ニュース
Qualcomm,ミドルクラス市場向け新型SoC「Snapdragon 675」を発表。前世代と比べてゲームの起動が30%速く
主な用途の筆頭にゲームを掲げているSn
Sn
Snapdragon 675の仕様には,いくつか興味深い点がある。
まず1つは,前世代に当たるSnapdragon 670が10nmプロセスで製造されるのに対して,Snapdragon 675は11nmプロセスで製造されるという点だ。スマートフォン向けSoCを手がける大手半導体製造企業の中で,11nmプロセス技術を導入しているのはSamsung Electronics(以下,Samsung)くらいで,TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)やGLOBALFOUNDRIESは導入していないようである。つまり,Snapdragon 675は,Samsungが製造を担当することになるだろう。
もう1つのポイントは,統合するCPUコアとして,新しい「Kryo 460」を採用する点である。現行世代のQualcomm製SoCは,独自のCPUであるKryo 300シリーズを採用するものが多いのだが,その後継となるKryo 400シリーズがいよいよ登場したわけだ。
Kryo 460の詳細は明らかになっていないのだが,Qualcommによると,同CPUコアの採用によって,Snapdragon 675はアプリ起動やWebブラウジングの高速化,より優れたバッテリー駆動時間を実現し,Snapdragon 670と比べて20%の性能向上を実現したという。
また,Snapdragon 675のGPUコアが,「Adreno 612」になっているのも興味深い点である。Snapdragon 670は「Adreno 615」を採用しているので,型番的には下位となるように思えるが,QualcommがこれらGPUコアの詳細な仕様を明らかにしていないので,仕様や性能面がどう違うのかは分からない。
ただ,冒頭でも触れたとおり,QualcommはSnapdragon 675が,前世代のSoCよりも優れたゲームの体験を実現すると主張しているので,ゲーム用途で性能が目に見えて落ちることはないのではなかろうか。
そのほかにもSnapdragon 675は,カメラ用の画像処理プロセッサ(ISP)を改良し,最大480fpsのスローモーション動画を撮影する機能や,インカメラとアウトカメラの両方でトリプルレンズ式のカメラをサポートする機能を備えたそうだ。
以下に,Snapdragon 675と670,および1ランク上のミドルハイクラス市場向けSoC「Snapdragon 710 Mobile Platform」(以下,Snapdragon 710)の主なスペックを示しておこう。
Snapdragon 675 | Snapdragon 670 | Snapdragon 710 | |
---|---|---|---|
型番 | SDM675? | SDM670 | SDM710 |
製造プロセス | 11nm | 10nm | 10nm |
CPUコア | Kryo 460(2.0GHz) |
Kryo 360(2.0GHz) |
Kryo 360(2.2GHz) |
最大動作クロック | 2.0GHz | 2.0GHz | 2.2GHz |
GPUコア | Adreno |
Adreno |
Adreno |
ISP | Spectra |
Spectra |
Spectra |
カメラ | 1600万画素 |
1600万画素 |
2000万画素 |
統合型DSP | Hexagon |
Hexagon |
Hexagon |
APIサポート | DirectX 12, |
DirectX 12, |
DirectX 12, |
メモリコントローラ | LPDDR4X |
LPDDR4X |
LPDDR4X |
統合型モデム | Snapdragon |
Snapdragon |
Snapdragon |
通信仕様 | LTE Cat 15, |
LTE Cat 15, |
LTE Cat 15, |
QualcommのSnapdragon 675製品情報ページ
- 関連タイトル:
Snapdragon
- この記事のURL: