イベント
「Minecraft」が公立小学校の教材に。プログラミング教育の参観・体験イベント「i和design-Programming Festival」の模様をレポート
イベントの冒頭では全校朝会が行われ,多摩市立愛和小学校校長の松田 孝氏が,児童に向けて「学校とは君達が社会人となる将来に向けて,世の中の仕組みと必要な技術をしっかり学ぶ場です」と説明。さらに今後の1年あたりの社会の進歩は,かつての200年分に相当するとし,20年後の2035年には想像もつかないような変化が起こっているだろうとの見解も示した。松田氏は,そうした変化の中にはロボットとの共存もあるとし,ロボットと“会話”する手段としてプログラミングを学ぶことの重要性を説いた。
5年生を対象に行われた「MinecraftEdu」の授業では,9名の児童が「タートル」を操作するプログラミングに挑戦した。タートルは,プレイヤーがあらかじめ組んだ連続する指示コマンド(プログラム)に沿って移動したり,ブロックを積んだりする存在である。
最初はタートルを思ったように動かせず,どんなプログラムを組めばいいのか戸惑いを見せていた児童達だったが,一旦コツを掴むと次々に課題をクリアしていった。休憩時間になっても全員が席を立たず,課題を解こうと集中して取り組む姿には,筆者も含めた周囲の大人達のほうが驚いていたほどである。
授業の後半では3名ずつのグループに分かれ,3体1組のタートルにダンスを踊らせるという課題が提示された。この課題のポイントは,タートルに同じ行動を繰り返させるループの作り方にある。たとえば右に動いたら,どこかで左に戻さないと,ループを重ねていくうちにどんどん右側にズレていってしまうのだ。
またタートルは,別のオブジェクトにぶつかると動きを止めてしまう。したがって,タートル同士が互いにぶつかってしまわないようなプログラムにしなければならない。
生徒達は試行錯誤を重ねる中で,そうした仕組みを理解し,ダンスのプログラムを組んでいった。その内容は,基本的には3体のタートルが同じ行動を繰り返すことでダンスに見えるようにする,というものだが,一つのグループは,3体のうち1体をセンターとし,両脇の2体を左右対称に動かすという演出を試みていた。
授業の終了後に行われたワークショップでは,PS4版およびPS Vita版の「Minecraft」を使った算数/理科/社会/図工の4教科の課題が用意され,多くの生徒達が我先にと挑戦する様子が見られた。
授業でもワークショップでも,児童達には課題が提示されたから仕方なく……といった雰囲気をみじんも感じさせず,積極的に課題に取り組み,試行錯誤を経て,解答へとたどり着いていた。
とくにタートルを操作する授業では,どこに糸口があるかを「発見」し,そこからプログラムとして「計画」を立て「実行」し,どこがまずかったのか「見直し」をするという問題解決のプロセスを自然かつ効率よく学べるようになっていて,高い効果が期待できそうだった。
昨今,日本でもプログラミング教育に注目が集まっているが,今回のイベントは,その将来の可能性を感じさせる内容と言えるのではないだろうか。
「Minecraft」公式サイト
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'Minecraft' is a trademark of Notch Development AB
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