ニュース
AMD,「Radeon HD 6670・6570・6450」を発表。Radeon HD 6000シリーズが上から下まで出揃う
開発コードネームは,エントリー市場向けのRadeon HD 6670&6570が「Turks」(タークス),ローエンド市場向けのRadeon HD 6450が「Caicos」(カイコス)だ。いずれも40nmプロセスで製造されており,DirectX 11をサポートする。
Radeon HD 6670リファレンスカード |
Radeon HD 6570のリファレンスカード |
今回発表された3製品は,
- Radeon HD 6670が「ATI Radeon HD 5670」
- Radeon HD 6570が「ATI Radeon HD 5570」&「ATI Radeon HD 5550」
- Radeon HD 6450が「ATI Raden HD 5450」
のそれぞれ後継モデルという位置づけとなる。
2月4日の記事でお伝えしたとおり,Radeon HD 6600・6500・6400シリーズは先にOEMとしてリリースされていたので,今回は今回の一般PC市場向け正式発表ということになる。
GPUコアの概要や動作クロックなどはOEM向けリリースの時点で明らかになっていたが,どうやらそのあたりの基本情報に変化はないようだ。ただ,カードの消費電力など電源周りの仕様が追加で公開されたので,従来製品との比較表はあらためて作り直してみた。
なお,記事内に貼ったのはダイジェスト版。表の画像をクリックすると別ウインドウで完全版も開くようにしてあるので,適宜参考にしてほしい。
「参考にしてほしい」といったそばから恐縮だが,実のところAMDが公開した資料は「同じGPUについて説明しているスライドAとスライドBでスペックの数値が異なる」といった具合にデータの齟齬が多かった。下に示した2枚のスライドが最も顕著な例なのだが,左ではRadeon HD 6450の「Typical Board Power」(アプリケーション実行時の典型的な消費電力)が,右のスライドにおける「Maximum Board Power」(最大消費電力)を超えてしまっていたりするのだ。
また,Radeon HD 6570に関していうと,OEM向けモデルとスペックが完全に一致しているにも関わらず,演算性能が100GFLOPS高いという間違いもあった。VLIW5コアアーキテクチャを採用する同GPUの場合,480 SP×2 FLOPS×650MHz=624GFLOPSが正しい(※計算式の根拠は連載「西川善司の3Dゲームエクスタシー」内「AMD Radeon HD 6800徹底分析」を参照のこと)なので,スライドが間違っているのだろう。キーボードのタイプミスではないかと思われる。
そのため今回は「おそらく正しい」と思われる数値を選んで掲載しているので,この点はご了承を。
Turksは従来製品から性能を底上げ
Caicosは一気に2倍以上の性能を実現
今回の発表により,Radeon HD 6000シリーズは,エントリー〜ハイエンドクラスまでが出揃ったわけだ。GeForceのローエンドは,いまのところ先日発表された「GeForce GT 520」だけとなっており,コスト重視のラインナップという点では,Radeonが1歩リードした形になったといえるだろう。
なお,4Gamerではこのうち,Radeon HD 6670のレビューを行っているので,新世代のエントリーGPUがどれほどの性能を持っているかは,ぜひ記事をチェックしてほしい。
Radeon HD 6670のレビューページ
- 関連タイトル:
Radeon HD 6600&6500
- 関連タイトル:
Radeon HD 6400
- この記事のURL: