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海外ゲーム四天王 / 第69回:「MX vs. ATV Reflex」
少しでも気を抜くと転倒してしまいそうな,荒れ果てた地肌がむき出しの悪路を疾走し,そこかしこにセットされたジャンプ台で大ジャンプをして派手な空中パフォーマンスを見せる……。「MX vs. ATV Reflex」は,オートバイとATV(四輪バギー)による豪快なレースとアクションの両方が楽しめるゲームだ。
2005年にリリースされた「MX vs. ATV Unleashed」,そして2007年にリリースされた「MX vs. ATV Untamed」に続く,シリーズ第3弾となる作品で,従来作同様,アメリカのアリゾナ州にあるTHQの子会社の一つ,Rainbow Studiosが開発を担当している。
「MX vs. ATV Reflex」公式サイト
プレイヤーは,モトクロッサーとATVの2種類を操るレーサーとなって,さまざまなレースに挑戦していくこととなる。
モトクロッサーとは,ライトやウインカーといった一般道で必要な部品を外し,前後のサスペンションを強化するなどの改造を施した専用オートバイで,未舗装の悪路を走ることを目的としている。またATVとは,All Terrain Vehicleの略称で,こちらもやはり未舗装の不整地を走破するために作り出された四輪車のことを指す。四輪車ながら,ハンドルがオートバイのようにバータイプのものとなっているのが特徴だ。
本作でプレイヤーが操れるマシンは,450ccのエンジンを搭載したMX,125ccエンジンを積んだMX Lite。さらに四輪車としては,タイトルにもなっているATVのほかに,パイプフレームにシンプルなカウルを被せたSports Buggy,ピックアップトラックのような外見を持つSports Truck,強力なV8エンジンを搭載したSports 2 Truck,そしてバギーを小さくしたようなUTV(Utility Terrain Vechle)の合計7種類と豊富だ。
マシンのチューニングは,サスペンションをハード気味にするかソフト気味にするか,ブレーキの効きを強くするか弱めるかといった大雑把なもので,あまり細かいセッティングはできない。ただ,マシンやレーサーの服装の色を変えたり,レーシングスーツの背中に入れる名前を好きに設定したりなどが可能で,見てくれのオリジナリティは生み出せる。
ゲームモードには「ARCADE」「MOTOCAREERE」,そして「MULTIPLAYER」の3種類が用意されている。ARCADEには,コースを自由に走り回る「Free Ride」や,AI操作のライバル達としのぎを削る「Supercross」,空中アクションの派手さを競う「Freestyle」など7種類のレースモードがあり,好きなものを選んでプレイできる。MOTOCAREEREはキャリアモードで,新米レーサーとしてスタートしたプレイヤーが,レースシーズンを戦っていくというもの。そしてMULTIPLAYERでは,オンラインで世界中のゲーマーとレースが楽しめる。
レースコースは,スタジアムのようなクローズドの場所のほか,砂浜,山岳地帯などで,コースのあちこちにバンクや,ジャンプ台などがあり,路面にもわざとこぶやうねりが作られていたりなど,いずれもエキサイティングな作りになっている。
こうしたコースを手強いライバル達と共に走り,勝利を目指すわけだが,本作というか,シリーズ共通の特徴的な部分は,ジャンプ中にさまざまなアクションを繰り出せることにある。アクションとしては,ジャンプしているときにハンドルから手や足を離したりといった初歩的なものから,マシンから完全に体を離してしまうエキサイティングなものまでが,方向キーとアクションキーの組み合わせによってできるのだ。
ベタ踏みでジャンプ台に突入し,空中へ。そして華麗なパフォーマンス。いやあ,どう考えてもゲームでしか体験できない,エキサイティングなレースが楽しめるのだ。
さらに,レーサーの重心移動によるマシンの挙動変化が再現されている点も見逃せない。つまり,方向キーでマシンのハンドル操作をするのとは別に,ライダーの体を前後左右に傾けることでマシンの重心を変化させられるのだ。例えば,ジャンプ台に突入する直前にライダーの重心を後ろに移動させて飛距離を稼いだり,着地でバランスを崩したときに,方向キー+重心移動でバランスを取り戻し,転倒を回避して走り続けたりといったことができるわけだ。
ジャンプ後の着地などでふらついてしまったバイクをなんとか立て直しできたときなど,「おおーっと,あぶねー! ヤバかったなあ……」と独り言をつぶやいてしまうのは,きっと筆者だけではないだろう。すっかりゲームにはまっているのである。
重心移動をからめたレーステクニックは,すごく簡単というわけではないが,さりとてものすごく難しいというレベルでもなく,何度もトライしているうちに体が覚えてしまうという絶妙な難度。本作のタイトルでもある,プレイヤーの反射神経(Reflex)に強く訴えかけてくるフィーチャーだ。
グラフィックスは「すごい!」というレベルではないが,走っていて楽しいと思わせるレベルには十分なっている。マルチプレイでもプレイヤー数は多めなので,人が少なくて困るということはなさそうだ。ゲームならではの,文字どおり“ぶっ飛んだ”レースを体験してほしい。
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