2017年6月1日,Qualcommは,台湾・台北市内のホテルにて,同社製のハイエンドSoC(System-on-a-Chip)「
Snapdragon 835 Mobile Platform」(以下,
Sn
ap
dra
gon
835)上で動作するWindows 10のデモを報道関係者向けに公開した。
フル機能のMicrosoft OfficeやWin32アプリが,
PC用Windows 10の上で動くのと同様に動作している様子を確認している。
これがARM版Windows 10が動作しているQualcomm製のテスト端末だ。縦横のサイズはスマートフォンより一回り大きい程度だが,厚みはかなりあり,なんらかのサブ基板がつながっているなど,いかにもテスト機然としている
|
|
こちらはSnapdragon 835搭載PCのテスト基板で,「Snapdragon 835 Mobile PC Platform Prototype Circuit Board」という名が付いていた。Android向けのSnapdragon 835とベースは同じだが,Windows 10向けの最適化に伴う変更があるという
|
写真の中央に見える黒いチップがSnapdragon 835だ
|
12インチ級ノートPCのマザーボード(左)と,Snapdragon 835テスト基板(右)を比較した展示。ノートPCのマザーボードと比べて,半分強のサイズに同等の機能が収まっているという
|
ゲーマーとして気になるのはその性能だが,DirectX 11はサポートするものの,AAAタイトルを動かせるような性能はなく,あくまでもカジュアルゲームの動作を想定しているとのこと。そもそも,Snapdragon 835で動作するWindows 10は,2-in-1デバイスやタブレット端末,あるいはスマートフォンサイズのデバイスといった,長時間駆動が可能なデバイスをターゲットとしているので,そこまで高い性能を求められてはいないわけだ。
実際にSnapdragon 835を搭載するWindows 10デバイスが登場しても,プレイできるのは,LTE通信機能を使って屋外でも気軽に楽しめる程度のゲームになると思われる。
Windows 10 on ARMの画面。ちなみにWindows 10のバージョンはBuild 16188だった
|
OSから8つのCPUコアが見えている。big.LITTLEのSoCなので,上段4つがbig側で,下段4つがLITTLE側とのこと
|
Windows 10の「システム」プロパティ。プロセッサはモバイル向けの「MDM」ではなく「SDM」表記である点に注目
|
「デバイスマネージャー」の表示。ディスプレイアダプターは「Adreno 540」
|
Android版のExcelではなく,フル機能のPC版Excelが動いていますよ,というデモ。処理性能が相応に必要な「ピボットテーブル」も快適に動作する
|
Win32アプリの「7-Zip」をWebサイトからダウンロードして,そのまま動かすデモ。Snapdragon用に作ったアプリでなくても,きちんと動作することを示したものだ
|
LTEによる高速ダウンロードのデモ。下り375Mbpsが出ていた
|