとのこと。もしかしたら超サイヤ人のようなスーパーキャラクターも,いつの日か使えるようになるかもしれない。
稼動時期はまだ未定なものの,先の記事でお伝えしたとおり,来月12月10日からは,初のロケーションテストも開催される。ドラゴンボールファンや対戦ゲームファンは,本作が切り開く新しい対戦ゲームの未来に期待しつつ,足を運んでみてほしい。
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