インタビュー
「CHAOS;HEAD」から飛び出したファンタズムのFESこと榊原ゆいさんに,2ndアルバム「〜PHANTASM〜 Revival Prophecy」の話を聞いてきた
このアルバムは,ファンタズムの世界観を色濃く打ち出した1枚となっており,「CHAOS;HEAD」や「STEINS;GATE」の劇中歌,エンディングテーマをはじめ,「空と地上のクレアシオン」「深淵のルミエラ」「Prophecy 〜Gate of Steiner〜」といった新曲も収録されている。
今回は,ファンタズムのFESこと榊原ゆいさんに,「Revival Prophecy」についての話を聞いてきた。ファンの人はぜひ目を通してほしい。
「〜PHANTASM〜 Revival Prophecy」
限定盤(DVD 付き)3570円(税込)/FVCG-1184
通常盤 3150円(税込)/FVCG-1185
発売:5pb.
販売:メディアファクトリー
(c)2008-09 5pb./Nitroplus
(c)2010 5pb./Nitroplus/RED FLAGSHIP
「Revival Prophecy」収録曲
01.刻司ル十二ノ盟約
TVアニメ「STEINS;GATE」EDテーマ
02.空と地上のクレアシオン(新曲)
03.プレギエーラの月夜に
PSP専用ソフト「STEINS;GATE」EDテーマ
04.マスカレード 〜ノア第三章列王新世紀編より〜
TVアニメ「雷ネット翔」主題歌
05.イノセンス 〜殺戮の創世記詩編 最終章より〜
PSP専用ソフト「CHAOS;HEAD NOAH」EDテーマ
06.祈りのヴィオレット
Xbox 360専用ソフト「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」EDテーマ
07.EUPHORIA〜償いのレクイエム〜
Xbox 360専用ソフト「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん」EDテーマ
08.麗しきセデュース
09.深淵のルミエラ(新曲)
10.翡翠のカヴィリエーレ
PSP専用ソフト「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」EDテーマ
11.罪過に契約の血を 〜アルバムLimitedバージョン〜
Windows専用ソフト「CHAOS;HEAD」挿入歌
12.Prophecy 〜Gate of Steiner〜(新曲)
13.運命のファルファッラ
Xbox 360専用ソフト 「STEINS;GATE」EDテーマ
――12月21日に2ndアルバム「Revival Prophecy」が発売されますが,今の気持ちを聞かせてください。
1stアルバムの「End Prophecy」の次が「STEINS;GATE」だったんですけど,作品に恵まれたことで,自分が思っていたよりもファンタズムがどんどん大きくなっていくのを実感しています。
ファンタズムは期間がある活動だったんですけど,こんなに長い期間,活動できるとは思っていなかったので,かなり感慨深いですね。
「End Prophecy」は“終わりの予言”って意味なんですけど,2ndアルバムの「Revival Prophecy」では,“Revival”ということで再生しちゃっているという(笑)。
――今回アルバムには13曲収録されていますが,「CHAOS;HEAD」や「STEINS;GATE」など,ゲームタイトルの楽曲が多いですね。
榊原さん:
「CHAOS;HEAD」と「STEINS;GATE」がすごい人気で,それにまつわる挿入歌やエンディングテーマを歌っていくと,タイトルものの曲が自然と増えていくんですよ。ファンタズムのオリジナル曲はそんなに多くないと思いますが,そのほうが皆さんの耳に届く機会も多くなるので,私としてはすごく嬉しいです。
作品ありきの楽曲は,ゲームのことを思い出してもらえるメリットもあるので,いい効果が出ているのではないかと思います。
――限定盤にはライブ映像が収録されたDVDも同梱されるそうですね。
榊原さん:
ダイジェスト版ですが,LIQUIDROOMでのワンマンライブ映像が入っています。私もまだ映像は見ていないんですけど,あの漆黒のミサが再び見られるので,すごくワクワクしています。
――「CHAOS;HEAD」ではインディーズとしての活動でしたが,「STEINS;GATE」ではメジャーデビューを果たしました。メジャーデビューした気持ちはどうですか?
榊原さん:
「CHAOS;HEAD」と「STEINS;GATE」では作品が全然違いますし,FESとしてのポジションも違うので,雰囲気や歌の中身などは大きく変わっています。
「CHAOS;HEAD」のときは,予言歌だったのでおどろおどろしい感じではありましたが,「STEINS;GATE」からは救いのある感じになっているのが特徴です。自分が客観的にその世界を見ながら,歌い上げているというテーマなんです。
……自分が見ている位置が全然変わって,FESも大人になったのかな? 衣装もセクシーになってますしね(笑)。
ちなみに,「CHAOS;HEAD」のときのイメージカラーは赤と黒だったんですけど,今はブルーっぽい紫のイメージです。あと,以前は十字架や鎖がファンタズムのイメージアイテムでしたけど,今はそれを引き継ぎつつ,メインイメージに紫の蝶も加えているんですよ。
――ファンタズムの人気がこれだけ高まっていることについて,榊原さんとしてはどういう心境ですか?
榊原さん:
ファンタズムではこれまでダークな曲しか歌っていないので,“榊原ゆい”として歌っているカワイイ曲のイメージを持っている方は,最初,私だっていうことに気が付かない人も多いみたいですね。「えっ,ファンタズムって榊原ゆいだったんだ」って(笑)。皆さんには榊原ゆいの芸風(?)の広さみたいなものも,合わせて楽しんでもらえたらなって思います。
おかげさまで,いろいろなイベントに呼んでいただけるようになったんですけど,ファンタズムの衣装を着ずに,榊原ゆいのままで歌わなくちゃいけないことがたまにあるんですよ(笑)。
そういうのって,自分の中で処理するのがけっこう大変だったりするんですけど,少しでも多くの人にファンタズムを聴いてほしいという思いがあるので,がんばって歌わせてもらっています。
「CHAOS;HEAD」や「STEINS;GATE」をプレイして,ファンタズムのファンになってくれた人にとって,世界観はたまらないものがあると思うんです。なので,できるだけ生の歌を聴いてほしいなって思います。
――レコーディングでは,どのようなところに気をつけましたか?
榊原さん:
ファンタズムの歌って,1つ1つの単語に深い意味があって,歌詞の意味も難しいんですが,歌っているときは,皆さんに“景色”が見えるように,距離感を意識して歌いました。
曲の中では,誰かの行動や景色を表現しているので,その部分を感じてもらえたら嬉しいですね。……って,なんか高度なこと言ってますね(笑)。
――「〜PHANTASM〜 Revival Prophecy」に収録されている3曲の新曲について,それぞれ聞かせてください。まず「空と地上のクレアシオン」ですが,これはどんな曲ですか?
榊原さん:
クレアシオンは,「創造」という意味を持っていて,歌詞の中にも“神”が出てくるんです。なのでPVは,天地創造のようなイメージで撮影しました。すごく大きな場所で歌ってるイメージというか,神秘的な要素を感じてもらえたら嬉しいですね。それはFESだからこそ歌えるものだと思うので。
――限定盤付属のDVDには「空と地上のクレアシオン」のPVが収録されていますが,どのような内容なんですか?
榊原さん:
「空と地上のクレアシオン」のPV撮影は崖でやったんですけど,私は高所恐怖症ではないので大丈夫でしたが,「これはやばい人はやばいんじゃない?」って思いましたね。スタッフの方はみんな,「榊原だから大丈夫だろう」って感じで,事前に「高所恐怖症じゃないですか?」とか聞いてくれなかったんです(笑)。
でも,空と崖の境目がバッと分かれている景色はまさに曲のイメージどおりで,これはカッコよくなりそうだなと思いました。雲もいい感じでモヤモヤしていて,ファンタズム的にはすごくいい,怪しい雰囲気だったんですよ。
しかも当日は,偶然にも自然が味方してくれて,天気雨が降ってきたんですよ。歌詞に「恵みの雨降る」という単語も出てくるので,「えっ,何これ! さすが神だな〜」って感じで(笑)。
――そのほか,撮影で苦労したところはありますか?
榊原さん:
榊原ゆいのPVではいろいろな表情が出せるんですけど,ファンタズムではあまり表情が出せないので苦労しました。笑うシーンにしても,微笑というか,神秘的な感じにしなくちゃいけなかったんです。
あと撮影のとき,お手洗いは無人駅を使わせてもらったんですけど,そういうときに限って学生さんがいるんですよ。すごく見られていましたが,目立たないようにそそくさ〜って移動しました。まぁどうやっても目立っちゃってましたけど(笑)。
――次に,「深淵のルミエラ」について教えてください。
榊原さん:
ルミエラはフランス語で「光」という意味です。これまでのFESは殺気立つような感じだったんですけど,「CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!」のあたりから,私の中でだんだん光が見えるようになっているんですよ。今のFESは,救いを差し伸べているというか……。
曲自体は今までのファンタズムに近いですけど,歌詞は人間愛や光を表現しています。もちろんただの光ではなくて,“闇の中の光”のようなイメージですね。
ファンタズムの曲って,“輝く場所にいる”イメージの歌がときどきあって,この曲もそういう感じになっています。ファンタズムの音楽自体はダークなものがまだまだメインですが,その融合が気持ちいいんですよ。
――「Prophecy 〜Gate of Steiner〜」はどうでしょう。
榊原さん:
これは「STEINS;GATE」の重要な部分でかかる曲ですが,ファンタズムならではのアレンジも加えています。プレイ済みの方なら,思わず「おっ!」ってなると思いますよ。……私が「フ〜ハ〜」って言っているだけですけど(笑)。
元の曲はインストなので,レコーディングでスタジオに行ったとき,スタッフの方に「今日は何をするんですか?」って聞いたら,「フ〜ハ〜だけです」って言われました(笑)。
ちなみに,「フ〜ハ〜」は音程を1オクターブ下げたパートも歌ったので,スタッフの皆さんは,「えっ,そんな低い声出るの?」みたいな感じで,驚いていましたね。
――では,全13曲が収録されている「〜PHANTASM〜 Revival Prophecy」を,全体として振り返っての印象を聞かせてください。
榊原さん:
ミディアムな曲と速いテンポの曲が上手く融合しているので,いい感じにバランスが取れているのではないでしょうか。こういう世界観が好きな人にはガツンとくるものがあると思います。
――とくに思い入れのある曲はありますか?
榊原さん:
「罪過に契約の血」です。
この曲は,以前シングルとして発売したものなんですけど,最初の収録のときは,私がまだ“岸本あやせ”の役もやっていない時期だったこともあって,スタッフの皆さんも私自身も,「う〜ん,こうかな〜」みたいな,ふわふわした状態でレコーディングしていたんです(笑)。
そういうことがあったのと,「罪過に契約の血」はライブでもいっぱい歌ってきた曲で,今のFESとして歌いたいなって気持ちが強くなっていたので,どうしても歌い直したくて。今回のアルバムに合わせて録り直させてもらいました。
――最後に,ファンの方へメッセージをお願いします。
榊原さん:
ここまでファンタズムが成長できるとは思ってなかったので,応援してくれた皆さんには本当に感謝しています。変わらない部分は持ちつつも,ファンタズムのFESとして,作品や歌によって進化していかなければいけないので,自分なりにいつまでもFESの気持ちで活動できるように頑張ります。
もし機会がありましたら,3rdアルバムも出せたらいいなと思いますし,ライブもしたいなと思っています。これからもよろしくお願いします。
――ありがとうございました。
- 関連タイトル:
STEINS;GATE
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