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「龍が如く5」(仮)「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」に加え,「バイナリー ドメイン」のキャスト陣も発表。「龍が如くスタジオ」発足記者発表会をレポート
まず最初に登壇した名越氏は,「龍が如く」シリーズは自分のクリエイター人生にとって大きな分岐点であったとコメント。そして,今日を境にいろいろな作品を龍が如くスタジオで作っていきたいと話した。スタジオ名については,「ベタな名前ですが,『龍が如く』シリーズはスタッフにとって原点ともいえるタイトルですから,このようにしました」とのこと。つまり,龍が如くだけを作っていくスタジオというわけではないのだ。
続いて,菊池正義氏(「龍が如く」シリーズのチーフプロデューサー/「バイナリー ドメイン」のプロデューサー),佐藤大輔氏(「龍が如く」シリーズディレクター/「バイナリー ドメイン」ディレクター),小川陽二郎氏(「クロヒョウ 龍が如く新章」プロデューサー),横山昌義氏(「龍が如く」シリーズのシナリオ/演出を担当)がずらりと登場して挨拶を行った。
まずはPSP用の新作「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」(以下,クロヒョウ2)だ。本作は,前作「クロヒョウ 龍が如く新章」から一年後の神室町と,クロヒョウでは新たに登場することになる,大阪の蒼天堀(「龍が如く2」以来の登場)を舞台に,前作の主人公「右京龍也」が数多くの出会いを通して成長していくという物語が描かれる。初公開されたティザームービーでは,前作と同じく,コミック調のイラストで展開されるイベントシーンや,龍也がリング上で戦うシーン,そして,蒼天堀らしき町並みなどが確認できた。
また,自分の好きな仲間を連れて,街で一緒に遊んだり喧嘩したりが可能になっており,“大阪ならでは”のアルバイトも充実しているという。当然のことながら(?)キャバクラにも力が注がれているとのことなので,そちらも楽しみにしておきたい。クロヒョウ2の発売は来年の春が予定されており,東京ゲームショウ2011には,試遊台も用意される。
ここでバイナリー ドメインを紹介するため,佐藤氏が再び登場。ちなみに名越氏によると佐藤氏は「龍が如く」シリーズをずっと作ってきた人物で,シリーズにはなくてはならない人物。しかし,そこまで外したくない人間だからこそ,新しいチャレンジをさせるべきだと思ったという。
ここで佐藤氏から「バイナリー ドメイン」の背景が説明されたが,物語の概要については「こちら」や「こちら」の記事に詳しく書かれているのでチェックしてほしい。
佐藤氏によると,本作はNPCの「信頼度」という要素が重要になるそうだ。仲間達は信頼度というパラメータを持っており,プレイヤーの選択/行動に応じてそれが変化していく。例えば,プレイヤーがちゃんと作戦どおりに動かなかったり,仲間がピンチになるようなプレイを続けていると,この信頼度が下がり,会話がぶっきらぼうになったり,プレイヤーの作戦提案を受け入れてもらえなくなったりする。もちろん,逆に信頼度が上がるように行動していれば,彼らもプレイヤーのことを考えてくれるようになるのだ。
ご存じのように本作は音声認識にも対応しており,実際にマイクに向かって言葉を発することで,NPCがリアクションを返してくれる。また,会話はすべてフルボイスで行われる。
音声認識の能力はNPCだけではなく,敵のAIも持っており,さらに戦況に応じて独自に行動する自律思考型のAIが採用されているという。モーションも,あらかじめプログラムされたものだけでなく,自動生成されたものが使われる場合が多いそうだ。佐藤氏は,「いわゆるザコと呼ばれている敵と戦っているだけでも,十分楽しめる」と語った。
続いて日本語音声を収録したバイナリー ドメインの最新ムービーが公開されたが,ここで気になるのがキャラクターの声を担当するキャスト陣。発表によれば,キャラクターの声を担当するのは,以下の豪華なメンバーである。
内務省警察局刑事 黒澤:北村一輝さん
IRTA作戦本部司令官 フィリップス少佐:遠藤憲一さん
地下スラム街の少女 ユキ:武井 咲さん
疑惑の天才科学者 天田洋二:竹中直人さん
地下スラム街の黒幕 三船:松方弘樹さん
名越氏によると,バイナリー ドメインのキャスティングは,武井さんを除いて全員,なんらかの形で「龍が如く」のプロジェクトに関わっていた人達だそうだ。名越氏は「一緒にお仕事をして,僕らにエネルギーを与えてくれる役者さんが沢山いらっしゃいました。機会があれば,また一緒に仕事をしたいと思っていたので,新タイトルであえて,そういう方々の力を借りました」と話す。
なお佐藤氏によると,東京ゲームショウ2011では本作の最新映像の公開に加えて,30台ほどの試遊台を用意するとのこと。最大の特徴でもある音声認識についても,ボイスコマンドでプレイできる専用ブースを用意しているそうだ。
本作については,発売時期やハードなどを含めて詳細が明かされることはなかったが,名越氏によると,ゲーム設計を一から作り直して制作されているため,まったく新しい作品になるとのこと。続報は,今後発表されていく予定だ。
発表会の最後に名越氏は「龍が如くスタジオでは,今日発表されたもの以外に,複数のタイトルが始動しています。我々は『龍が如く』シリーズの開発を通じて,さまざまなノウハウやマインド,情熱など,これからのゲームに必要な事を学んできました。我々がなんのために仕事をしているかといえば,それはユーザーのためであり,それはいつでも同じです。龍が如くスタジオのロゴが付いた商品とは,そういうことを一生懸命考えた連中が使ったものなんだと,皆さんに受け止めてくれる日が来るように精進してまいります。よろしくお願いします」とコメントして発表会を締めくくった。
発表会の最後には,名越氏の囲み取材が行われたので,本稿の締めとしてお届けしよう。
――発表会を終えての感想をお願いします。
名越氏:
こういう取り組みを発表させてもらったことは素直に嬉しいですし,それに相応しい新しいタイトルを発表できたという意味では,いい立ち上げになったと思います。まあ,結果が出るのはこれからですから,大変だなっていう気持ちも大きいですね。
――「龍が如く5」のコンセプトを教えてください。
名越氏:
さきほど,「龍が如く5」はこれまでのシリーズとは設計が違うといいました。それは,技術的な面,そして遊び方のスタイルについて新鮮なものを追求していくということです。しかし,「龍が如く」が大きくひっくり返ることはありません。今まで「龍が如く」を遊んで,「楽しい」と感じてくれた方々に,また買ってもらえる作品になればいいと思います。
――「龍が如くスタジオ」になって,何か感じることはありますか?
名越氏:
今回の発表は,「もう一回気合いを入れ直したいね」という,我々のメッセージのようにとらえてもらうのが,ちょうどいいかもしれません。
――東京ゲームショウ2011で「龍が如く5」の情報は公開されるのでしょうか?
名越氏:
う〜ん。どうなんでしょう(笑)。龍が如く5の発表に関しては,ちょっと早かったなという気がしているんですが,ただ,時期尚早なのにイベントに合わせて,あわてて発表したということではありません。僕もどっちかっていうと言いたがりですし,うちのチームも早く出したがりなので,そういう意味では「いつまで待たせるんだ!」と石を投げられるようなことはないですよ。
ただ,ちょっと待ってほしいなというのはありますね。そのために設計を変えたわけですから。設計を変えなかったら,5はすぐに出来ていました。だけどユーザーはそれを望んでないと思いましたしね。「龍が如く OF THE END」では,いい意味で,クリエイターとして結構遊ばせてもらったんで,龍が如く5は,その恩返しを込めた作品にしたいですね。
――ありがとうございました。
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